クラシックＣＤ通販ショップアリアＣＤアリア・レーベル第70弾

第70弾
ひとつの奇跡的な現象
フルトヴェングラー＆ウィーン・フィル
ベートーヴェン：交響曲第3番「英雄」 1944年12月19日
AR 0070 1CD-R\1700
AR 0070-F 1CD-R\2500 特別装丁盤

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　アリア・レーベル第70弾でこのアルバムを出すことになった。
　今この時期に。

　1944年12月19日の「英雄」。
　これはフルトヴェングラーの録音の中でも5本の指に入る人気演奏。

　・・・だが、リリースするにあたり深いジレンマが伴う。

　ひとつめのジレンマは、この原盤はフルトヴェングラーに訴訟を起こされたURANIA盤であること。
　URANIAは放送局から音源を購入したらしいが、フルトヴェングラーには承諾を取っていなかったためそういう事態に陥った。
　つまりフルトヴェングラーが生前リリースを許可しなかった音源をCD化してよいのか、ということである。

　そしてふたつめはピッチが高いこと。
　URANIAが入手した放送音源がもともとそうだったのでなんとも仕方がないのだが、現状この音源をＣＤ化する時はこのピッチを修正するかしないかの選択に迫られることになる。
　直さなければ原曲とは微妙に違うものになる。
　しかし、直すとしたらこの音源に自分の手が入ることになる。プチパチ・ノイズを消したりするのとは訳が違う。最終的に自分の判断で音楽そのものを変えてしまうことになりかねないのである。
　
　そして最後の３つめは・・・
　自分は、その禁断のURANIA盤、ピッチも高いURANIA盤を聴いて感動してしまったこと・・・である。
　それはつまり、「フルトヴェングラーの意思を無視するのか」、そして「「英雄」の本来のあり方を無視するのか」ということでもある。

　なのだが・・・・。

　感動してしまったのである。
　しかもわずか半年前。

　この演奏はもちろん今まで何度も聴いてきた。いろいろな盤で繰り返し。
　にもかかわらず、何が起きたのか分からないのだが・・・今回、どうしようもないくらいに激しく心が動いた。
　長年クラシック音楽を聴き、長年この仕事をしてきた自分が、おそらくその人生で最も深く感動した。
　それはこの年になったからなのか、それとも今のこの時代になったからなのか。

　
　終楽章のラスト5分。
　まったく説明不能のこみあげてくる熱い感情が嗚咽となり、涙となり、しばらく自制できなかった。

　透き通るように純粋な美しい音楽を聴いたときのあの涙とは違う。
　熱く激しく、血が沸きあがるような音楽を聴いたときのあの涙とも違う。
　宇宙を思わせるような崇高で神がかり的な音楽を聴いたときのあの涙とも違う。

　これまで経験したことのない、異なる次元に連れて行かれてしまったような感情。

　まさかこの年になって、これほどの感動にとらわれるとは思っても見なかった。

　・・・だから、決心したのである。
　この盤をそのままCDリリースしようと。

　1804年。この曲が作られたとき。
　世界は激動の時代を迎えていた。
　それまでの貴族社会が革命によってひっくり返され、上流階級の娯楽のための音楽ではなく、革命実行者と平民の勇気を鼓舞し心を慰める音楽が必要とされた。
　その先陣となったのがこの曲。まさに音楽の革命。
　それ以降、この曲を書いた男は、まったく未来が読めない中、人間の意志と勇気と存在意義を問う壮絶な音楽を書き続けた。

　1944年。この曲が演奏されたとき。
　世界は激動の時代を迎えていた。
　ドイツに登場した狂った政治団体は世界中を狂乱に陥れた。しかしすでに敗色濃厚。どうせ敗けるなら暴れるだけ暴れてすべてを破壊しつくそうとしていた。
　そんな中、この演奏を指揮した男も命を狙われ始め、いつ何かの拍子に逮捕されて惨殺されてもおかしくない状況に追い込まれていた。
　しかしそうした非常事態にもかかわらず、その男はウィーンに向かいこの演奏を残した。
　世界も国家も家族も自分の命もこれからどうなるかまったく分からない状況であったがゆえに、その時その場所でこの曲を絶対に演奏しなければならなかった・・・そう思わせるようなこの壮絶なる音楽。

　2016年。この録音が聴かれるとき。
　世界は激動の時代を迎えようとしている。
　誰もが世界の平和と安穏を信じて生きてきたが、どうやら未来はそうではないと緩やかに理解しつつある。
　自然も、政治も、経済も、明らかに先が見えない。悩みや迷いのない人はもはやいない。
　しかしだからこそ人々は、自分たちの悩みや苦しみを全て包含し、どこか高いところに昇華させてくれる音楽を必要としている。

　今回紹介するこの音楽は、200年前の男も、70年前の男も、今聴いているあなたも、時代と場所を越えていっしょに包み込み、さらなる上の境地に連れて行ってくれる。

　これはすでに音楽とか芸術ではない。
　ひとつの奇跡的な現象。

　そんな音源は、そんなに、ない。
　

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AR 0070
1CD-R\1700
通常盤

第70弾
　フルトヴェングラー＆ウィーン・フィル
　　ベートーヴェン：交響曲第3番「英雄」
　　　1944.12.19

ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

AR 0070-F
1CD-R\2500
特別装丁盤

原盤：URANIA URLP 7095
録音：1944.12.19（-20）　ウィーン　モノラル

　今回のARDMOREの復刻はパチパチ音もほとんど気にならず、演奏の深みも損なっていない。
　非常に非常に優秀、且つ魅力的。他の復刻盤と比べてもまったく見劣りしない。正直腕を上げたなという気がする。

通常盤は、薄型ケースで、シンプルなデザインのジャケットと盤面印刷の仕様です。
特別装丁盤は通常ジュエル・ケース入り。表裏ジャケと盤面印刷の仕様です。

フォーマットはＣＤ-Ｒ。針音や歪みなどのオリジナル・ノイズがありますがご了承ください。

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フルトヴェングラー＆ウィーン・フィル
ベートーヴェン：交響曲第3番「英雄」 1944年12月19日
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AR 0070-F 1CD-R\2500 特別装丁盤

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フルトヴェングラー＆ウィーン・フィル
ベートーヴェン：交響曲第3番「英雄」 1944年12月19日
AR 0070 1CD-R\1700
AR 0070-F 1CD-R\2500 特別装丁盤