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BRILLIANT 新譜
その17



「その16」はこちら


(2024年8月 新譜).


97289
(6CD)
\4000
.

バッハの名曲がギターで鳴り響く!
 バッハ・ギター・コレクション

  無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ全曲、他


CD1
1. プレリュード (無伴奏チェロ組曲第1番 BWV.1007より)2'27
2. トッカータとフーガ ニ短調 BWV565 9'27
3. シャコンヌ (無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 BWV.1004より) 13'32
4. アリア (ゴルトベルク変奏曲 BWV.988より) 4'00
5. アリア (管弦楽組曲第3番 BWV.1068より) 4'19
6. ラルゴ (協奏曲 BWV.1056より) 2'34
7. ガヴォット (無伴奏チェロ組曲第6番 BWV.1012より) 3'22
8. ガヴォット (無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番 BWV.1006より) 3'04
9. シチリアーノ (無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番 BWV.1001より) 2'59
10. シチリアーノ (フルート・ソナタ BWV.1031より) 2'29
11. 主よ人の望みの喜びよ(カンタータ BWV.147より) 3'09

ルイージ・アッタデーモ
(ギター/アントニオ・エミリオ・パスクアル・ヴィウデス 1927)
録音:2022年3月21、22日、イタリア、クレーマ
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CD2
1. 小プレリュード BWV936 (6つの小プレリュードより) 3'23
2. 小プレリュード BWV934 (6つの小プレリュードより) 2'15
3. 小プレリュード BWV937 (6つの小プレリュードより) 2'24
4. 小プレリュード BWV938 (6つの小プレリュードより) 2'21
5. 小プレリュード BWV940 (5つの小プレリュードより) 1'04
6. 小プレリュード BWV939 (5つの小プレリュードより) 0'53
7. 小プレリュード BWV942 (5つの小プレリュードより) 1'02
8. 小プレリュード BWV999 (5つの小プレリュードより) 1'51
9. アングレーズ (フランス組曲第3番 BWV814より) 2'16
10. メヌエットとトリオ (フランス組曲第3番 BWV814より) 4'21
11. アルマンド (フランス組曲第4番 BWV815より) 3'56
12. フゲッタ BWV961 2'20
13. メヌエット I & II(パルティータ第1番 BWV825より)  4'09

ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのためのクラヴィーア小曲集より
14. プレリュード BWV926 (9つの小プレリュードより) 1'51
15. メヌエット BWV841 (3つのメヌエットより) 1'29
16. メヌエット BWV842 (3つのメヌエットより) 1'12
17. プレリュード BWV924 (9つの小プレリュードより) 1'03
18. ファンタジア第12番 BWV792 (シンフォニア第6番) 2'08
19. プレリュード BWV930 (9つの小プレリュードより) 2'42
20. ファンタジア第13番 BWV791 (シンフォニア第5番) 3'02
21. シュテルツェル:メヌエット
 (「シュテルツェル氏のパルティア」より。トリオは BWV.929)3'26
22. テレマン:クーラント (組曲 BWV824より) 2'42

アンナ・マグダレーナ・バッハのためのクラヴィーア小曲集より
23. C.P.E.バッハによる行進曲 BWV Anh. 122 1'19
24. C.P.E.バッハによる行進曲 BWV Anh. 124 1'36
25. ペツォールトによるメヌエット BWV Anh. 114/115 3'10
26. ポロネーズ BWV Anh. 119 1'13
27. メヌエット BWV Anh. 113 2'03
28. メヌエット BWV Anh. 120 1'43
29. メヌエット BWV Anh. 116 2'11
30. メヌエット BWV Anh. 132 1'00
31. ミュゼット BWV Anh. 126 1'09

ステーファノ・カルディ(ギター/ローディ:エンリケ・ガルシア・モデル 2013)
録音:2022年5月、ローマ、E45スタジオ
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CD3
アンナ・マグダレーナ・バッハのためのクラヴィーア小曲集より
1. コラール「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ」BWV.645(BWV.140) 2'05
2. コラール「おお永遠よ汝恐ろしき言葉」BWV.513 1'39
3. アリア「わが魂よ、思い起こしなさい」BWV.509 1'35
4. メヌエット BWV Anh.113 2'52
5. 行進曲 BWV Anh.127 1'19
6. ポロネーズ BWV Anh.128 1'54
7. ミュゼット BWV Anh.126 1'02
8. コラール「汝は満たされ、平静であれ」BWV.510 1'57
9. アリア「汝は満たされ、平静であれ」BWV.512 1'24
10. C.P.E.バッハによる行進曲 BWV Anh.122、ポロネーズ BWV Anh.123、
  マーチ BWV Anh.124、ポロネーズ BWV Anh.125 7'51
11. J.C.バッハによるロンドー BWV Anh.131 1'19
12. プレリュード BWV.846 2'31
13. コラール「幸いなるかな、おお魂の友よ」 BWV.517 1'57
14. アリア「なにゆえに汝は憂いを覚え」 BWV Anh.516 1'53
15. ベームによるメヌエット 1'45
16. コラール「汝エホヴァがためにわれは歌わん 」 BWV.299 1'07
17. シュテルツェルによるアリア「汝がそばに居てくれるのなら」 BWV.508 3'05
18. ハッセによるポロネーズ BWV Anh.130 2'18
19. レチタティーヴォ「われは満ちたれり」 BWV.82/2 1'42
20. アリア「まどろめよ、疲れし眼」 BWV.82/3 7'29
21. コラール「ただ尊き神にすべてを委ね」 BWV.691 2'35
22. クープランによるロンドー「田園詩」 BWV Anh.183 4'48
23. ペツォールトによるメヌエット BWV Anh.114、BWV Anh.115 4'33
24. ゴットフリート・ハインリヒ・バッハによるアリア
  「パイプにおいしい煙草を詰めて」 BWV.515a 1'06
25. C.P.E.バッハによる行進曲 BWV Anh.122 1'40
26. メヌエット BWV Anh.120 2'30
27. メヌエット BWV Anh.116 2'26
28. コラール『神よ、我をみ心のままに』 BWV.514 1'19
29. ジョヴァンニーニのアリア「汝の心を我に捧げなば」 BWV.518 2'41
30. メヌエット BWV Anh.132、BWV Anh.121 3'07
31. アリア(ゴルトベルク変奏曲 BWV.988より) 3'17

ヤン・デプレーテル(ギター)
録音:1999年9月、2019年9月、ベルギー、エーケレン、リトル・ビッグ・スタジオ
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CD4
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番 ト短調 BWV1001
1. アダージョ 5'14
2. フーガ(アレグロ)5'27
3. シチリアーナ 3'03
4. プレスト 3'51

無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第1番 ロ短調 BWV1002
5. アルマンド - ドゥーブル 9'40
6. クーラント - ドゥーブル 8'06
7. サラバンド - ドゥーブル 6'47
8. テンポ・ディ・ボレア - ドゥーブル 7'26

無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番 イ短調 BWV1003
9. グラーヴェ 5'29
10. フーガ 7'54
11. アンダンテ 5'57
12. アレグロ 6'16

