アリア・レーベル 第89弾
指揮は、そこにいないトスカニーニ
シンフォニー・オブ・ジ・エアー/再出発コンサート
ドヴォルザーク：交響曲第9番『新世界より』
ARD 0089 \1800

ARD 0089 \1800	シンフォニー・オブ・ジ・エアー 　1954年10月27日再出発コンサート 　　ドヴォルザーク：交響曲第９番「新世界より」 　1954年9月21日スタジオ録音 　　ワーグナー：「マイスタージンガー」前奏曲 　　ベルリオーズ：「ローマの謝肉祭」序曲 　　チャイコフスキー：「くるみ割り人形」組曲	シンフォニー・オブ・ジ・エアー
1954年10月27日、9月21日　モノラル録音 　12inch ROULETTE RSP1 MONO 　コンマスはNBC交響楽団からずっと引き継いでるダニエル・ギレ。われわれにはボザール・トリオ創立メンバーとして知られる名手。 　破綻の一歩前でぐっとこらえているのはおそらくこの名手のおかげと思う。

記念碑的・歴史的録音 「シンフォニー・オブ・ジ・エア」指揮者なし演奏＆トスカニーニ追悼演奏会 M&ACD1201 (2CD) ¥4400→¥3990 トスカニーニ追悼演奏会（1957年2月3日　シンフォニー・オブ・ジ・エアー(旧ＮＢＣ響)） 　ベートーヴェン：交響曲第3番「英雄」（ワルター指揮 SOA モノ） 　ドビュッシー：交響詩「海」（ミュンシュ指揮 SOA　モノ） 　エルガー：エニグマ変奏曲（モントゥー指揮 SOA　モノ） シンフォニー・オブ・ジ・エアー　指揮者なし　9月21日　スタジオ/ステレオ録音 　ワーグナー：「マイスタージンガー」前奏曲、 　チャイコフスキー：「くるみ割り人形」組曲、 　ベルリオーズ：「ローマの謝肉祭」序曲 　上記シンフォニー・オブ・ジ・エアー/再出発コンサートから2年とちょっと経った1957年1月16日。ついにその日が訪れる。 　トスカニーニがこの世を去ったのである。 　そしてその半月後の２月３日、カーネギー・ホールで追悼のコンサートが開かれた。 　オーケストラはもちろんシンフォニー・オブ・ジ・エア。そして指揮はワルター。曲は「エロイカ」。 　宇野功芳氏がことあるごことに「ワルター最高のエロイカ」と大絶賛していた名演で、数年前にＭ＆Ａから待望の復活リリースを遂げ大きな話題を呼んだ。 　演奏はワルターの、というよりトスカニーニの幻を見るかのごとき雄渾でたくましいもの。 　それは事前にマルケヴィッチが全精力を注いでオケの下準備をしていたということもあるだろう。だがワルターの神通力によって、オケの団員たちの心の中にトスカニーニの姿が浮かび上がったことがこの演奏を生み出した最大の要因である。 　だから彼らを指揮していたのはおそらくトスカニーニだった。 　これはそんなマルケヴィッチ、ワルター、トスカニーニという３人の大指揮者による奇跡的な共演による「エロイカ」なのである。 　ところが話はまだ終わらない。 　ワルターのほかに、この追悼コンサートの指揮台にはミュンシュとモントゥーが立っていた。 　もちろん２人ともアメリカで活躍し、ＮＢＣ響とも深い間柄にあった。 　そしてここではそれぞれ自分たちが得意とする曲を披露し、トスカニーニに捧げた。 　それがミュンシュの「海」であり、モントゥーの「エニグマ」である。