97289
(6CD)
\4000
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バッハの名曲がギターで鳴り響く!
バッハ・ギター・コレクション
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ全曲、他
CD1
1. プレリュード (無伴奏チェロ組曲第1番 BWV.1007より)2'27
2. トッカータとフーガ ニ短調 BWV565 9'27
3. シャコンヌ (無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番
BWV.1004より) 13'32
4. アリア (ゴルトベルク変奏曲 BWV.988より) 4'00
5. アリア (管弦楽組曲第3番 BWV.1068より) 4'19
6. ラルゴ (協奏曲 BWV.1056より) 2'34
7. ガヴォット (無伴奏チェロ組曲第6番 BWV.1012より) 3'22
8. ガヴォット (無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番
BWV.1006より) 3'04
9. シチリアーノ (無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番
BWV.1001より) 2'59
10. シチリアーノ (フルート・ソナタ BWV.1031より) 2'29
11. 主よ人の望みの喜びよ(カンタータ BWV.147より) 3'09
ルイージ・アッタデーモ
(ギター/アントニオ・エミリオ・パスクアル・ヴィウデス
1927)
録音:2022年3月21、22日、イタリア、クレーマ
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CD2
1. 小プレリュード BWV936 (6つの小プレリュードより) 3'23
2. 小プレリュード BWV934 (6つの小プレリュードより) 2'15
3. 小プレリュード BWV937 (6つの小プレリュードより) 2'24
4. 小プレリュード BWV938 (6つの小プレリュードより) 2'21
5. 小プレリュード BWV940 (5つの小プレリュードより) 1'04
6. 小プレリュード BWV939 (5つの小プレリュードより) 0'53
7. 小プレリュード BWV942 (5つの小プレリュードより) 1'02
8. 小プレリュード BWV999 (5つの小プレリュードより) 1'51
9. アングレーズ (フランス組曲第3番 BWV814より) 2'16
10. メヌエットとトリオ (フランス組曲第3番
BWV814より) 4'21
11. アルマンド (フランス組曲第4番 BWV815より)
3'56
12. フゲッタ BWV961 2'20
13. メヌエット I & II(パルティータ第1番
BWV825より) 4'09
ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのためのクラヴィーア小曲集より
14. プレリュード BWV926 (9つの小プレリュードより)
1'51
15. メヌエット BWV841 (3つのメヌエットより)
1'29
16. メヌエット BWV842 (3つのメヌエットより)
1'12
17. プレリュード BWV924 (9つの小プレリュードより)
1'03
18. ファンタジア第12番 BWV792 (シンフォニア第6番)
2'08
19. プレリュード BWV930 (9つの小プレリュードより)
2'42
20. ファンタジア第13番 BWV791 (シンフォニア第5番)
3'02
21. シュテルツェル:メヌエット
(「シュテルツェル氏のパルティア」より。トリオは
BWV.929)3'26
22. テレマン:クーラント (組曲 BWV824より)
2'42
アンナ・マグダレーナ・バッハのためのクラヴィーア小曲集より
23. C.P.E.バッハによる行進曲 BWV Anh. 122
1'19
24. C.P.E.バッハによる行進曲 BWV Anh. 124
1'36
25. ペツォールトによるメヌエット BWV Anh.
114/115 3'10
26. ポロネーズ BWV Anh. 119 1'13
27. メヌエット BWV Anh. 113 2'03
28. メヌエット BWV Anh. 120 1'43
29. メヌエット BWV Anh. 116 2'11
30. メヌエット BWV Anh. 132 1'00
31. ミュゼット BWV Anh. 126 1'09
ステーファノ・カルディ(ギター/ローディ:エンリケ・ガルシア・モデル
2013)
録音:2022年5月、ローマ、E45スタジオ
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CD3
アンナ・マグダレーナ・バッハのためのクラヴィーア小曲集より
1. コラール「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ」BWV.645(BWV.140)
2'05
2. コラール「おお永遠よ汝恐ろしき言葉」BWV.513
1'39
3. アリア「わが魂よ、思い起こしなさい」BWV.509
1'35
4. メヌエット BWV Anh.113 2'52
5. 行進曲 BWV Anh.127 1'19
6. ポロネーズ BWV Anh.128 1'54
7. ミュゼット BWV Anh.126 1'02
8. コラール「汝は満たされ、平静であれ」BWV.510
1'57
9. アリア「汝は満たされ、平静であれ」BWV.512
1'24
10. C.P.E.バッハによる行進曲 BWV Anh.122、ポロネーズ
BWV Anh.123、
マーチ BWV Anh.124、ポロネーズ BWV Anh.125
7'51
11. J.C.バッハによるロンドー BWV Anh.131 1'19
12. プレリュード BWV.846 2'31
13. コラール「幸いなるかな、おお魂の友よ」
BWV.517 1'57
14. アリア「なにゆえに汝は憂いを覚え」 BWV
Anh.516 1'53
15. ベームによるメヌエット 1'45
16. コラール「汝エホヴァがためにわれは歌わん
」 BWV.299 1'07
17. シュテルツェルによるアリア「汝がそばに居てくれるのなら」
BWV.508 3'05
18. ハッセによるポロネーズ BWV Anh.130 2'18
19. レチタティーヴォ「われは満ちたれり」
BWV.82/2 1'42
20. アリア「まどろめよ、疲れし眼」 BWV.82/3
7'29
21. コラール「ただ尊き神にすべてを委ね」
BWV.691 2'35
22. クープランによるロンドー「田園詩」 BWV
Anh.183 4'48
23. ペツォールトによるメヌエット BWV Anh.114、BWV
Anh.115 4'33
24. ゴットフリート・ハインリヒ・バッハによるアリア
「パイプにおいしい煙草を詰めて」 BWV.515a
1'06
25. C.P.E.バッハによる行進曲 BWV Anh.122
1'40
26. メヌエット BWV Anh.120 2'30
27. メヌエット BWV Anh.116 2'26
28. コラール『神よ、我をみ心のままに』 BWV.514
1'19
29. ジョヴァンニーニのアリア「汝の心を我に捧げなば」
BWV.518 2'41
30. メヌエット BWV Anh.132、BWV Anh.121 3'07
31. アリア(ゴルトベルク変奏曲 BWV.988より)
3'17
ヤン・デプレーテル(ギター)
録音:1999年9月、2019年9月、ベルギー、エーケレン、リトル・ビッグ・スタジオ
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CD4
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番 ト短調 BWV1001
1. アダージョ 5'14
2. フーガ(アレグロ)5'27
3. シチリアーナ 3'03
4. プレスト 3'51
無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第1番 ロ短調
BWV1002
5. アルマンド - ドゥーブル 9'40
6. クーラント - ドゥーブル 8'06
7. サラバンド - ドゥーブル 6'47
8. テンポ・ディ・ボレア - ドゥーブル 7'26
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番 イ短調 BWV1003
9. グラーヴェ 5'29
10. フーガ 7'54
11. アンダンテ 5'57
12. アレグロ 6'16
フランチェスコ・テオピーニ (ギター/マイケル・オリアリー
2010)
録音:2014年12月28日~2015年1月14日、
イタリア、ペルージャ、アッシジ宮殿
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CD5
無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調
BWV1004
1. アルマンド 6'01
2. クーラント 2'24
3. サラバンド 4'44
4. ジーグ 4'08
5. シャコンヌ 18'22