フランチェスコ・テオピーニ (ギター/マイケル・オリアリー 2010)
録音:2014年12月28日~2015年1月14日、
 イタリア、ペルージャ、アッシジ宮殿
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CD5
無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調 BWV1004
1. アルマンド 6'01
2. クーラント 2'24
3. サラバンド 4'44
4. ジーグ 4'08
5. シャコンヌ 18'22

無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番 ハ短調 BWV1005
6. アダージョ 4'44
7. フーガ 12'20
8. ラルゴ 3'17
9. アレグロ・アッサイ 5'08

無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番 ホ短調 BWV1006
10. プレリュード 3'55br> 11. ルール 3'40
12. ガヴォット・アン・ロンドー 3'33
13. メヌエット I & II 3'40
14. ブーレ 1'45
15. ジーグ 1'50

フランチェスコ・テオピーニ (ギター/マイケル・オリアリー 2010)
録音:2014年12月28日~2015年1月14日、
 イタリア、ペルージャ、アッシジ宮殿
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CD6
リュートのための作品集
組曲 BWV996 ホ短調
1. I. プレリュード 2'59
2. II. アルマンド 3'51
3. III. クーラント 2'33
4. IV. サラバンド 4'14
5. V. ブーレ 1'13
6. VI. ジーグ 2'50

組曲 BWV995 イ短調
7. I. プレリュード 5'21
8. II. アルマンド 6'45
9. III. クーラント 2'35
10. IV. サラバンド 4'04
11. V. ガヴォット I 2'10
12. VI. ガヴォット II ロンデロ 2'22
13. VII. ジーグ 2'09

組曲 BWV997 イ短調
14. I. プレリュード 3'25
15. II. フーガ 8'07
16. III. サラバンド 5'15
17. IV. ジーグ 2'55
18. V. ドゥーブル 2'50

組曲 BWV998 ニ長調
19. I. プレリュード 2'48
20. II. フーガ 5'18
21. III. アレグロ 3'33

22. プレリュード BWV999 ニ短調 1'43
23. フーガ BWV1000 イ短調 5'18

ルイージ・アッタデーモ(ギター)
録音:2009年10月~2010年10月、イタリア、フィレンツェ、カレンツァーノ


 バッハ自身が編曲好きだったことや、楽器指定にあまりこだわっていなかったような面もあることから、バッハの作品が編曲演奏されて違った魅力が楽しめるのはとても喜ばしいことに思えます。
 また、バッハの音楽でよく言われる、汎楽器的、汎時代的な性格も、後世の編曲の意義を深めてくれるはずで、実際、このセットで聴けるバッハの編曲はどれも傾聴に値する仕上がりとなっています。

 ケースは一般的なサイズ(厚さ24㎜)のプラスチック(ポリスチレン)製で、6枚収納のマルチ仕様となっており、英文ブックレットは20ページあります。




バッハと撥弦楽器

 バッハの時代、ドイツ地域で最も一般的だった撥弦楽器はリュートで、バッハにはヴァイスというリュート奏者一族の友人もおり、バッハ自身、リュートのための作曲もおこなっていますし、実際に楽器も所有していました。


バロック期のギター

 17世紀にスペインやフランス、イタリアで普及したギター(バロック・ギター)は、ルネッサンス期にリュートと似た用途に使われていたビウエラにそっくりで(ビウエラからギターへの改造も可能)、そのため、ビウエラがよく使われていた地域ではギターへの切り替えが進み、リュートがよく使われていた地域ではギターがなかなか普及しなかった可能性があります。


ギターと地政学

 当時のドイツなどプロテスタント地域の宮廷や自治体は、アラゴンやブルボン、ハプスブルクなどカトリック地域の宮廷とは大きく異なっており、ギターの普及がスペイン、フランス、イタリアで先行したのも、音楽家を雇用していた宮廷の相互の関係が影響していると捉えるとわかりやすいような気もします。


バッハとギター

 バッハやヴァイスのような高度な技術を持つ作曲家がギターのために作曲しなかった理由としては、地政学的な問題でギターに接することができなかったことのほかに、仮に接していたとしても、当時のギターが独奏楽器としてはまだ開発途上で音量も小さかったことが考えられます。
 リュートも音量は小さかったものの、独奏楽器としての表現力は十分に進化してすでに完成されていました。そしてリュートの演奏によって、ヴァイスがドレスデンの宮廷で高い報酬を獲得し、バッハもヴァイスと交流して、少ないながらも作曲をおこなっていたことから、リュートの存在価値が大きかったことは確実です。
 とはいえ、ギターは19世紀に入ると改良が進んで大きな音を出すことができるようになって一般化し、逆にリュートは下火になっていったので、新しもの好きで編曲好きでもあったバッハが、もし現代のギターのような楽器に出会っていれば、そのために作曲や編曲をおこなった可能性は十分にあります。


バッハと編曲

 バッハが自作や他者の作品の編曲・転用に熱心だったのは、トーマスカントルとしてカンタータなどを大量に準備しなければならなかったことのほかにもいくつ理由かありますが、代表的なものは以下の通りです。

 
家計の事情

 8人兄弟の末っ子として生まれたバッハは、自分の家庭を非常に子だくさんで賑やかなものとし、第1子のカタリーナ[1708-1774]から、第20子のレギーナ[1742-1809]まで、34年間に20人の子供をもうけており(うち10人は乳幼児期に死去)、バッハが65歳で亡くなったときにレギーナはまだ8歳でした。
 つまり、バッハが23歳のときから亡くなるまでの42年間に渡って、バッハ家には常に小さな子供が居たことになり、家で子供たちが待っているとなると、バッハが最後の年まで現役だったことも十分に頷けます。当時は子どもの独立が早かったとはいえ、生活費が嵩んでいたことは確実ですし。


副業

 大家族の生活費問題もあって、バッハはトーマスカントルや教師など、ライプツィヒ市からの報酬だけではやっていけず、1729年から1741年頃まで民間演奏団体「コレギウム・ムジクム」と関わってコーヒーハウスや庭園での指揮(1737年まで)や演奏により、副業での報酬を獲得しています。


演奏報酬

 「コレギウム・ムジクム」での報酬は演奏へのものだったので、バッハは曲目を用意するために、編曲・転用などを積極的におこなって対応していたようです。こうした編曲や転用は、「コレギウム・ムジクム」以外でも様々な機会におこなわれ、1740年代なかばには、作曲されたばかりのペルゴレージの「スターバト・マーテル」を、見事な詩篇カンタータに仕立てて演奏してもいました。


小都市での公演維持

 1750年頃の欧州都市人口は、ロンドン約68万人、パリ約58万人、ナポリ約31万人、アムステルダム約21万人、ウィーン約18万人、ローマ約16万人、サンクトペテルブルク約15万人、ヴェネツィア約15万人、リスボン約15万人、モスクワ約13万人、ミラノ約12万人、パレルモ約12万人、リヨン約11万人、マドリード約11万人、コペンハーゲン約9万人、ベルリン約9万人、ジェノヴァ約9万人、ハンブルク約8万人、セビリア約7万人、マルセイユ約7万人、ドレスデン約6万人といった感じなので、ライプツィヒの人口約3万人は少ない方ですが、それまで子育てしてきたワイマールやケーテンに較べればずっと大きな規模でした。
 「コレギウム・ムジクム」が、補助金などの公的な支援無しで頻繁に演奏会を開催することができたのもライプツィヒの人口のおかげですが、そうは言っても小都市レベルなので、演奏会の需要を維持して安定報酬に繋げるためには、魅力ある演奏曲目が不可欠だったため、バッハの編曲意欲も十分に高かったものと考えられます。







