アリア・レーベル第124弾
抱腹絶倒。しかし笑ってはいけない
ビーチャム&シンフォニー・オブ・ジ・エアー
1957年1月23日のブラームス
ARD 0124 (1CD-R)\1800
ARD0089でもお話したが、トスカニーニが1954年6月に引退したことで、彼が率いていたNBC交響楽団は解散となった。
しかし多くの人々の希望を受け、NBC交響楽団は「シンフォニー・オブ・ジ・エアー」という自主運営オーケストラとして存続することになる。
そしてこのシンフォニー・オブ・ジ・エアーは、1957年にトスカニーニが亡くなった後もその薫陶を胸に、1964年まで活動を続けた。
ところでここに登場するのはトスカニーニとは全然関係ないトーマス・ビーチャム。そのブラームス交響曲第3番。
ここでのビーチャム、のっけからもうノリノリ。完全躁状態。
「ふんは!」「はんが!」「えいや!」「ふんが-」「ほわわわー」と、マイクなんかものともせずに奇声あげまくり、気合入れまくり。
しょっぱな3秒で間違いなく大爆笑すると思う。
で、オケもそれに引きずられてコレまで聴いたことのないようなお祭騒ぎのブラームス3番になってる。
さらにびっくりなのはあのロマンティック第3楽章。どんなハチャメチャになるかと思ったら、あにはからんや、今度は一転して超ロマンティックなドロドロ映画音楽風展開。こんなにもドロドロに泣ける第3楽章も珍しい、というか聴いたことがない。さっきはあんなに笑ったのに今度はちょっとうるうるしてしまいそうになる。
それにしても一体ビーチャムどうしてしまったのか。
何があったのか。
なんか普通じゃない。
ちょっと待て。
ここで初めてオーケストラの名前を見る。
オケは・・・えっと・・・シンフォニー・オブ・ジ・エア。
ん?
ビーチャムがあのシンフォニー・オブ・ジ・エアーを指揮してる。。。
演奏日は・・・
え・・・
1957年1月23日。
これ、トスカニーニ追悼公演だった・・・。
笑ってる場合じゃなかった。
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