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番 ハ短調 BWV1005
6. アダージョ 4'44
7. フーガ 12'20
8. ラルゴ 3'17
9. アレグロ・アッサイ 5'08
無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番 ホ短調
BWV1006
10. プレリュード 3'55br> 11. ルール 3'40
12. ガヴォット・アン・ロンドー 3'33
13. メヌエット I & II 3'40
14. ブーレ 1'45
15. ジーグ 1'50
フランチェスコ・テオピーニ (ギター/マイケル・オリアリー
2010)
録音:2014年12月28日~2015年1月14日、
イタリア、ペルージャ、アッシジ宮殿
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CD6
リュートのための作品集
組曲 BWV996 ホ短調
1. I. プレリュード 2'59
2. II. アルマンド 3'51
3. III. クーラント 2'33
4. IV. サラバンド 4'14
5. V. ブーレ 1'13
6. VI. ジーグ 2'50
組曲 BWV995 イ短調
7. I. プレリュード 5'21
8. II. アルマンド 6'45
9. III. クーラント 2'35
10. IV. サラバンド 4'04
11. V. ガヴォット I 2'10
12. VI. ガヴォット II ロンデロ 2'22
13. VII. ジーグ 2'09
組曲 BWV997 イ短調
14. I. プレリュード 3'25
15. II. フーガ 8'07
16. III. サラバンド 5'15
17. IV. ジーグ 2'55
18. V. ドゥーブル 2'50
組曲 BWV998 ニ長調
19. I. プレリュード 2'48
20. II. フーガ 5'18
21. III. アレグロ 3'33
22. プレリュード BWV999 ニ短調 1'43
23. フーガ BWV1000 イ短調 5'18
ルイージ・アッタデーモ(ギター)
録音:2009年10月~2010年10月、イタリア、フィレンツェ、カレンツァーノ
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バッハ自身が編曲好きだったことや、楽器指定にあまりこだわっていなかったような面もあることから、バッハの作品が編曲演奏されて違った魅力が楽しめるのはとても喜ばしいことに思えます。
また、バッハの音楽でよく言われる、汎楽器的、汎時代的な性格も、後世の編曲の意義を深めてくれるはずで、実際、このセットで聴けるバッハの編曲はどれも傾聴に値する仕上がりとなっています。
ケースは一般的なサイズ(厚さ24㎜)のプラスチック(ポリスチレン)製で、6枚収納のマルチ仕様となっており、英文ブックレットは20ページあります。
バッハと撥弦楽器
バッハの時代、ドイツ地域で最も一般的だった撥弦楽器はリュートで、バッハにはヴァイスというリュート奏者一族の友人もおり、バッハ自身、リュートのための作曲もおこなっていますし、実際に楽器も所有していました。
バロック期のギター
17世紀にスペインやフランス、イタリアで普及したギター(バロック・ギター)は、ルネッサンス期にリュートと似た用途に使われていたビウエラにそっくりで(ビウエラからギターへの改造も可能)、そのため、ビウエラがよく使われていた地域ではギターへの切り替えが進み、リュートがよく使われていた地域ではギターがなかなか普及しなかった可能性があります。
ギターと地政学
当時のドイツなどプロテスタント地域の宮廷や自治体は、アラゴンやブルボン、ハプスブルクなどカトリック地域の宮廷とは大きく異なっており、ギターの普及がスペイン、フランス、イタリアで先行したのも、音楽家を雇用していた宮廷の相互の関係が影響していると捉えるとわかりやすいような気もします。
バッハとギター
バッハやヴァイスのような高度な技術を持つ作曲家がギターのために作曲しなかった理由としては、地政学的な問題でギターに接することができなかったことのほかに、仮に接していたとしても、当時のギターが独奏楽器としてはまだ開発途上で音量も小さかったことが考えられます。
リュートも音量は小さかったものの、独奏楽器としての表現力は十分に進化してすでに完成されていました。そしてリュートの演奏によって、ヴァイスがドレスデンの宮廷で高い報酬を獲得し、バッハもヴァイスと交流して、少ないながらも作曲をおこなっていたことから、リュートの存在価値が大きかったことは確実です。
とはいえ、ギターは19世紀に入ると改良が進んで大きな音を出すことができるようになって一般化し、逆にリュートは下火になっていったので、新しもの好きで編曲好きでもあったバッハが、もし現代のギターのような楽器に出会っていれば、そのために作曲や編曲をおこなった可能性は十分にあります。
バッハと編曲
バッハが自作や他者の作品の編曲・転用に熱心だったのは、トーマスカントルとしてカンタータなどを大量に準備しなければならなかったことのほかにもいくつ理由かありますが、代表的なものは以下の通りです。
家計の事情
8人兄弟の末っ子として生まれたバッハは、自分の家庭を非常に子だくさんで賑やかなものとし、第1子のカタリーナ[1708-1774]から、第20子のレギーナ[1742-1809]まで、34年間に20人の子供をもうけており(うち10人は乳幼児期に死去)、バッハが65歳で亡くなったときにレギーナはまだ8歳でした。
つまり、バッハが23歳のときから亡くなるまでの42年間に渡って、バッハ家には常に小さな子供が居たことになり、家で子供たちが待っているとなると、バッハが最後の年まで現役だったことも十分に頷けます。当時は子どもの独立が早かったとはいえ、生活費が嵩んでいたことは確実ですし。
副業
大家族の生活費問題もあって、バッハはトーマスカントルや教師など、ライプツィヒ市からの報酬だけではやっていけず、1729年から1741年頃まで民間演奏団体「コレギウム・ムジクム」と関わってコーヒーハウスや庭園での指揮(1737年まで)や演奏により、副業での報酬を獲得しています。
演奏報酬
「コレギウム・ムジクム」での報酬は演奏へのものだったので、バッハは曲目を用意するために、編曲・転用などを積極的におこなって対応していたようです。こうした編曲や転用は、「コレギウム・ムジクム」以外でも様々な機会におこなわれ、1740年代なかばには、作曲されたばかりのペルゴレージの「スターバト・マーテル」を、見事な詩篇カンタータに仕立てて演奏してもいました。
小都市での公演維持
1750年頃の欧州都市人口は、ロンドン約68万人、パリ約58万人、ナポリ約31万人、アムステルダム約21万人、ウィーン約18万人、ローマ約16万人、サンクトペテルブルク約15万人、ヴェネツィア約15万人、リスボン約15万人、モスクワ約13万人、ミラノ約12万人、パレルモ約12万人、リヨン約11万人、マドリード約11万人、コペンハーゲン約9万人、ベルリン約9万人、ジェノヴァ約9万人、ハンブルク約8万人、セビリア約7万人、マルセイユ約7万人、ドレスデン約6万人といった感じなので、ライプツィヒの人口約3万人は少ない方ですが、それまで子育てしてきたワイマールやケーテンに較べればずっと大きな規模でした。
「コレギウム・ムジクム」が、補助金などの公的な支援無しで頻繁に演奏会を開催することができたのもライプツィヒの人口のおかげですが、そうは言っても小都市レベルなので、演奏会の需要を維持して安定報酬に繋げるためには、魅力ある演奏曲目が不可欠だったため、バッハの編曲意欲も十分に高かったものと考えられます。
ルイージ・アッタデーモ (ギター)
1972年、ナポリに誕生。ギタリストで作曲家のアンジェロ・ジラルディーノに師事。哲学科も卒業し、音楽解釈に関する論文を執筆、やがて同テーマの書籍として出版。ジュネーブの国際音楽コンクール
(CIEM) (1995年)をはじめ、国内外のコンクールで入賞。以後、ソロと室内楽の両方で活動。
アンドレス・セゴビア財団 (スペイン、リナレス)のアーカイヴに収蔵されている手稿の目録を作成するかたわら、ジャウマ・パヒサ、アレクサンドル・タンスマン、ガスパル・カサドなどの重要な作曲家の知られざる作品を発見し、これらの作品のいくつかを世界初録音。
アッタデーモはヴィオラ奏者のシモーネ・グラマーリアとの室内楽にも取り組んでおり、パガニーニに捧げたアルバムを録音したほか、ヘンツェの「エル・シマロン」やアレッサンドロ・ソルビアティのギターとオーケストラのための協奏曲といった現代作品も演奏。
CDは、Brilliant Classics、Da Vinci Classics、Amadeusなどから発売。
ステーファノ・カルディ(ギター)
1959年、ローマに誕生。ローマ・聖チェチーリア音楽院を卒業後、ジョン・ウィリアムズの指導を受けています。
1985年、バルセロナで開催されたマリア・カナルス国際コンクールで優勝し、以後、ソリスト、室内楽奏者として活動。古典派時代のオリジナル楽器も演奏するほか、現代作品の紹介にも熱心で、視覚芸術や文学など他分野の人物とのコラボレーションも実施。フェラーラ・G.フレスコバルディ音楽院で教えてもいます。
CDは、Brilliant Classics、Stradivarius、RCAなどから発売。
ヤン・デプレーター(ギター)