ルイージ・アッタデーモ (ギター)


1972年、ナポリに誕生。ギタリストで作曲家のアンジェロ・ジラルディーノに師事。哲学科も卒業し、音楽解釈に関する論文を執筆、やがて同テーマの書籍として出版。ジュネーブの国際音楽コンクール (CIEM) (1995年)をはじめ、国内外のコンクールで入賞。以後、ソロと室内楽の両方で活動。
 アンドレス・セゴビア財団 (スペイン、リナレス)のアーカイヴに収蔵されている手稿の目録を作成するかたわら、ジャウマ・パヒサ、アレクサンドル・タンスマン、ガスパル・カサドなどの重要な作曲家の知られざる作品を発見し、これらの作品のいくつかを世界初録音。
 アッタデーモはヴィオラ奏者のシモーネ・グラマーリアとの室内楽にも取り組んでおり、パガニーニに捧げたアルバムを録音したほか、ヘンツェの「エル・シマロン」やアレッサンドロ・ソルビアティのギターとオーケストラのための協奏曲といった現代作品も演奏。
 CDは、Brilliant Classics、Da Vinci Classics、Amadeusなどから発売。




ステーファノ・カルディ(ギター)


1959年、ローマに誕生。ローマ・聖チェチーリア音楽院を卒業後、ジョン・ウィリアムズの指導を受けています。
 1985年、バルセロナで開催されたマリア・カナルス国際コンクールで優勝し、以後、ソリスト、室内楽奏者として活動。古典派時代のオリジナル楽器も演奏するほか、現代作品の紹介にも熱心で、視覚芸術や文学など他分野の人物とのコラボレーションも実施。フェラーラ・G.フレスコバルディ音楽院で教えてもいます。
 CDは、Brilliant Classics、Stradivarius、RCAなどから発売。




ヤン・デプレーター(ギター)


1975年、ベルギーに誕生。ルーヴェン・レメンス音楽院、アントワープ王立音楽院、ハーグ王立音楽院を卒業し、音楽の修士号を複数取得。東京からパリまで15以上のコンクールで入賞しており、その中にはアルハンブラ宮殿、パリ、東京、ウィーンでの最高賞のほか、スペインのフランシスコ・タレガおよびアンドレス・セゴビアのコンクールでの優勝も含まれています。
 CDは、Brilliant Classicsなどから発売。




フランチェスコ・テオピーニ (ギター)


イタリアのギタリスト、フランチェスコ・テオピーニは7歳でギターを始め、ボローニャのスタターレ音楽院とロンドンの王立音楽アカデミーで学びます。イギリスの有名ギタリスト、デイヴィッド・ラッセルも絶賛するテオピーニは第1級の技術の持ち主で、来日経験もあります。
 CDは、Brilliant Classics、Da Vinci Classicsなどから発売。



 

96361
(5CD)
\3400

ジャン・ラングレ [1907-1991]
 オルガン音楽 第2巻


CD1
75'45

交響曲第3番
1. I. 序奏 5'36
2. II. カンタービレ 8'31
3. III. 間奏曲 1'54
4. IV. ニューヨークの日曜日の朝 8'03
5. V. 雷雨 5'30

2つのオフェルトワール(奉献唱)
6. I. ミサ曲「星空の創造主」のパラフレーズ 4'55
7. II. ミサ曲「大いなる力を持つ神よ」のパラフレーズ 5'17

ブルターニュの8つの歌
8. I. 「天国」 3'03
9. II. 「ロザリオを唱えよ」 2'44
10. III. 「お告げの祈り」 4'51
11. IV. 「ブルターニュのクリスマス」 4'03
12. V. 「イエス、祝福されしわが救世主」 4'31
13. VI. 「イエスは私たちに祈るように言われる」 2'50
14. VII. 「銀の葉を持つユリ」 3'42
15. VIII. 「永遠について考えよ」 3'47

16. 「羊飼いの歌」 2'33

17. 「賢者の祈り」 3'45
ファウスト・カポラーリ(オルガン)
使用楽器:ルッファーティ・オルガン(2000年建造)
録音:2023年5月24日~10月2日、
ミラノ、ヴィラ・コルテーゼ、サン・ヴィットーレ教区教会
CD2
73'28

「中世組曲」(低音ミサ形式)
1. I. プレリュード 2'49
2. II. ティエント 3'10
3. III. インプロヴィゼーション 1'37
4. IV. 瞑想 4'02
5. V. 喝采 5'38

「ソロ・ペダルのための7つの演奏会用練習曲」
6. I. 半音階 3'56
7. II. 対位法 1 4'14
8. III. 交替 4'11
9. IV. 対位法 2 5'35
10. VI. スタッカート 3'08
11. VII. トリル 5'09
12. VIII. アレルヤ 6'20

13. 「幸福の詩」 7'22

「三部作」
14. I. メロディー 5'22
15. II. トリオ 5'05
16. III. 終曲 5'10
アレッサンドロ・ペリン(オルガン)
使用楽器:タンブリーニ・ボナート・オルガン(1967年建造、1999年修復)
録音:2023年6月17日~12月1日、
パドヴァ、アーバノ・テルメ、サン・ロレンツォ大聖堂
CD3
71'50

「モザイク 1」
1. I. 「ガブリエル・フォーレのための石碑」 4'06
2. II. 「バッファロー・ビルの墓にて」 4'55
3. III. 「2人のオルガン奏者のための二重幻想曲」* 9'47
4. IV. 「ボーイズ・タウン、平和の場所」 6'17

3つのオフェルトワール(奉献唱)
5. I. 4'45
6. II. 6'01
7. III. 6'03

「聖なる三位一体についての3つの黙想」
8. I. 第1のペルソナ 父 5'05
9. II. 第2のペルソ 子 5'56
10. III. 第3のペルソ 聖霊 5'37

11. 「棕櫚の祝日」 7'05

12. 「聖なる日のための呪文」 6'04
ジョルジョ・ベナーティ(オルガン )
ルチアーノ・カルボーネ(第2オルガン/トラック3)

使用楽器:ディエゴ・ボナート・オルガン(2007年建造)

録音:2023年3月17日、5月26日、10月20日、
イタリア、イーゾラ・デッラ・スカラ、サント・ステファノ修道院
CD4
72'55
交響曲第1番
1. I. アレグロ 10'28
2. II. 牧歌 7'48
3. III. コラール 5'33
4. IV. フィナーレ 9'51

聖三位一体の祝日礼拝
5. I. 入祭唱の前に 1'08
6. II. 奉献唱の後に 4'47
7. III. 聖体拝領の後に 4'45
8. IV. 聖体降福の後に 2'41