1975年、ベルギーに誕生。ルーヴェン・レメンス音楽院、アントワープ王立音楽院、ハーグ王立音楽院を卒業し、音楽の修士号を複数取得。東京からパリまで15以上のコンクールで入賞しており、その中にはアルハンブラ宮殿、パリ、東京、ウィーンでの最高賞のほか、スペインのフランシスコ・タレガおよびアンドレス・セゴビアのコンクールでの優勝も含まれています。
CDは、Brilliant Classicsなどから発売。
フランチェスコ・テオピーニ (ギター)
イタリアのギタリスト、フランチェスコ・テオピーニは7歳でギターを始め、ボローニャのスタターレ音楽院とロンドンの王立音楽アカデミーで学びます。イギリスの有名ギタリスト、デイヴィッド・ラッセルも絶賛するテオピーニは第1級の技術の持ち主で、来日経験もあります。
CDは、Brilliant Classics、Da Vinci Classicsなどから発売。
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96361
(5CD)
\3400
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ジャン・ラングレ [1907-1991]
オルガン音楽 第2巻
CD1
75'45 |
交響曲第3番
1. I. 序奏 5'36
2. II. カンタービレ 8'31
3. III. 間奏曲 1'54
4. IV. ニューヨークの日曜日の朝 8'03
5. V. 雷雨 5'30
2つのオフェルトワール(奉献唱)
6. I. ミサ曲「星空の創造主」のパラフレーズ
4'55
7. II. ミサ曲「大いなる力を持つ神よ」のパラフレーズ
5'17
ブルターニュの8つの歌
8. I. 「天国」 3'03
9. II. 「ロザリオを唱えよ」 2'44
10. III. 「お告げの祈り」 4'51
11. IV. 「ブルターニュのクリスマス」 4'03
12. V. 「イエス、祝福されしわが救世主」 4'31
13. VI. 「イエスは私たちに祈るように言われる」
2'50
14. VII. 「銀の葉を持つユリ」 3'42
15. VIII. 「永遠について考えよ」 3'47
16. 「羊飼いの歌」 2'33
17. 「賢者の祈り」 3'45
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ファウスト・カポラーリ(オルガン)
使用楽器:ルッファーティ・オルガン(2000年建造)
録音:2023年5月24日~10月2日、
ミラノ、ヴィラ・コルテーゼ、サン・ヴィットーレ教区教会 |
CD2
73'28 |
「中世組曲」(低音ミサ形式)
1. I. プレリュード 2'49
2. II. ティエント 3'10
3. III. インプロヴィゼーション 1'37
4. IV. 瞑想 4'02
5. V. 喝采 5'38
「ソロ・ペダルのための7つの演奏会用練習曲」
6. I. 半音階 3'56
7. II. 対位法 1 4'14
8. III. 交替 4'11
9. IV. 対位法 2 5'35
10. VI. スタッカート 3'08
11. VII. トリル 5'09
12. VIII. アレルヤ 6'20
13. 「幸福の詩」 7'22
「三部作」
14. I. メロディー 5'22
15. II. トリオ 5'05
16. III. 終曲 5'10 |
アレッサンドロ・ペリン(オルガン)
使用楽器:タンブリーニ・ボナート・オルガン(1967年建造、1999年修復)
録音:2023年6月17日~12月1日、
パドヴァ、アーバノ・テルメ、サン・ロレンツォ大聖堂 |
CD3
71'50 |
「モザイク 1」
1. I. 「ガブリエル・フォーレのための石碑」
4'06
2. II. 「バッファロー・ビルの墓にて」 4'55
3. III. 「2人のオルガン奏者のための二重幻想曲」*
9'47
4. IV. 「ボーイズ・タウン、平和の場所」 6'17
3つのオフェルトワール(奉献唱)
5. I. 4'45
6. II. 6'01
7. III. 6'03
「聖なる三位一体についての3つの黙想」
8. I. 第1のペルソナ 父 5'05
9. II. 第2のペルソ 子 5'56
10. III. 第3のペルソ 聖霊 5'37
11. 「棕櫚の祝日」 7'05
12. 「聖なる日のための呪文」 6'04
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ジョルジョ・ベナーティ(オルガン )
ルチアーノ・カルボーネ(第2オルガン/トラック3)
使用楽器:ディエゴ・ボナート・オルガン(2007年建造)
録音:2023年3月17日、5月26日、10月20日、
イタリア、イーゾラ・デッラ・スカラ、サント・ステファノ修道院 |
CD4
72'55 |
交響曲第1番
1. I. アレグロ 10'28
2. II. 牧歌 7'48
3. III. コラール 5'33
4. IV. フィナーレ 9'51
聖三位一体の祝日礼拝
5. I. 入祭唱の前に 1'08
6. II. 奉献唱の後に 4'47
7. III. 聖体拝領の後に 4'45
8. IV. 聖体降福の後に 2'41
聖家族の礼拝
9. I. 入祭唱の前に 1'47
10. II. 奉献唱の後に 4'31
11. III. 聖体拝領の後に 2'34
12. IV. 聖体降福の後に 2'48 |
ファウスト・カポラーリ(オルガン)
使用楽器:ルッファーティ・オルガン(2000年建造)
録音:2023年5月24日~10月2日、
ミラノ、ヴィラ・コルテーゼ、サン・ヴィットーレ教区教会 |
2つの短い作品
13. ブレーヴェ I 3'44
14. ブレーヴェ Ⅱ 2'06
簡単な3つの作品
15. I. リブレ 2'56
16. II. レチタティーヴォ 3'23
17. III. アレグロ 1'55 |
ジョルジョ・ベナーティ(オルガン )
使用楽器:ディエゴ・ボナート・オルガン(2007年建造)
録音:2023年3月17日、5月26日、10月20日、
イタリア、イーゾラ・デッラ・スカラ、サント・ステファノ修道院 |
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CD5 69'52 |
1. 祝祭 5'56
グレゴリオ聖歌風3部作 5'19
2. I. 薔薇の神秘 5'43
3. II.天国にて 7'55
4. III. アレルヤ 9'30
5. 2つの古いスコットランド民謡による幻想曲
9'30
民謡組曲
6. I. 「おお、子らよ」によるフーガ 4'05
7. II. 聖ニコラスの伝説 4'01
8. III. 賛美歌 4'51
9. IV. カンツォナ 3'08
10. V. 2つのクリスマスのラプソディ 6'36 |
アレッサンドロ・ペリン(オルガン)
使用楽器:タンブリーニ・ボナート・オルガン
(1967年建造、1999年修復)
録音:2023年6月17日~12月1日、
パドヴァ、アーバノ・テルメ、サン・ロレンツォ大聖堂 |
11. ミニアチュールⅡ 2'53
特徴的な3つの作品
12. I. 牧歌~前奏曲
2'18
13. II. 間奏曲 4'07
14. III. 鐘 3'20 |
ジョルジョ・ベナーティ(オルガン )
使用楽器:ディエゴ・ボナート・オルガン(2007年建造)
録音:2023年3月17日、5月26日、10月20日、
イタリア、イーゾラ・デッラ・スカラ、サント・ステファノ修道院 |
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優秀録音によるオルガンの大型企画!
CD20枚以上になる予定の大型プロジェクトの第2弾。
ラングレーの弟子だったオルガニストのジョルジョ・ベナーティが監修し、ブックレットの解説もベナーティが執筆。
レコーディングは音楽のスタイルや要件に適した楽器をイタリアの様々な教会から選んでおこなわれ、ベナーティのほか、ファウスト・カポラーリとアレッサンドロ・ペリンも加わって膨大なラングレーの遺産に挑んで行きます。
優秀録音によるオルガンの大型企画!ラングレーの作風を捉え切った優秀録音
ラングレーの作品には、カトリック圏オルガンならではの壮大な音響を聴けるものも多く、また、ラングレーはペダルの達人でもあっただけに、オルガンならではの低音の魅力も満載ですが、このシリーズの録音では、弱音から轟音までリアルな質感で収められており、オルガン低音の心地良さに浸れる場面が多いのも朗報です。
その他、内省的な静寂系の音楽や、多彩なレジストレーションを駆使する曲などもあって、録音はなかなか大変そうですが、ここではオルガン録音で実績豊富なフェデリコ・サヴィオがプロデューサーとエンジニアを兼ねて万全のサウンドをつくりだしています。
英文ブックレット(32ページ)には、オルガンや演奏家のカラー写真が掲載されていて参考になります。
監修者で演奏者のベナーティによる解説もすっきり読みやすいものです。ケースは一般的なサイズ(厚さ24㎜)のプラスチック(ポリスチレン)製で、5枚収納のマルチ仕様となっています。
ファウスト・カポラーリ (オルガン)
1958年、クレモナで誕生。ミラノのG.ヴェルディ音楽院でジャンフランコ・スピネッリに師事し、1981年にオルガンおよびオルガン作曲のディプロマを取得。続いてヴァティカンの教皇庁付属アンブロジアーノ音楽院で学び、1983年にグレゴリオ聖歌のマエストロの称号を取得。
その後、大学院課程在籍中に、ハラルト・フォーゲル
(北ドイツのバロック・オルガン音楽)、アンドレ・イゾワール
(バロック期のフランス音楽)、リオネル・ロッグ
(バッハ、モーツァルト、即興演奏)、マル=クレール・アラン
(バッハ、アラン)、ダニエル・ロト (フランス近代の交響的音楽)などを学び、ダニエル・ロトからはパリで個人的な指導も受けています。
学業終了後、メシアンを研究し、彼のオルガン作品に関する論文を執筆。著書はほかに「オルガン即興演奏の理論と実践の方法」、「オルガン即興演奏の前衛的な手法」があるほか、バロック作曲家の未発表曲を集めた出版物の編集にも携わっています。
研究と並行してコンクールにも出場し、1995年と1997年にビアリッツのオルガン即興コンクールで共に第2位、1996年にヴァレンナで開催されたAGIMUS作曲コンクールで第3位を獲得。
以後、ヨーロッパ各国でソロとアンサンブルの両方で活動しながら、作曲や教育、批評もおこなっています。
現在、クレモナ大聖堂大オルガンの第1奏者であり、トリノ音楽院でオルガンとグレゴリオ聖歌について教えています。
CDは、Brilliant Classics、Bel Air Music、MV
Cremonaなどから発売。
アレッサンドロ・ペリン (オルガン)
1984年、パドヴァ近郊のコンセルヴェで誕生。パドヴァ・ポリーニ音楽院でオルガンとオルガン作曲の修士号を取得し、パドヴァ大学で古典文献学を修了。その後、ヴェローナ・ダッラーバコ音楽院でロベルト・ロレッジアンに師事してチェンバロの修士号を取得し、ハンブルクの音楽演劇大学でヴォルフガング・ツェラー教授とメンノ・ファン・デルフト教授に師事してオルガンの修士号を取得。さらに、アンドレア・マルコン教授の指導のもと、スコラ・カントルム・バジリエンシスの上級コースでも学んでいます。
2015年、パドヴァのサンタ・マリア・アッスンタ大聖堂のオルガニストに就任。
CDは、Brilliant Classics、Da Vinci Classics、Tactusなどから発売。
ジョルジョ・ベナーティ (オルガン)
1953年、ヴェローナ近郊のノガローレ・ロッカで誕生。ミラノ音楽院でエミリア・ファディーニにチェンバロを、ヴェローナ音楽院でアントニオ・ザノンに作曲を師事。オルガンについては、ジャン・ラングレー、アントン・ハイラー、トン・コープマンの指導を受けながら、17歳からオルガニストとしての演奏活動を開始。イタリア各地のほか、パリ、ベルリン、ザルツブルク、ウィーン、リンツ、ストックホルム、ミュンヘン、マドリード、バルセロナ、サラゴサ、リスボン、ブダペスト、ブカレスト、モスクワ、プラハ、ワルシャワ、クラクフ、ニューヨークなどで演奏。
活動10年目の1980年には、27歳でヴィチェンツァ音楽院のオルガンおよびオルガン作曲の教授に就任。4年後には他の音楽院でも教えるようになり、1994年には、ブレシアのルカ・マレンツィオ音楽院のオルガンおよびオルガン作曲の教授に就任。
CDは、Da Vinci Classics、Brilliant Classics、Tactusなどから発売。
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96443
(2CD)
\2100
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ジョン・W・デュアルテ [1919-2004]:ギター四重奏曲全集
CD1 52'12
コンチェルト・デモクラティコ Op.108
1. I. リズム 2'50
2. II. アダージョ 3'50
3. III. コン・ブリオ 1'46
4. バラード Op.53 4'19
二部作第1番 Op.80
5. I. アリア 4'56
6. II. トッカータ 2'26
テントス I Op.63*
7. I. ソステヌート 4'58
8. II. カルモ 4'04
9. III. ? 4'31
オランダに行く Op.36
10. I. 風車 1'12
11. II. 田園 0'56
12. III. 行進曲 1'18
13. IV. カリヨン 1'31
14. V. オランダ舞曲 1'40
小組曲第1番 Op.68
15. I. アングレーズ 0'53
16. II. サラバンド 2'25
17. III. ブーレー 1'17
18. IV. ジーグ 1'08
イギリス組曲第3番 Op.78
19. I. ラフティ・タフティ 1'29
20. II. ザ・クリスタル・スプリング 2'02
21. III. ザ・ブラック・ナーグ 1'53
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CD2 63'26
春のソナチネ Op.27a(デュアルテ編)
1. I. アレグレット・モルト・リリコ・マ・ファチーレ
2'31
2. II. エスプレッシーヴォ 3'55
3. III. ヴィーヴォ 2'24
アメリカーナ Op.96a(デュアルテ編)
4. I. ブロードウェイ 2'17
5. II. 労働歌とブルース 4'44
6. III. ホー・ダウン 2'56
モラヴィアーナ第2番 Op.146(デュアルテ編)*
7. I. 誰が歌っているの? 1'19
8. II. なんてこと 3'00
9. III. 納屋の向こうで何が起こっているの?
1'40
チャイコフスキー:「子供のためのアルバム」
Op.39
より3曲(デュアルテ編)*
10. 冬の朝 1'06
11. 新しい人形 0'39
12. 乳母のお話 0'46
チャイコフスキー:「子供のためのアルバム」
Op.39
より4曲(デュアルテ編)*
13. 木の兵隊の行進曲 0'54
14. 教会にて 2'01
15. お人形の病気 1'46
16. 木馬遊び 0'41
17. ディーリアス:「ハッサン」~セレナーデ(デュアルテ編)*
1'54 |
ミヒャエル・プレトリウス:4つのフランス舞曲(デュアルテ編)*
18. I. クーラント 0'47
19. II. バレエ 1'34
20. III. ガイヤルド 1'02
21. IV. ガイヤルド 0'55
エリザベス朝時代の4つの作品(デュアルテ編)*
22. 作曲者不詳:ラ・シャイ・マイズ 0'58
23. エドワーズ:悲しみを抱えているとき 0'50
24. バード:コラント 1'09
25. 作曲者不詳:ラ・ドゥーン・セラ 1'03
マリナー写本の4つの作品(デュアルテ編)*
26. 作曲者不詳:私の友人たち 0'58
27. エドワーズ:ああ、愚かな男 1'29
28. 作曲者不詳:あなたの工夫は微笑ましい
0'39
29. タリス:青春は泡のように消え去る 1'15
ルネサンス期の4つのフランス舞曲(デュアルテ編)*
30. 作曲者不詳:美しい森の中で(ガイヤルド)
1'00
31. 作曲者不詳:戦いのための最初の踊り 0'54
32. 作曲者不詳:アルマンド 0'56
33. 作曲者不詳:アルマンド・クーラント 1'22
ルネサンス期の3つのフランス作品(デュアルテ編)*
34. セルミジ:愛、悲しみを感じずに私を見て
0'48
35. セルミジ:あなたに仕えるために 1'16
36. ユルトゥール:3人の若いブルジョワ 1'11
いつもありがとう(デュアルテ編)*
37. シュッツ:主よ、すべての目があなたを待ち
0'41
38. ピルキントン:ダウン・ア・ダウン 1'05
39. バッハ:コラール「汝エホヴァがためにわれは歌わん」BWV299
0'50
40. デュアルテ:3444(デュアルテ編) 0'54
41. ドイツ、ヘッセンの曲:神が造られたパンに感謝(デュアルテ編)
1'03
2つのイングランド民謡(デュアルテ編)*
42. I. アイヴィーの歌 1'33
43. II. 叱る妻 1'07 |
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*初録音
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サントルソラ四重奏団
アントニオ・ルゴーロ(ギター)
アンジェロ・ジッロ(ギター)
ヴィンチェンツォ・ゼッカ(ギター)
リヴィオ・グラッソ(ギター) |
4人のギタリストによる多彩な響き
ジョン・ウィリアム・デュアルテ(デュワルテ、ドゥアルテ、デュアートなどとも)の音楽から、ギター四重奏のためのオリジナル作品とアレンジ作品をすべて集めた2枚組セット。現代的な技法も投影されたオリジナル作品のほか、16世紀エリザベス朝のシャンソンからディーリアスやチャイコフスキーの音楽、アメリカ民謡やブロードウェイ・ソング、モラヴィア民謡まで、さまざまな音楽の見事な編曲が楽しめます。
サントルソラ・ギター四重奏団
2006年に南イタリアのプーリア州のギタリスト仲間によって結成され、全員が弦楽器製作者ロベルト・デ・ミランダが作ったギターを使用。メンバーは多くの国際ギター・コンクールで入賞を果たしており、ソロとアンサンブルの両方で演奏活動するほか、音楽院や音楽学校でギターを教えてもいます。
グループ名に掲げた「サントルソラ」は、プーリア州出身の作曲家グイド・サントルソラ[1904-1994]にあやかったものです。
CDは、Brilliant Classics、Stradivarius、Dot
Guitar、Da Vinci Classics、Naxosなどから発売。
録音:2021年4月、2023年9月、イタリア、プーリア州、カステッラーネタ、サンタ・キアラ修道院跡、市立アルカンジェロ・コレッリ音楽学校
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カルロ・テッサリーニ [c.1690-1766]:ヴァイオリンと通奏低音のための作品集
アレッタンティ・ダ・カメラ Op.3(ヴァイオリン独奏と通奏低音のための)
アレッタメント第3番 ニ長調
1. アダージョ 2'38