聖家族の礼拝
9. I. 入祭唱の前に 1'47
10. II. 奉献唱の後に 4'31
11. III. 聖体拝領の後に 2'34
12. IV. 聖体降福の後に 2'48
ファウスト・カポラーリ(オルガン)
使用楽器:ルッファーティ・オルガン(2000年建造)
録音:2023年5月24日~10月2日、
ミラノ、ヴィラ・コルテーゼ、サン・ヴィットーレ教区教会
2つの短い作品
13. ブレーヴェ I 3'44
14. ブレーヴェ Ⅱ 2'06

簡単な3つの作品
15. I. リブレ 2'56
16. II. レチタティーヴォ 3'23
17. III. アレグロ 1'55
ジョルジョ・ベナーティ(オルガン )
使用楽器:ディエゴ・ボナート・オルガン(2007年建造)
録音:2023年3月17日、5月26日、10月20日、
イタリア、イーゾラ・デッラ・スカラ、サント・ステファノ修道院
CD5 69'52
1. 祝祭 5'56

グレゴリオ聖歌風3部作 5'19
2. I. 薔薇の神秘 5'43
3. II.天国にて 7'55
4. III. アレルヤ 9'30

5. 2つの古いスコットランド民謡による幻想曲 9'30

民謡組曲
6. I. 「おお、子らよ」によるフーガ 4'05
7. II. 聖ニコラスの伝説 4'01
8. III. 賛美歌 4'51
9. IV. カンツォナ 3'08
10. V. 2つのクリスマスのラプソディ 6'36
アレッサンドロ・ペリン(オルガン)
使用楽器:タンブリーニ・ボナート・オルガン
(1967年建造、1999年修復)
録音:2023年6月17日~12月1日、
パドヴァ、アーバノ・テルメ、サン・ロレンツォ大聖堂
11. ミニアチュールⅡ 2'53

特徴的な3つの作品
12. I. 牧歌~前奏曲 2'18
13. II. 間奏曲 4'07
14. III. 鐘 3'20
ジョルジョ・ベナーティ(オルガン )
使用楽器:ディエゴ・ボナート・オルガン(2007年建造)
録音:2023年3月17日、5月26日、10月20日、
イタリア、イーゾラ・デッラ・スカラ、サント・ステファノ修道院

 優秀録音によるオルガンの大型企画!

 CD20枚以上になる予定の大型プロジェクトの第2弾。
 ラングレーの弟子だったオルガニストのジョルジョ・ベナーティが監修し、ブックレットの解説もベナーティが執筆。
 レコーディングは音楽のスタイルや要件に適した楽器をイタリアの様々な教会から選んでおこなわれ、ベナーティのほか、ファウスト・カポラーリとアレッサンドロ・ペリンも加わって膨大なラングレーの遺産に挑んで行きます。


優秀録音によるオルガンの大型企画!ラングレーの作風を捉え切った優秀録音


 ラングレーの作品には、カトリック圏オルガンならではの壮大な音響を聴けるものも多く、また、ラングレーはペダルの達人でもあっただけに、オルガンならではの低音の魅力も満載ですが、このシリーズの録音では、弱音から轟音までリアルな質感で収められており、オルガン低音の心地良さに浸れる場面が多いのも朗報です。
 その他、内省的な静寂系の音楽や、多彩なレジストレーションを駆使する曲などもあって、録音はなかなか大変そうですが、ここではオルガン録音で実績豊富なフェデリコ・サヴィオがプロデューサーとエンジニアを兼ねて万全のサウンドをつくりだしています。

 英文ブックレット(32ページ)には、オルガンや演奏家のカラー写真が掲載されていて参考になります。
 監修者で演奏者のベナーティによる解説もすっきり読みやすいものです。ケースは一般的なサイズ(厚さ24㎜)のプラスチック(ポリスチレン)製で、5枚収納のマルチ仕様となっています。


ファウスト・カポラーリ (オルガン)

 1958年、クレモナで誕生。ミラノのG.ヴェルディ音楽院でジャンフランコ・スピネッリに師事し、1981年にオルガンおよびオルガン作曲のディプロマを取得。続いてヴァティカンの教皇庁付属アンブロジアーノ音楽院で学び、1983年にグレゴリオ聖歌のマエストロの称号を取得。
 その後、大学院課程在籍中に、ハラルト・フォーゲル (北ドイツのバロック・オルガン音楽)、アンドレ・イゾワール (バロック期のフランス音楽)、リオネル・ロッグ (バッハ、モーツァルト、即興演奏)、マル=クレール・アラン (バッハ、アラン)、ダニエル・ロト (フランス近代の交響的音楽)などを学び、ダニエル・ロトからはパリで個人的な指導も受けています。
 学業終了後、メシアンを研究し、彼のオルガン作品に関する論文を執筆。著書はほかに「オルガン即興演奏の理論と実践の方法」、「オルガン即興演奏の前衛的な手法」があるほか、バロック作曲家の未発表曲を集めた出版物の編集にも携わっています。
 研究と並行してコンクールにも出場し、1995年と1997年にビアリッツのオルガン即興コンクールで共に第2位、1996年にヴァレンナで開催されたAGIMUS作曲コンクールで第3位を獲得。
 以後、ヨーロッパ各国でソロとアンサンブルの両方で活動しながら、作曲や教育、批評もおこなっています。
 現在、クレモナ大聖堂大オルガンの第1奏者であり、トリノ音楽院でオルガンとグレゴリオ聖歌について教えています。
 CDは、Brilliant Classics、Bel Air Music、MV Cremonaなどから発売。


アレッサンドロ・ペリン (オルガン

 1984年、パドヴァ近郊のコンセルヴェで誕生。パドヴァ・ポリーニ音楽院でオルガンとオルガン作曲の修士号を取得し、パドヴァ大学で古典文献学を修了。その後、ヴェローナ・ダッラーバコ音楽院でロベルト・ロレッジアンに師事してチェンバロの修士号を取得し、ハンブルクの音楽演劇大学でヴォルフガング・ツェラー教授とメンノ・ファン・デルフト教授に師事してオルガンの修士号を取得。さらに、アンドレア・マルコン教授の指導のもと、スコラ・カントルム・バジリエンシスの上級コースでも学んでいます。
 2015年、パドヴァのサンタ・マリア・アッスンタ大聖堂のオルガニストに就任。
 CDは、Brilliant Classics、Da Vinci Classics、Tactusなどから発売。


ジョルジョ・ベナーティ (オルガン)

 1953年、ヴェローナ近郊のノガローレ・ロッカで誕生。ミラノ音楽院でエミリア・ファディーニにチェンバロを、ヴェローナ音楽院でアントニオ・ザノンに作曲を師事。オルガンについては、ジャン・ラングレー、アントン・ハイラー、トン・コープマンの指導を受けながら、17歳からオルガニストとしての演奏活動を開始。イタリア各地のほか、パリ、ベルリン、ザルツブルク、ウィーン、リンツ、ストックホルム、ミュンヘン、マドリード、バルセロナ、サラゴサ、リスボン、ブダペスト、ブカレスト、モスクワ、プラハ、ワルシャワ、クラクフ、ニューヨークなどで演奏。
 活動10年目の1980年には、27歳でヴィチェンツァ音楽院のオルガンおよびオルガン作曲の教授に就任。4年後には他の音楽院でも教えるようになり、1994年には、ブレシアのルカ・マレンツィオ音楽院のオルガンおよびオルガン作曲の教授に就任。
 CDは、Da Vinci Classics、Brilliant Classics、Tactusなどから発売。