2. アレグロ 4'30
3. アレグロ 3'41
アレッタメント第4番 ヘ長調
4. ヴィヴァーチェ 4'30
5. ラルゴ 2'8
6. プレスト 4'18
アレッタメント第2番 ト長調
7. アレグロ 4'42
8. アンダンテ 3'06
9. プレスト 3'39
アレッタメント第5番 変ロ長調
10. ラルゴ 2'3
11. ヴィヴァーチェ 3'13
12. プレスト・アッサイ 2'10
アレッタメント第1番 ハ長調
13. アダージョ 3'15
14. アレグロ 3'31
15. プレスト 3'52
カプリッチョ イ長調
16. アダージョ・プレスト 3'33
17. 変奏曲 9'41
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カペッラ・ムジカーレ・エンリーコ・ストゥアルト
ガブリエーレ・プロ(ヴァイオリン)
アンドレア・ラッタルーロ(チェロ)
ミケーレ・カッレーカ(テオルボ、ギター)
シモーネ・ピエリーニ(チェンバロ)
録音:2023年3月9~11日、イタリア、モンテ・コンパトリ、アニバルデスキ宮殿 |
ステュアート朝の末裔に捧げられた作品をゆかりある団体の演奏で
イタリア・バロック後期の知られざる作曲家、カルロ・テッサリーニ[c.1690-c.1767]が、1740年にローマで作曲し、同地のエンリーコ・ストゥアルト(ヨーク公ヘンリー・ステュアート)に捧げたヴァイオリンと通奏低音のための作品集。演奏は、そのヨーク公ヘンリー由来の名前を持つイタリアの古楽アンサンブル「カペッラ・ムジカーレ・エンリーコ・ストゥアルト」が担当し、ブックレット(英文)の解説も手がけています。
カルロ・テッサリーニ
イタリア諸都市の大聖堂や宮廷でヴァイオリニストを務めながら作曲やツアーもおこない、活動範囲はオランダやイギリス、ドイツ、モラヴィア、フランスにも及んだと推測されているテッサリーニは、最後はアムステルダムで亡くなっています。
アレッタメント
「アレッタメント」はイタリア語で「誘惑」や「魅力」を意味する言葉で、「アレッタメンティ」はその複数形。出版譜のタイトルは「アレッタメンティ・ダ・カメラ」なので「室内アレッタメント集」となります。
作風はヴィヴァルディやコレッリにも通じる豊かな旋律に恵まれたもので、自身がヴァイオリニストとしても活躍していたことからヴァイオリン・パートの活躍には素晴らしいものがあります。
5つのアレッタメントは、それぞれ急-緩-急の3楽章で構成されたソナタになっており、終曲のカプリッチョは、技巧的な2部分で構成。最後の10分近い変奏曲は、次第に複雑化する力作です。
ローマで出版
このアルバムに収録された「アレッタメント集」は、1740年1月に出版されたもので、当時ローマで有名だった15歳の「ヨーク公ヘンリー殿下(ヨルク公エンリーコ殿下)」に捧げられています。
ステュアート朝の末裔
ヨーク公ヘンリーは、1688年のクーデター(名誉革命)により追放・廃位されたイングランド王ジェームズ2世の孫。ローマのムーティ宮に生まれ、22歳でローマ教皇領の枢機卿となり、82歳でローマ教皇領のフラスカーティで亡くなるまでカトリックの聖職者として過ごしています。
早くからチェロを演奏するなど熱心な音楽愛好家でもあったヨーク公ヘンリーへの配慮からか、楽譜には「ヴァイオリン・ソロとヴィオロンチェロのための」と記されています。
カペッラ・ムジカーレ・エンリーコ・ストゥアルト
1998年にローマ近郊のフラスカーティで設立されたイタリアの古楽アンサンブルで、名前は同地の司祭枢機卿エンリーコ・ストゥアルト[1725-1807]に由来します。エンリーコ(ヘンリー)は、英国ステュアート朝の末裔で、亡命生活を送っていた父ジェームズの次男としてローマに誕生。22歳でローマ教皇領の枢機卿となり、82歳でローマ教皇領のフラスカーティで亡くなるまでカトリックの聖職者として過ごした人物で、チェロも演奏する音楽愛好家で、30年以上に渡ってフラスカーティの文化的発展にも寄与。同地のアボラチェンセ図書館には、エンリーコが作曲家のニコラ・ポルポラに委嘱したマニフィカトの楽譜なども収蔵されています。
17世紀と18世紀のレパートリーを専門とする古楽アンサンブル「カペッラ・ムジカーレ・エンリーコ・ストゥアルト」は、演奏曲目に合わせて編成を変更して活動するため、メンバー構成も柔軟です。これまで、イタリアのほか、ドイツ、イギリス、スペイン、カナダ、シリア、ザンビア、ロシア、フランス、フィンランド、オランダ、チェコなどで演奏。
今回のレコーディングにあたっては、主要メンバーのアンドレア・ラッタルーロ(チェロ)とミケーレ・カッレーカ(テオルボ、ギター)に、ソリストとして有名なガブリエーレ・プロ(ヴァイオリン)とシモーネ・ピエリーニ(チェンバロ)が加わっています。
CDは、Brilliant Classicsなどから発売。
ガブリエーレ・プロ(ヴァイオリン)
1997年、ローマで誕生。6歳からヴァイオリンを学び始め、18歳でラクイラ・A.カゼッラ音楽院を優秀な成績で卒業。早くから古楽レパートリーに興味を持ち、歴史に基づいたパフォーマンスを専門とするようになり、ジュリアーノ・カルミニョーラ、リッカルド・ミナージなどのマスタークラスも受講し、現在は世界的に活動。
CDは、Brilliant Classics、Arcana、SONY、Glossa、Passacaille、Alia
Vox、Cristophorus、Tactus、Dynamic、BR-Klassik、NTRなどから発売。
シモーネ・ピエリーニ(チェンバロ)
1996年、ローマで誕生。フル・ネームは、シモーネ・エル・ウーフィル・ピエリーニ。8歳でピアノを始め、18歳で高校を卒業後、ローマ聖チェチーリア音楽院でマウラ・パンシーニに師事してピアノのディプロマを取得。その後、フィエーゾレ音楽院でエリソ・ヴィルサラーゼに師事し、ボリス・ベルマン、ニコライ・デミジェンコ、パーヴェル・ギリロフらのマスタークラスにも参加。
その後、アレクセイ・リュビモフ、アンドレアス・シュタイアー、トビアス・コッホ、コスタンティーノ・マストロプリミアーノ、ステファノ・フィウッツィの講座やマスタークラスに参加したほか、FIMA(イタリア古楽財団)で、アンドレア・コーエンにチェンバロと歴史的鍵盤楽器奏法を、ジョヴァンニ・トーニに通奏低音を師事。
CDは、Brilliant Classicsからジェルヴェ=フランソワ・クープランの鍵盤楽器作品集(フランス革命恐怖政治終焉後の過激な自由を描写した「レザンコヤブル」と「レ・メルヴェイユーズ」も収録した注目の録音。「クープラン・ダイナスティ」に収録)、、エレーヌ・モンジュルー:ピアノ・ソナタ全集、ケルビーニ:フォルテピアノ・ソナタ集、ティナッツォリ:鍵盤楽器作品全集、ル・ブレ:クラヴサン作品集、Da
Vinci Classicsからメンデルスゾーン:ヴァイオリンとフォルテピアノのためのソナタ全集が発売。
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ル・ブレ:クラヴサン曲集
ル・ブレ [活動期間 1730-1740]
第2組曲
1. アルマンド・ラ・デュシャス(公爵夫人)
5'50
2. ラ・セドゥワザント(魅惑的な) 3'21
3. ラ・ピカント(刺激的な) 2'54
4. ラ・グラチューズ(感謝) 2'56
5. サラバンド・ラ・トゥシャント(感動的な)
5'53
6. ラ・レジュイサント(愉快な) 3'08
7. ガヴォット・レマブル・フォリー(愛すべき情熱)
2'48
8. メヌエット・ル・シュフィザント(適任者)
1'58
9. ラ・タンドル・エリザベト(優しいエリザベト)
3'01
10. ラ・プレシピテ・ウ・ロダシューズ(性急か大胆か~どちらかお好きな一方を)
3'11
11. ガヴォット・アノニム(匿名)(P.パングレの手稿による)
3'55
第1組曲
12. アルマンド・ラ・ジェネルーズ(寛大な)
5'50
13. サラバンド・ラ・コンスタント・アムレット(絶え間ない恋愛)
2'46
14. ラファブル(愛想の良い人) 1'49
15. ラ・ディヴェルティサント(気晴らし)
1'45
16. ランバラサント(当惑) 8'09
17. レトランジェール(外国人) 第1部、第2部
6'01
18. ラ・ナチュレル(自然) 2'24
19. メヌエット第1、第2(シモーネ・ピエリーニ補完)
2'45
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シモーネ・ピエリーニ(チェンバロ)
使用楽器:
M. ミートケのレプリカ/
ジューリオ・フラティーニ 2014年製作(A=415Hz)
録音:2022年11月14~15日、イタリア、モンテ・コンパトリ、アンニバルデスキ宮殿 |
謎の作曲家による良作を美しいサウンドで
フランス・バロックの作曲家、ル・ブレの生涯に関する伝記的な詳細は現在のところわかっておらず、ファースト・ネームも判明していません。しかし性格的な小品を含む2つの組曲から成る「クラヴサン曲集」の出来は立派なもので、ここではジュリオ・フラティーニが2014年に製作したミートケのレプリカによって、たいへん美しい音で楽しむことができます。
英文ブックレットには、演奏者のシモーネ・ピエリーニによる考察が記されているほか、写本からの序文がフランス語と英訳で掲載されています。
フランス・バロックの作曲家、ル・ブレの生涯に関する伝記的な詳細は現在のところわかっておらず、ファースト・ネームも判明していません。しかし性格的な小品を含む2つの組曲から成る「クラヴサン曲集」の出来は立派なもので、ここではジューリオ・フラティーニが2014年に製作したミートケのレプリカによって、たいへん美しい音で楽しむことができます。