 

96443
(2CD)
\2100

ジョン・W・デュアルテ [1919-2004]:ギター四重奏曲全集



CD1 52'12
コンチェルト・デモクラティコ Op.108
1. I. リズム 2'50
2. II. アダージョ 3'50
3. III. コン・ブリオ 1'46

4. バラード Op.53 4'19

二部作第1番 Op.80
5. I. アリア 4'56
6. II. トッカータ 2'26

テントス I Op.63*
7. I. ソステヌート 4'58
8. II. カルモ 4'04
9. III. ? 4'31

オランダに行く Op.36
10. I. 風車 1'12
11. II. 田園 0'56
12. III. 行進曲 1'18
13. IV. カリヨン 1'31
14. V. オランダ舞曲 1'40

小組曲第1番 Op.68
15. I. アングレーズ 0'53
16. II. サラバンド 2'25
17. III. ブーレー 1'17
18. IV. ジーグ 1'08

イギリス組曲第3番 Op.78
19. I. ラフティ・タフティ 1'29
20. II. ザ・クリスタル・スプリング 2'02
21. III. ザ・ブラック・ナーグ 1'53
CD2 63'26
春のソナチネ Op.27a(デュアルテ編)
1. I. アレグレット・モルト・リリコ・マ・ファチーレ 2'31
2. II. エスプレッシーヴォ 3'55
3. III. ヴィーヴォ 2'24

アメリカーナ Op.96a(デュアルテ編)
4. I. ブロードウェイ 2'17
5. II. 労働歌とブルース 4'44
6. III. ホー・ダウン 2'56

モラヴィアーナ第2番 Op.146(デュアルテ編)*
7. I. 誰が歌っているの? 1'19
8. II. なんてこと 3'00
9. III. 納屋の向こうで何が起こっているの? 1'40

チャイコフスキー:「子供のためのアルバム」 Op.39
 より3曲(デュアルテ編)*
10. 冬の朝 1'06
11. 新しい人形 0'39
12. 乳母のお話 0'46

チャイコフスキー:「子供のためのアルバム」 Op.39
 より4曲(デュアルテ編)*
13. 木の兵隊の行進曲 0'54
14. 教会にて 2'01
15. お人形の病気 1'46
16. 木馬遊び 0'41

17. ディーリアス:「ハッサン」~セレナーデ(デュアルテ編)* 1'54
ミヒャエル・プレトリウス:4つのフランス舞曲(デュアルテ編)*
18. I. クーラント 0'47
19. II. バレエ 1'34
20. III. ガイヤルド 1'02
21. IV. ガイヤルド 0'55

エリザベス朝時代の4つの作品(デュアルテ編)*
22. 作曲者不詳:ラ・シャイ・マイズ 0'58
23. エドワーズ:悲しみを抱えているとき 0'50
24. バード:コラント 1'09
25. 作曲者不詳:ラ・ドゥーン・セラ 1'03

マリナー写本の4つの作品(デュアルテ編)*
26. 作曲者不詳:私の友人たち 0'58
27. エドワーズ:ああ、愚かな男 1'29
28. 作曲者不詳:あなたの工夫は微笑ましい 0'39
29. タリス:青春は泡のように消え去る 1'15

ルネサンス期の4つのフランス舞曲(デュアルテ編)*
30. 作曲者不詳:美しい森の中で(ガイヤルド) 1'00
31. 作曲者不詳:戦いのための最初の踊り 0'54
32. 作曲者不詳:アルマンド 0'56
33. 作曲者不詳:アルマンド・クーラント 1'22

ルネサンス期の3つのフランス作品(デュアルテ編)*
34. セルミジ:愛、悲しみを感じずに私を見て 0'48
35. セルミジ:あなたに仕えるために 1'16
36. ユルトゥール:3人の若いブルジョワ 1'11

いつもありがとう(デュアルテ編)*
37. シュッツ:主よ、すべての目があなたを待ち 0'41
38. ピルキントン:ダウン・ア・ダウン 1'05
39. バッハ:コラール「汝エホヴァがためにわれは歌わん」BWV299 0'50
40. デュアルテ:3444(デュアルテ編) 0'54
41. ドイツ、ヘッセンの曲:神が造られたパンに感謝(デュアルテ編) 1'03

2つのイングランド民謡(デュアルテ編)*
42. I. アイヴィーの歌 1'33
43. II. 叱る妻 1'07

*初録音
サントルソラ四重奏団
 アントニオ・ルゴーロ(ギター)
 アンジェロ・ジッロ(ギター)
 ヴィンチェンツォ・ゼッカ(ギター)
 リヴィオ・グラッソ(ギター)


 4人のギタリストによる多彩な響き

 ジョン・ウィリアム・デュアルテ(デュワルテ、ドゥアルテ、デュアートなどとも)の音楽から、ギター四重奏のためのオリジナル作品とアレンジ作品をすべて集めた2枚組セット。現代的な技法も投影されたオリジナル作品のほか、16世紀エリザベス朝のシャンソンからディーリアスやチャイコフスキーの音楽、アメリカ民謡やブロードウェイ・ソング、モラヴィア民謡まで、さまざまな音楽の見事な編曲が楽しめます。

サントルソラ・ギター四重奏団

 2006年に南イタリアのプーリア州のギタリスト仲間によって結成され、全員が弦楽器製作者ロベルト・デ・ミランダが作ったギターを使用。メンバーは多くの国際ギター・コンクールで入賞を果たしており、ソロとアンサンブルの両方で演奏活動するほか、音楽院や音楽学校でギターを教えてもいます。
 グループ名に掲げた「サントルソラ」は、プーリア州出身の作曲家グイド・サントルソラ[1904-1994]にあやかったものです。
 CDは、Brilliant Classics、Stradivarius、Dot Guitar、Da Vinci Classics、Naxosなどから発売。


録音:2021年4月、2023年9月、イタリア、プーリア州、カステッラーネタ、サンタ・キアラ修道院跡、市立アルカンジェロ・コレッリ音楽学校


 

96847
\1800

カルロ・テッサリーニ [c.1690-1766]:ヴァイオリンと通奏低音のための作品集



アレッタンティ・ダ・カメラ Op.3(ヴァイオリン独奏と通奏低音のための)
アレッタメント第3番 ニ長調
1. アダージョ 2'38
2. アレグロ 4'30
3. アレグロ 3'41

アレッタメント第4番 ヘ長調
4. ヴィヴァーチェ 4'30
5. ラルゴ 2'8
6. プレスト 4'18

アレッタメント第2番 ト長調
7. アレグロ 4'42
8. アンダンテ 3'06
9. プレスト 3'39

アレッタメント第5番 変ロ長調
10. ラルゴ 2'3
11. ヴィヴァーチェ 3'13
12. プレスト・アッサイ 2'10

アレッタメント第1番 ハ長調
13. アダージョ 3'15
14. アレグロ 3'31
15. プレスト 3'52

カプリッチョ イ長調
16. アダージョ・プレスト 3'33
17. 変奏曲 9'41

カペッラ・ムジカーレ・エンリーコ・ストゥアルト
 ガブリエーレ・プロ(ヴァイオリン)
 アンドレア・ラッタルーロ(チェロ)
 ミケーレ・カッレーカ(テオルボ、ギター)
 シモーネ・ピエリーニ(チェンバロ)