英文ブックレットには、演奏者のシモーネ・ピエリーニによる考察が記されているほか、写本からの序文がフランス語と英訳で掲載されています。
パングレ神父による写本
天文学者、地理学者として有名な聖職者、アレクサンドル・ギ・パングレ[1711-1796]は、神学校での活動を経て天文学の世界に入り、数々の実績を積んで海軍の天文学者兼地理学者に任命され、45歳のときに科学アカデミーの正会員に選出されると、パリからの命令でサント・ジュヌヴィエーヴ修道院の学長兼司書として着任。修道院にはパングレ神父のために天文台も建造され、以後、約40年に渡って同所で働き、天文学、地理学、博物学、文学など多くのことに熱中。
パングレ神父は神学校時代に音楽を学んでいたことから鍵盤楽器を演奏することができ、オルガン曲やチェンバロ曲の写譜までおこなっていました。それらは彼の職場でもあるサント・ジュヌヴィエーヴ図書館に収蔵されており、貴重な資料としても知られています。
使用楽器はミートケ・モデル
「バッハ・チェンバロ」でも知られる北ドイツのチェンバロ製作者ミヒャエル・ミートケ[c.1656-1719]の楽器を参考に2014年に製作されたチェンバロを使用。
製作者のジューリオ・フラティーニは、イタリア中部のフェルモに2008年から工房を構える人物で、これまでに数多くのチェンバロやフォルテピアノ、オルガンの製作・修復をおこなっています。
チェンバロはシモーネ・ピエリーニ。
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シチリア島の室内オケによる内声豊かな演奏
「ロマンツァ」~弦楽のための音楽
1. シベリウス:即興曲 Op.5 5'09
2. シベリウス:ロマンス ハ長調 Op.42 4'57
ブリテン:シンプル・シンフォニー Op.4
3. I. 騒々しいブーレー 3'20
4. II. 遊び心のあるピッツィカート 3'18
5. III. 感傷的なサラバンド 7'37
6. IV. 陽気で愉快なフィナーレ 2'59
バーバー:セレナーデ Op.1
7. I. ウン・ポコ・アダージョ - アレグロ・コン・スピーリト
4'29
8. II. アンダンテ・コン・モート 2'18
9. III. アレグロ・ジョコーゾ~ピウ・モッソ
3'49
10. ペルト:ダ・パーチェム・ドミネ(弦楽オーケストラのための)
4'20
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オルフェオ管弦楽団
ドメニコ・ファマ(指揮)
録音:2023年10月、
イタリア、カターニア、サウンドトラック・スタジオ・プロダクションズ
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オルフェオ管弦楽団は、シチリアの音楽家によって人口約30万人のカターニアで2020年に結成された室内オーケストラ。創設にも関わった指揮者のドメニコ・ファマの指揮のもと、内声まで丁寧に聴かせる演奏が特徴的で、シンプルな響きになりがちな弦楽オケ作品から複雑な表情を引き出しています。
アルヴォ・ペルトの「主よ、平和を与えたまえ」は、スペインがイラク侵攻に加わったことに反対するテロリストが引き起こしたマドリードの列車爆破事件(193人死亡)の犠牲者を追悼するために書かれた悲痛な美しさが印象的な作品。
シベリウス:即興曲
1894年に作曲。前年に作曲したピアノのための即興曲
Op-5-5を主部に、Op-5-6を中間部に置いて変容させた三部形式の作品。主部は弱音器付きで神秘的な姿になっているので、元のピアノ曲からの乖離ぶりが楽しめます。
シベリウス:ロマンス
1904年に作曲。アルバム・タイトルにも用いられたこの作品のもともとのタイトルは単なる「アンダンテ」でしたが、それではせっかくのキャッチーな曲の魅力が伝わりにくいということから友人の説得で「ロマンス」に変更。親しみやすい楽想が魅力的な佳曲です。
ブリテン:シンプル・シンフォニー
1933年から1934年にかけて作曲。10代前半の少年期に書いた音楽を素材として用いて20歳のときに書き上げたもので、早熟だったブリテンの実力を示しています。素材として用いられたのはピアノ曲で、4つの楽章に主題が2つずつ用いられ変容されています。
バーバー:セレナーデ
1928年に作曲。バーバー18歳、フィラデルフィアのカーティス音楽院に在学中の作品で、オリジナルは弦楽四重奏曲。早熟だったバーバーは7歳から作曲を始めていますが、それから11年後に完成したこのセレナーデは始めて作品番号を記した自信作となりました。
ペルト:主よ、平和を与えたまえ
2004年に作曲。スペインがイラク侵攻に加わったことに反対するテロリストが引き起こしたマドリードの列車爆破事件(193人死亡、約2,050人負傷)の犠牲者を追悼するために書かれた作品。オリジナルは4声の声楽曲で、その後、ペルト自身によっていくつかのヴァージョンが出版。悲痛な美しさが印象的な作品。
オルフェオ管弦楽団
指揮者のドメニコ・ファマらによって、2020年にシチリア島のカターニアに設立。正式名称は「Orchestra
da camera Orfeo(オルフェオ室内管弦楽団)」で略号は「OCO」。地元シチリア島での公演や音楽祭、放送出演などを中心に活動。
CDは、Brilliant Classicsなどから発売。
ドメニコ・ファマ(指揮)
1989年、シチリア島のカターニアに誕生。7歳でクラシック・ギターを学び始め、9歳で初のソロ・リサイタルを開催。南イタリアのマテーラ音楽院で指揮科を卒業したのち、ミラノのイタリア指揮アカデミーや、フィレンツェでも指揮を学び、コゼンツァ音楽院ではクラシック・ギターを専攻し、作曲も修めています。
2012年から2019年まで、カターニア文化局が主催するコンサート・シーズンのコーディネートを担当し、2017年よりカターニアのコロンナ音楽院で教職に就きギターなどを指導。
プロ指揮者デビューは2018年にカターニアのマッシモ・ヴィンチェンツォ・ベッリーニ劇場でのオーケストラ・コンサート。以後、各地の音楽祭などを中心に活動し、2020年には
CDは、Brilliant Classics、Da Vinci Classicsなどから発売。
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原曲と改作の比較が容易になるギターへの編曲
ヴァイス:組曲 SW.47、バッハ:組曲 BWV.1025
ヴァイス:リュートのための組曲 イ長調 SW47
1. I. アントレ 3'42
2. II. クーラント 4'43
3. III. ロンドー 3分16
4. IV. サラバンド 5'29
5. V. アレグロ 5'10
6. VI. メヌエット 2'44
バッハ:ヴァイオリンとチェンバロのための組曲
イ長調 BWV1025
7. I. ファンタジア 2'52
8. II. クーラント 4'44
9. III. アントレ 3'30
10. IV. ロンドー 3'31
11. V. サラバンド 5'06
12. VI. メヌエット 2'53
13. VII. アレグロ 5'30
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アルベルト・ラ・ロッカ(ギター、編曲)
カルロ・ラザーリ(ヴァイオリン/トラック7~13)
録音:
2020年2月、イタリア、ヴェーネト州ヴィチェンツァ県、
ティエーネ、(トラック1~6)、
2023年1月、イタリア、ヴェーネト州ヴィチェンツァ県、
ズリアーノ、X-ランド・スタジオ(トラック7~13)
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1991年まで偽作とされていたバッハの「ヴァイオリンとチェンバロのための組曲」BWV.1025は、実際にはバッハが友人ヴァイスのリュート組曲
SW.47を改作したものです。
バッハは原曲のリュートをチェンバロに変換する際、通奏低音的にならないよう、旋律を弾く「オブリガート・チェンバロ」の様式を採用。さらに、ヴァイオリン・パートを新たに作曲し、冒頭にはファンタジアを書き加えたほか、曲順も変更するなど工夫しています。
このアルバムではヴァイスの原曲 SW.47とバッハの改作
BWV.1025の両方を収録し、原曲のリュートと、改作のチェンバロをギターに置き換えることで、原曲と改作の比較がしやすくなっています。
ヴァイスとバッハは友人関係
1718年、ヴァイスはリュートの腕前を買われてザクセン選帝侯フリードリヒ・アウグスト1世の高給な宮廷音楽家となり、1750年に亡くなるまで32年間に渡って在職。
バッハはライプツィヒでの立場を改善するためか、1733年2月に即位した改宗カトリックであるザクセン選帝侯フリードリヒ・アウグスト2世に対して、カトリック用の音楽であるロ短調ミサのキリエとグローリアの楽譜を献呈しています。ザクセン選帝侯の臣下や領民はプロテスタントという状況での献呈と演奏(?)で、さらに、ザクセン選帝侯がポーランド王を継承するためのゴタゴタもあって、献呈の報奨としてバッハに「ザクセン選帝侯宮廷作曲家」の称号が授与されるのは3年後の1736年11月のことでした。
その間、バッハの長男、ヴィルヘルム・フリーデマンがドレスデンのゾフィーエン教会(プロテスタント)のオルガニストに80ターラーの低報酬で任用(その代わり自由時間が多い)。ヴィルヘルム・フリーデマンはドレスデンの宮廷に出入りして、ヴァイスら宮廷音楽家と親しくなり、1939年にはヴァイスとヴァイスの弟子のクロップガンスらと共に、トーマスカントルの住居の父バッハを訪問。交流は何回かに及んだようで、ヴァイスとバッハによる即興演奏の競演なども伝えられています。
ヴァイスの曲をバッハが改造
バッハの「ヴァイオリンとチェンバロのための組曲」BWV1025は、バッハ家でのヴァイスとの交流の際に生まれたとする説がありますが、証拠があるわけではないですし、そもそもバッハは他人の作品の編曲、改作もよくおこなっていたので、正確な時期はわからないようです。交流時の経験をもとに書き上げたといったところでしょうか。
改造の経緯はともかく、ヴァイスの「リュートのための組曲」SW47は、バッハによって「ヴァイオリンとチェンバロのための組曲」に大化けし、ヴァイスの手堅い作品に、華やかな美しさが加わっています。
ギターへの編曲
このアルバムでは、ギター奏者のアルベルト・ラ・ロッカが、ヴァイス
SW.47のリュート・パートをギターに、バッハ
BWV.1025のチェンバロ・パートをギターに編曲しています。
アルベルト・ラ・ロッカ(ギター)
1967年、北イタリアのティエーネに誕生。ヴェローナ・ダッラーバコ音楽院でギターの学位を取得し、1994年、ボローニャ大学で芸術・音楽・舞台芸術学科を卒業。
特別なチューニングを施した10弦ギターを開発し、それによって楽器の音域を拡大。有名作曲家のギター作品の演奏に加え、あまり知られていない作曲家や作品を発掘し演奏することにも熱心に取り組んでいます。
CDは、Brilliant Classics、GuitArt、DotGuitar、Velut
Lunaなどから発売。
カルロ・ラザーリ(ヴァイオリン)
1962年、北イタリアのヴェネツィアに誕生。エミリオ・クリスティネッリにヴァイオリンを学び始め、理学の学位を取得後、1984年にヴェネツィア音楽院でヴァイオリンの学位を取得。大学院課程では、クレモナのスタウフェル音楽院でサルヴァトーレ・アッカルド、フィエーゾレ音楽院でステファン・ゲオルギウ、シエナのキジアーナ音楽院でフランコ・グッリに師事し、1986年にはナポリで開催されたA.クルチ国際ヴァイオリン・コンクールで第2位を獲得。
古楽ヴァイオリンにも精通したラザーリは、1981年からヴェネツィアを拠点とする現代音楽アンサンブル「エクス・ノーヴォ・アンサンブル」のメンバーとして活動する一方、古楽専門の「ラルテ・デラルコ」でも演奏しているほか、ヴェネツィアの室内オケ「ロフェルタ・ムジカーレ」にも頻繁に登場。
教育者としては、ヴェネツィア・ベネデット・マルチェッロ音楽院でヴァイオリンを教えています。
CDは、Brilliant Classics、Dynamic、Ricordi、Stradivarius、Julia
Recordsなどから発売。
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サクソフォンで聴くフォーレ、グリーグ、プロコフィエフ
フルートのための幻想曲とヴァイオリン・ソナタを編曲
フォーレ:幻想曲 Op.79(アンジェロ・トゥルキ編)
05'31
1. I. アンダンティーノ 2'09
2. II. アレグロ 3'22
グリーグ:ヴァイオリン・ソナタ Op.8-1(ジュゼッペ・ラテルザ編)
22'41
3. I. アレグロ・コン・ブリオ 10'15
4. II. アレグレット・クァジ・アンダンティーノ
5'14
5. III. アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ
7'12
プロコフィエフ:フルート・ソナタ Op.94(ジュゼッペ・ラテルザ編)
24'58
6. I. モデラート 8'53
7. II. スケルツォ: アレグロ・スケルツァンド
5'10
8. III. アンダンテ 3'29
9. IV. アレグロ・コン・ブリオ 7'26
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デュオ・ラテルザ=バンディエーラ
ジュゼッペ・ラテルザ(ソプラノ・サックス)
フランチェスカ・バンディエーラ(ピアノ)
録音:2023年6月23~24日、イタリア、ローマ |
サクソフォンは専用レパートリーが限られているため、既存作品の編曲演奏も盛んにおこなわれています。
このアルバムでは、サクソフォンにとてもよく合うフォーレのフルートとピアノのための幻想曲に、グリーグ初期のヴァイオリンソナタ第1番、そして元はフルート・ソナタだったプロコフィエフの有名なヴァイオリン・ソナタが収録されています。
使用楽器
原曲がフルート、ヴァイオリン、ピアノのために書かれた作品なので、3曲ともソプラノ・サックスのためにアレンジされています。楽器はセルマーのシリーズ3「ジュビリー」を使用。ピアノはヤマハのC3。
フォーレ:幻想曲 Op.79
パリ音楽院でのフルート・コンクール開催に際し、フランスのフルート奏者タファネルの依頼により、フォーレ[1845-1924]が1898年に作曲。フレージング、表現、音色のコントロール、技巧の能力をテストするために必要な手段を講じるよう要請されています。
当時のフォーレは長年に渡る不遇の時代から抜け出し、マドレーヌ寺院の首席オルガニストとパリ音楽院の作曲家教授を兼務しており、1905年にはパリ音楽院の学長に就任してもいました。
グリーグ:ヴァイオリン・ソナタ第1番 Op.8-1
1858年から1862年までライプツィヒ音楽院で作曲とピアノを学んだグリーグ[1843-1907]は、1863年から4年間に渡ってコペンハーゲンに滞在し、ニルス・ゲーゼ[1817-1890]に作曲を師事。その間、同地で声楽を学んでいたいとこのニーナとも親しく交流し、1867年に結婚しています。ヴァイオリンソナタ第1番が書かれたのは1865年。グリーグ自身が後年、「まだ少し素朴だが、旋律的なアイデアは豊富」と評している通り、たくさんの素材や手法が投入された曲調はなかなか魅力的です。
プロコフィエフ:フルート・ソナタ Op.94
第2次大戦中の1942年から1943年にかけての疎開中に作曲。戦時中は音楽官僚による社会主義リアリズムの制約が軽減されたため、プロコフィエフは自由に書くことができ、傑作が多く生まれています。この「フルート・ソナタ
Op.94」もそうした時期に書かれた傑作ですが、初演を聴いたオイストラフの勧めと助言により「ヴァイオリン・ソナタ
Op.94bis」として改作され、現在ではそちらのほうが有名になっています。ここではフルート・ソナタの方からアレンジされているため、第2楽章もスケルツォと記載されています(ヴァイオリン・ソナタ版ではプレスト)。
ジュゼッペ・ラテルザ(サックス)
1986年、南イタリアのポマーリコに誕生。2006年にマテーラ音楽院を卒業し、フランスのヴェルサイユ音楽院を2014年に卒業。数多くのコンクールでファイナリストに選ばれ、国内外で12回も入賞。
2014年からパリのピュトー音楽院で教え、2015年からはパリのクラマール音楽院とエリック・サティ音楽院、レオナルド・ダ・ヴィンチイタリア国立研究所で指導。
2016年からはイタリア空軍軍楽隊に所属してアルト・サックスを担当しています。
CDは、Brilliant Classics、Onyxなどから発売。
フランチェスカ・バンディエーラ(ピアノ)
1994年生まれ。ベネヴェント音楽院でピアノとヴァイオリンを学び、サンタ・チェチーリア国立音楽院で室内楽を学んで2023年に卒業したのち、パルマ音楽院で室内楽を研究。その間、2018年にリア・トルトラ国際ピアノコンクールで優勝。
CDは、Brilliant Classicsなどから発売。
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室内オケによるロドロン・セレナーデ第1番、第2番
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
[1756-1791]
ディヴェルティメント ヘ長調 K247 「ロドロン・セレナーデ第1番」
1. I. アレグロ 8'00
2. II. アンダンテ・グラツィオーゾ 4'00
3. III. メヌエット 4'05
4. IV. アダージョ 7'05
5. V. メヌエット 3'04
6. VI. アダンテ - アレグロ・アッサイ
5'33
ディヴェルティメント ロ短調 K287「ロドロン・セレナーデ第2番」
7. I. アレグロ 8'41
8. II. アンダンテ・グラツィオーゾ 7'26
9. III. メヌエット 3'08
10. IV. アダージョ 7'11
11. V. メヌエット 3'55
12. VI. アンダンテ - アレグロ・モルト
7'27
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チェコ室内フィルハーモニー管弦楽団
ヴァハン・マルディロシアン(指揮)
録音:2023年4月20日、チェコ、パルドゥビツェ、スーク・ホール |
モーツァルトがザルツブルクの宮廷音楽家として活動していた時代に書いたディヴェルティメント第10番と第15番は、ロドロン伯爵夫人マリア・アントニアのために書かれたので「ロドロン・セレナーデ」の第1番、第2番と呼ばれています。オリジナルの編成はホルン2本、ヴァイオリン2本、ヴィオラ、バスという6人編成ですが、楽想の振れ幅が大きいこともあって人数を増やして演奏することが多く、ここでも室内オーケストラの機動力と表現力を駆使してモーツァルトの豊かな楽想に迫っています。
ロドロン・セレナーデ第1番