録音:2023年3月9~11日、イタリア、モンテ・コンパトリ、アニバルデスキ宮殿

 ステュアート朝の末裔に捧げられた作品をゆかりある団体の演奏で

 イタリア・バロック後期の知られざる作曲家、カルロ・テッサリーニ[c.1690-c.1767]が、1740年にローマで作曲し、同地のエンリーコ・ストゥアルト(ヨーク公ヘンリー・ステュアート)に捧げたヴァイオリンと通奏低音のための作品集。演奏は、そのヨーク公ヘンリー由来の名前を持つイタリアの古楽アンサンブル「カペッラ・ムジカーレ・エンリーコ・ストゥアルト」が担当し、ブックレット(英文)の解説も手がけています。




カルロ・テッサリーニ
 イタリア諸都市の大聖堂や宮廷でヴァイオリニストを務めながら作曲やツアーもおこない、活動範囲はオランダやイギリス、ドイツ、モラヴィア、フランスにも及んだと推測されているテッサリーニは、最後はアムステルダムで亡くなっています。

アレッタメント

 「アレッタメント」はイタリア語で「誘惑」や「魅力」を意味する言葉で、「アレッタメンティ」はその複数形。出版譜のタイトルは「アレッタメンティ・ダ・カメラ」なので「室内アレッタメント集」となります。
 作風はヴィヴァルディやコレッリにも通じる豊かな旋律に恵まれたもので、自身がヴァイオリニストとしても活躍していたことからヴァイオリン・パートの活躍には素晴らしいものがあります。
 5つのアレッタメントは、それぞれ急-緩-急の3楽章で構成されたソナタになっており、終曲のカプリッチョは、技巧的な2部分で構成。最後の10分近い変奏曲は、次第に複雑化する力作です。

ローマで出版

 このアルバムに収録された「アレッタメント集」は、1740年1月に出版されたもので、当時ローマで有名だった15歳の「ヨーク公ヘンリー殿下(ヨルク公エンリーコ殿下)」に捧げられています。

ステュアート朝の末裔

 ヨーク公ヘンリーは、1688年のクーデター(名誉革命)により追放・廃位されたイングランド王ジェームズ2世の孫。ローマのムーティ宮に生まれ、22歳でローマ教皇領の枢機卿となり、82歳でローマ教皇領のフラスカーティで亡くなるまでカトリックの聖職者として過ごしています。
 早くからチェロを演奏するなど熱心な音楽愛好家でもあったヨーク公ヘンリーへの配慮からか、楽譜には「ヴァイオリン・ソロとヴィオロンチェロのための」と記されています。
 



カペッラ・ムジカーレ・エンリーコ・ストゥアルト


 1998年にローマ近郊のフラスカーティで設立されたイタリアの古楽アンサンブルで、名前は同地の司祭枢機卿エンリーコ・ストゥアルト[1725-1807]に由来します。エンリーコ(ヘンリー)は、英国ステュアート朝の末裔で、亡命生活を送っていた父ジェームズの次男としてローマに誕生。22歳でローマ教皇領の枢機卿となり、82歳でローマ教皇領のフラスカーティで亡くなるまでカトリックの聖職者として過ごした人物で、チェロも演奏する音楽愛好家で、30年以上に渡ってフラスカーティの文化的発展にも寄与。同地のアボラチェンセ図書館には、エンリーコが作曲家のニコラ・ポルポラに委嘱したマニフィカトの楽譜なども収蔵されています。
 17世紀と18世紀のレパートリーを専門とする古楽アンサンブル「カペッラ・ムジカーレ・エンリーコ・ストゥアルト」は、演奏曲目に合わせて編成を変更して活動するため、メンバー構成も柔軟です。これまで、イタリアのほか、ドイツ、イギリス、スペイン、カナダ、シリア、ザンビア、ロシア、フランス、フィンランド、オランダ、チェコなどで演奏。
 今回のレコーディングにあたっては、主要メンバーのアンドレア・ラッタルーロ(チェロ)とミケーレ・カッレーカ(テオルボ、ギター)に、ソリストとして有名なガブリエーレ・プロ(ヴァイオリン)とシモーネ・ピエリーニ(チェンバロ)が加わっています。
 CDは、Brilliant Classicsなどから発売。


ガブリエーレ・プロ(ヴァイオリン)


1997年、ローマで誕生。6歳からヴァイオリンを学び始め、18歳でラクイラ・A.カゼッラ音楽院を優秀な成績で卒業。早くから古楽レパートリーに興味を持ち、歴史に基づいたパフォーマンスを専門とするようになり、ジュリアーノ・カルミニョーラ、リッカルド・ミナージなどのマスタークラスも受講し、現在は世界的に活動。
 CDは、Brilliant Classics、Arcana、SONY、Glossa、Passacaille、Alia Vox、Cristophorus、Tactus、Dynamic、BR-Klassik、NTRなどから発売。


シモーネ・ピエリーニ(チェンバロ)


 1996年、ローマで誕生。フル・ネームは、シモーネ・エル・ウーフィル・ピエリーニ。8歳でピアノを始め、18歳で高校を卒業後、ローマ聖チェチーリア音楽院でマウラ・パンシーニに師事してピアノのディプロマを取得。その後、フィエーゾレ音楽院でエリソ・ヴィルサラーゼに師事し、ボリス・ベルマン、ニコライ・デミジェンコ、パーヴェル・ギリロフらのマスタークラスにも参加。
 その後、アレクセイ・リュビモフ、アンドレアス・シュタイアー、トビアス・コッホ、コスタンティーノ・マストロプリミアーノ、ステファノ・フィウッツィの講座やマスタークラスに参加したほか、FIMA(イタリア古楽財団)で、アンドレア・コーエンにチェンバロと歴史的鍵盤楽器奏法を、ジョヴァンニ・トーニに通奏低音を師事。
 CDは、Brilliant Classicsからジェルヴェ=フランソワ・クープランの鍵盤楽器作品集(フランス革命恐怖政治終焉後の過激な自由を描写した「レザンコヤブル」と「レ・メルヴェイユーズ」も収録した注目の録音。「クープラン・ダイナスティ」に収録)、、エレーヌ・モンジュルー:ピアノ・ソナタ全集、ケルビーニ:フォルテピアノ・ソナタ集、ティナッツォリ:鍵盤楽器作品全集、ル・ブレ:クラヴサン作品集、Da Vinci Classicsからメンデルスゾーン:ヴァイオリンとフォルテピアノのためのソナタ全集が発売。

 

96930
\1800
ル・ブレ:クラヴサン曲集
 ル・ブレ [活動期間 1730-1740]