ザルツブルクの貴族エルンスト・ロドロン伯爵[1716-1779]の夫人マリア・アントニアの聖名祝日を祝う行事のために20歳のモーツァルトが作曲し、1776年6月18日に初演。モーツァルトの死後8年が経過した1799年に父の故郷アウクスブルクのゴンバルト社から出版。
ロドロン・セレナーデ第2番
ザルツブルクの貴族エルンスト・ロドロン伯爵[1716-1779]の夫人マリア・アントニア[1738-1796]の聖名祝日を祝う行事のために21歳のモーツァルトが作曲し、1777年6月16日に初演。モーツァルトの死後8年が経過した1799年に父の故郷アウクスブルクのゴンバルト社から出版。
表紙
ブックレットの表紙の絵の女性は、チロルの貴族ニコラ・セバスティアーノ・ロドロン=ラテラーノ=カステルロマーノ伯爵[1719-1792]の夫人マリア・アンナ[1725-1780]です。
モーツァルトと関わりのあるロドロンは、ザルツブルクの貴族エルンスト・ロドロン伯爵[1716-1779]の夫人であるマリア・アントニア[1738-1796]なので別人ではありますが、マリア・アンナもロドロンの一族であることから、当時の雰囲気を伝えるために選ばれた絵と思われます。
ヴァハン・マルディロシアン(指揮)
1975年、アルメニアのエレヴァンに誕生。1993年にパリに移住。1996年にパリ音楽院を優秀な成績で卒業。指揮者、ピアノ・ソリストとして活躍。長年、フランスのカーン交響楽団の首席指揮者、アルメニア国立室内管弦楽団の音楽監督を務め、2019年より香港室内管弦楽団の首席指揮者を務めています。マルディロシアンは、ヨーロッパとアジアで定期的に客演指揮者として招かれており、これまでに、プラハ放送響、ロワール国立管、アルメニア・フィル、プラハ・フィル、チェコ室内管、レバノン・フィル、アマルガム管、トゥーロン歌劇場管、ノヴォシビリスク・フィル、東京フィル、N響、日本フィル、ブルガリア国立管、ウクライナ国立フィル、関西フィル、ロシア・フィル、新日本フィル、九州響などを指揮。2017年にはピアニストとしてカーネギー・ホールでピアノリサイタルを開催。
CDは、Brilliant Classics、Intrada、Transart、Skarbo、Warner、Cypres、Quadrigaなどから発売。
チェコ室内フィルハーモニー管弦楽団
1969年、プラハ近郊のパルドゥビツェで東ボヘミア州立室内管弦楽団として設立。初代首席指揮者はリボル・ペシェク。2018年9月からは、スタニスワフ・ヴァヴジネクが首席指揮者を務めています。
CDは、Brilliant Classics、Supraphon、MD+G、Canyon、Classico、Marco
Polo、Albany、Arco Diva、Naxos、Centaur、NCA、Pantonなどから発売。
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「シンティーラ(火花)」~初期イタリア弦楽四重奏曲集
ガエターノ・プニャーニ [1731-1798]:弦楽四重奏曲第2番
変ホ長調 19'08
1. I. ラルゴ・ソステヌート 3'50
2. II. アレグロ・アッサイ 8'28
3. III. グラーヴェ 2'15
4. IV. メヌエット - トリオ 4'35
ルイジ・ボッケリーニ [1743-1805]:弦楽四重奏曲
ハ短調 Op.2-1 17'01
5. I. アレグロ・コモド 5'57
6. II. ラルゴ 5'51
7. III. アレグロ 5'13
マッダレーナ・ローラ・ロンバルディーニ・シルメン
[1745-1818]:弦楽四重奏曲第5番 ヘ長調 13'03
8. I. ラルゴ - アレグロ - ラルゴ 10'04
9. II. メヌエット 2'59
フェリーチェ・ジャルディーニ [1716-1796]:弦楽四重奏曲ハ長調
11'43
10. I. アンダンテ 5'36
11. II. アダージョ 3'45
12. III. アンダンテ 2'22 |
バター・クァルテット
アナ・ジェーン・レスター(ヴァイオリン)
クローエ・プレンデルハスト(ヴァイオリン)
イザベル・フラネンベルフ(ヴィオラ)
エヴァン・バター(チェロ)
録音:2022年9月、オランダ、スヒーダム、ヴェストフェスト90教会 |
弓を使い分けたピリオド演奏
18世紀にヨーロッパ各地で活動していたイタリア人音楽家たちによる弦楽四重奏曲を集めたアルバム。
演奏のバター・クァルテットは2017年にハーグ音楽院在籍中の4人によって結成された古楽グループで、鮮烈で息の合ったピリオド奏法を聴かせます。
ブックレット(英語)に掲載された解説は、ヴァイオリンのアナ・ジェーン・レスターを中心にクァルテットのメンバーが執筆。装丁はディジパック仕様で、デザインにアナ・ジェーン・レスターも参加。
ピリオド演奏の専門家集団
バター・クァルテットのメンバーは全員修士課程修了者で、歴史的奏法に関する学識なども非常に豊か。知られざる作品の紹介にも力を入れており、その際に用いる弓も、「クラシカル・ボウ」と「バロック・ボウ」を比較検討して決めるこだわりぶり。
初期イタリアの弦楽四重奏曲
ハイドン[1732-1809]とほぼ同時代にヨーロッパ各地で活動していたイタリア人音楽家、ジャルディーニ[1716-1796]、プニャーニ[1731-1798]、シルメン[1745-1818]は、ヴァイオリンの名手で、ボッケリーニ[1743-1805]はチェロの名手として有名でしたが、それぞれ作曲家としての楽才にも恵まれ、魅力的な弦楽四重奏曲を遺してもいます。
「通奏低音」の功罪
18世紀のヨーロッパは、啓蒙主義思想を背景に市民階級が台頭し、社会構造の変化が音楽産業にも大きく影響した時代です。それまで大小さまざまな合奏の伴奏和音を受け持っていた数字付き低音による「通奏低音」は、宮廷楽団や宮廷劇場、教会などの職業音楽家が主に受け持っていたこともあって、略式の記譜が一般的でしたが、そうした省略系の楽譜は市民社会の演奏家の多くが対応できなかったため受け入れられず、作曲家たちはすべての音を記譜する作曲方法への転換を進めることになります。
「弦楽四重奏」の誕生
衰退した「通奏低音」とは対象的に、市民社会での演奏需要の高まりや貴族楽団の小規模化とともに、すべての音が記譜された「弦楽四重奏」のための作品は演奏・出版される機会も増え、同様に、すべての音が記譜されたさまざまな室内楽形態も登場することになります。
啓蒙主義の火花とギャラント様式の輝き
今回のアルバムに収録されたイタリアの作曲家、ジャルディーニ、プニャーニ、ボッケリーニ、シルメンは、そうした時代の転換期に生き、ヴィルトゥオーゾ演奏家として多くの地域で活動する一方で、状況に適応した音楽も作曲。当時先端だった「弦楽四重奏」のための音楽も手がけることになり、ときにギャラント様式を思わせるようなアイデア豊富な作品を書き上げてもいます。
「シンティーラ(火花)」
アルバム・タイトルの「シンティーラ」は「火花」を意味するイタリア語で、ここでは弦楽四重奏が生み出されるきっかけとなった市民階級の台頭が、啓蒙主義思想によって促されたことを意味していると考えられます。
バター・クァルテット
2017年にハーグ王立音楽院在学中の気の合う学生らによって結成された古弦弦楽四重奏団。
歴史的奏法を駆使した美しく力強い演奏によって評判となり、ポーランド国立音楽フォーラム(2020)、ヴュルツブルク・モーツァルト音楽祭(2021)、ユトレヒト古楽フェスティヴァル(2022)、ヨーク古楽フェスティヴァル(2023)、アムステルダム弦楽四重奏ビエンナーレ(2024)などでも演奏。
アナ・ジェーン・レスター(第1ヴァイオリン)
アメリカ生まれ。ヴァンダービルト大学でヴァイオリンを学び、ジュリアード音楽院でモニカ
ハジェットとシンシア ロバーツに師事して歴史的演奏の音楽修士課程修了。ハーグ王立音楽院ではウォルター・S・ライターとカティ・デブレツェニに師事。古楽アンサンブル「オランダ・バロック」でも活動するほかイングリッシュ・バロック・ソロイスツ、エイジ・オブ・エンライトゥメント管弦楽団など多くのピリオド団体と共演(画像の右端)。
クロエ・プレンダーガスト(第2ヴァイオリン)
アメリカ生まれ。コロラド・バロック室内管弦楽団のメンバーである母にヴァイオリンを習い、ウィラメット大学ではエンティア・クレストン(のちにアルテミス四重奏団に入団)に師事。その後、ワシントン州立大学の大学院で古楽を学んだほか、ターフェルムジーク・バロック管弦楽団ヴァイオリニストのジュリア・ウェドマンにバロック・ヴァイオリンを師事。彼女の勧めでハーグ王立音楽院でカティ・デブレツェニに師事して修士課程修了。古楽アンサンブル「オランダ・バロック」でも活動ほかイングリッシュ・バロック・ソロイスツ、ルータース・バッハ・アンサンブルなど多くのピリオド団体と共演(画像の右から2人目)。
イザベル・フラネンベルフ(ヴィオラ)
オランダ生まれ。アムステルダム音楽院で山縣さゆりと佐藤俊介に歴史的ヴァイオリンを師事したのち、ユトレヒト大学で音楽学の修士課程を修了し、ハーグ王立音楽院でカティ・デブレツェニに歴史的ヴィオラを学んでいます。18世紀オーケストラ、「オランダ・バロック」などでも演奏(画像の左から2人目)。
エヴァン・バター(チェロ)
カナダ生まれ。オタワ大学でチェロとバロック・チェロを学び、2014年からハーグ王立音楽院でヤープ・テル・リンデンに師事して修士課程を修了。コンセール・ド・ナシオン、18世紀オーケストラ、ルータース・バッハ・アンサンブル、ムジカ・グロリアなどでも演奏(画像の左端)。
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