第2組曲
1. アルマンド・ラ・デュシャス(公爵夫人) 5'50
2. ラ・セドゥワザント(魅惑的な) 3'21
3. ラ・ピカント(刺激的な) 2'54
4. ラ・グラチューズ(感謝) 2'56
5. サラバンド・ラ・トゥシャント(感動的な) 5'53
6. ラ・レジュイサント(愉快な) 3'08
7. ガヴォット・レマブル・フォリー(愛すべき情熱) 2'48
8. メヌエット・ル・シュフィザント(適任者) 1'58
9. ラ・タンドル・エリザベト(優しいエリザベト) 3'01
10. ラ・プレシピテ・ウ・ロダシューズ(性急か大胆か~どちらかお好きな一方を) 3'11
11. ガヴォット・アノニム(匿名)(P.パングレの手稿による) 3'55

第1組曲
12. アルマンド・ラ・ジェネルーズ(寛大な) 5'50
13. サラバンド・ラ・コンスタント・アムレット(絶え間ない恋愛) 2'46
14. ラファブル(愛想の良い人) 1'49
15. ラ・ディヴェルティサント(気晴らし) 1'45
16. ランバラサント(当惑) 8'09
17. レトランジェール(外国人) 第1部、第2部 6'01
18. ラ・ナチュレル(自然) 2'24
19. メヌエット第1、第2(シモーネ・ピエリーニ補完) 2'45
シモーネ・ピエリーニ(チェンバロ)

 使用楽器:
  M. ミートケのレプリカ/
  ジューリオ・フラティーニ 2014年製作(A=415Hz)

 録音:2022年11月14~15日、イタリア、モンテ・コンパトリ、アンニバルデスキ宮殿

 謎の作曲家による良作を美しいサウンドで

 フランス・バロックの作曲家、ル・ブレの生涯に関する伝記的な詳細は現在のところわかっておらず、ファースト・ネームも判明していません。しかし性格的な小品を含む2つの組曲から成る「クラヴサン曲集」の出来は立派なもので、ここではジュリオ・フラティーニが2014年に製作したミートケのレプリカによって、たいへん美しい音で楽しむことができます。
 英文ブックレットには、演奏者のシモーネ・ピエリーニによる考察が記されているほか、写本からの序文がフランス語と英訳で掲載されています。


フランス・バロックの作曲家、ル・ブレの生涯に関する伝記的な詳細は現在のところわかっておらず、ファースト・ネームも判明していません。しかし性格的な小品を含む2つの組曲から成る「クラヴサン曲集」の出来は立派なもので、ここではジューリオ・フラティーニが2014年に製作したミートケのレプリカによって、たいへん美しい音で楽しむことができます。
 英文ブックレットには、演奏者のシモーネ・ピエリーニによる考察が記されているほか、写本からの序文がフランス語と英訳で掲載されています。

パングレ神父による写本
天文学者、地理学者として有名な聖職者、アレクサンドル・ギ・パングレ[1711-1796]は、神学校での活動を経て天文学の世界に入り、数々の実績を積んで海軍の天文学者兼地理学者に任命され、45歳のときに科学アカデミーの正会員に選出されると、パリからの命令でサント・ジュヌヴィエーヴ修道院の学長兼司書として着任。修道院にはパングレ神父のために天文台も建造され、以後、約40年に渡って同所で働き、天文学、地理学、博物学、文学など多くのことに熱中。
 パングレ神父は神学校時代に音楽を学んでいたことから鍵盤楽器を演奏することができ、オルガン曲やチェンバロ曲の写譜までおこなっていました。それらは彼の職場でもあるサント・ジュヌヴィエーヴ図書館に収蔵されており、貴重な資料としても知られています。

使用楽器はミートケ・モデル

 「バッハ・チェンバロ」でも知られる北ドイツのチェンバロ製作者ミヒャエル・ミートケ[c.1656-1719]の楽器を参考に2014年に製作されたチェンバロを使用。
 製作者のジューリオ・フラティーニは、イタリア中部のフェルモに2008年から工房を構える人物で、これまでに数多くのチェンバロやフォルテピアノ、オルガンの製作・修復をおこなっています。


チェンバロはシモーネ・ピエリーニ。



 

97057
\1800

シチリア島の室内オケによる内声豊かな演奏
 「ロマンツァ」~弦楽のための音楽


1. シベリウス:即興曲 Op.5 5'09
2. シベリウス:ロマンス ハ長調 Op.42 4'57

ブリテン:シンプル・シンフォニー Op.4
3. I. 騒々しいブーレー 3'20
4. II. 遊び心のあるピッツィカート 3'18
5. III. 感傷的なサラバンド 7'37
6. IV. 陽気で愉快なフィナーレ 2'59

バーバー:セレナーデ Op.1
7. I. ウン・ポコ・アダージョ - アレグロ・コン・スピーリト 4'29
8. II. アンダンテ・コン・モート 2'18
9. III. アレグロ・ジョコーゾ~ピウ・モッソ 3'49

10. ペルト:ダ・パーチェム・ドミネ(弦楽オーケストラのための) 4'20
オルフェオ管弦楽団
ドメニコ・ファマ(指揮)

録音:2023年10月、
イタリア、カターニア、サウンドトラック・スタジオ・プロダクションズ


 オルフェオ管弦楽団は、シチリアの音楽家によって人口約30万人のカターニアで2020年に結成された室内オーケストラ。創設にも関わった指揮者のドメニコ・ファマの指揮のもと、内声まで丁寧に聴かせる演奏が特徴的で、シンプルな響きになりがちな弦楽オケ作品から複雑な表情を引き出しています。
 アルヴォ・ペルトの「主よ、平和を与えたまえ」は、スペインがイラク侵攻に加わったことに反対するテロリストが引き起こしたマドリードの列車爆破事件(193人死亡)の犠牲者を追悼するために書かれた悲痛な美しさが印象的な作品。

シベリウス:即興曲
 1894年に作曲。前年に作曲したピアノのための即興曲 Op-5-5を主部に、Op-5-6を中間部に置いて変容させた三部形式の作品。主部は弱音器付きで神秘的な姿になっているので、元のピアノ曲からの乖離ぶりが楽しめます。

シベリウス:ロマンス

 1904年に作曲。アルバム・タイトルにも用いられたこの作品のもともとのタイトルは単なる「アンダンテ」でしたが、それではせっかくのキャッチーな曲の魅力が伝わりにくいということから友人の説得で「ロマンス」に変更。親しみやすい楽想が魅力的な佳曲です。

ブリテン:シンプル・シンフォニー

 1933年から1934年にかけて作曲。10代前半の少年期に書いた音楽を素材として用いて20歳のときに書き上げたもので、早熟だったブリテンの実力を示しています。素材として用いられたのはピアノ曲で、4つの楽章に主題が2つずつ用いられ変容されています。

バーバー:セレナーデ

 1928年に作曲。バーバー18歳、フィラデルフィアのカーティス音楽院に在学中の作品で、オリジナルは弦楽四重奏曲。早熟だったバーバーは7歳から作曲を始めていますが、それから11年後に完成したこのセレナーデは始めて作品番号を記した自信作となりました。

ペルト:主よ、平和を与えたまえ

 2004年に作曲。スペインがイラク侵攻に加わったことに反対するテロリストが引き起こしたマドリードの列車爆破事件(193人死亡、約2,050人負傷)の犠牲者を追悼するために書かれた作品。オリジナルは4声の声楽曲で、その後、ペルト自身によっていくつかのヴァージョンが出版。悲痛な美しさが印象的な作品。





オルフェオ管弦楽団

 指揮者のドメニコ・ファマらによって、2020年にシチリア島のカターニアに設立。正式名称は「Orchestra da camera Orfeo(オルフェオ室内管弦楽団)」で略号は「OCO」。地元シチリア島での公演や音楽祭、放送出演などを中心に活動。
 CDは、Brilliant Classicsなどから発売。



ドメニコ・ファマ(指揮)

 1989年、シチリア島のカターニアに誕生。7歳でクラシック・ギターを学び始め、9歳で初のソロ・リサイタルを開催。南イタリアのマテーラ音楽院で指揮科を卒業したのち、ミラノのイタリア指揮アカデミーや、フィレンツェでも指揮を学び、コゼンツァ音楽院ではクラシック・ギターを専攻し、作曲も修めています。
 2012年から2019年まで、カターニア文化局が主催するコンサート・シーズンのコーディネートを担当し、2017年よりカターニアのコロンナ音楽院で教職に就きギターなどを指導。
 プロ指揮者デビューは2018年にカターニアのマッシモ・ヴィンチェンツォ・ベッリーニ劇場でのオーケストラ・コンサート。以後、各地の音楽祭などを中心に活動し、2020年には  CDは、Brilliant Classics、Da Vinci Classicsなどから発売。


 

97139
\1800
原曲と改作の比較が容易になるギターへの編曲
 ヴァイス:組曲 SW.47、バッハ:組曲 BWV.1025


ヴァイス:リュートのための組曲 イ長調 SW47
1. I. アントレ 3'42
2. II. クーラント 4'43
3. III. ロンドー 3分16
4. IV. サラバンド 5'29
5. V. アレグロ 5'10
6. VI. メヌエット 2'44

バッハ:ヴァイオリンとチェンバロのための組曲 イ長調 BWV1025
7. I. ファンタジア 2'52
8. II. クーラント 4'44
9. III. アントレ 3'30
10. IV. ロンドー 3'31
11. V. サラバンド 5'06
12. VI. メヌエット 2'53
13. VII. アレグロ 5'30
アルベルト・ラ・ロッカ(ギター、編曲)
カルロ・ラザーリ(ヴァイオリン/トラック7~13)

録音:
2020年2月、イタリア、ヴェーネト州ヴィチェンツァ県、
 ティエーネ、(トラック1~6)、

2023年1月、イタリア、ヴェーネト州ヴィチェンツァ県、
 ズリアーノ、X-ランド・スタジオ(トラック7~13)


 1991年まで偽作とされていたバッハの「ヴァイオリンとチェンバロのための組曲」BWV.1025は、実際にはバッハが友人ヴァイスのリュート組曲 SW.47を改作したものです。
 バッハは原曲のリュートをチェンバロに変換する際、通奏低音的にならないよう、旋律を弾く「オブリガート・チェンバロ」の様式を採用。さらに、ヴァイオリン・パートを新たに作曲し、冒頭にはファンタジアを書き加えたほか、曲順も変更するなど工夫しています。
 このアルバムではヴァイスの原曲 SW.47とバッハの改作 BWV.1025の両方を収録し、原曲のリュートと、改作のチェンバロをギターに置き換えることで、原曲と改作の比較がしやすくなっています。





ヴァイスとバッハは友人関係

 1718年、ヴァイスはリュートの腕前を買われてザクセン選帝侯フリードリヒ・アウグスト1世の高給な宮廷音楽家となり、1750年に亡くなるまで32年間に渡って在職。
 バッハはライプツィヒでの立場を改善するためか、1733年2月に即位した改宗カトリックであるザクセン選帝侯フリードリヒ・アウグスト2世に対して、カトリック用の音楽であるロ短調ミサのキリエとグローリアの楽譜を献呈しています。ザクセン選帝侯の臣下や領民はプロテスタントという状況での献呈と演奏(?)で、さらに、ザクセン選帝侯がポーランド王を継承するためのゴタゴタもあって、献呈の報奨としてバッハに「ザクセン選帝侯宮廷作曲家」の称号が授与されるのは3年後の1736年11月のことでした。
 その間、バッハの長男、ヴィルヘルム・フリーデマンがドレスデンのゾフィーエン教会(プロテスタント)のオルガニストに80ターラーの低報酬で任用(その代わり自由時間が多い)。ヴィルヘルム・フリーデマンはドレスデンの宮廷に出入りして、ヴァイスら宮廷音楽家と親しくなり、1939年にはヴァイスとヴァイスの弟子のクロップガンスらと共に、トーマスカントルの住居の父バッハを訪問。交流は何回かに及んだようで、ヴァイスとバッハによる即興演奏の競演なども伝えられています。


ヴァイスの曲をバッハが改造

 バッハの「ヴァイオリンとチェンバロのための組曲」BWV1025は、バッハ家でのヴァイスとの交流の際に生まれたとする説がありますが、証拠があるわけではないですし、そもそもバッハは他人の作品の編曲、改作もよくおこなっていたので、正確な時期はわからないようです。交流時の経験をもとに書き上げたといったところでしょうか。
 改造の経緯はともかく、ヴァイスの「リュートのための組曲」SW47は、バッハによって「ヴァイオリンとチェンバロのための組曲」に大化けし、ヴァイスの手堅い作品に、華やかな美しさが加わっています。


ギターへの編曲


 このアルバムでは、ギター奏者のアルベルト・ラ・ロッカが、ヴァイス SW.47のリュート・パートをギターに、バッハ BWV.1025のチェンバロ・パートをギターに編曲しています。





アルベルト・ラ・ロッカ(ギター)

1967年、北イタリアのティエーネに誕生。ヴェローナ・ダッラーバコ音楽院でギターの学位を取得し、1994年、ボローニャ大学で芸術・音楽・舞台芸術学科を卒業。
 特別なチューニングを施した10弦ギターを開発し、それによって楽器の音域を拡大。有名作曲家のギター作品の演奏に加え、あまり知られていない作曲家や作品を発掘し演奏することにも熱心に取り組んでいます。
 CDは、Brilliant Classics、GuitArt、DotGuitar、Velut Lunaなどから発売。


カルロ・ラザーリ(ヴァイオリン)

1962年、北イタリアのヴェネツィアに誕生。エミリオ・クリスティネッリにヴァイオリンを学び始め、理学の学位を取得後、1984年にヴェネツィア音楽院でヴァイオリンの学位を取得。大学院課程では、クレモナのスタウフェル音楽院でサルヴァトーレ・アッカルド、フィエーゾレ音楽院でステファン・ゲオルギウ、シエナのキジアーナ音楽院でフランコ・グッリに師事し、1986年にはナポリで開催されたA.クルチ国際ヴァイオリン・コンクールで第2位を獲得。
 古楽ヴァイオリンにも精通したラザーリは、1981年からヴェネツィアを拠点とする現代音楽アンサンブル「エクス・ノーヴォ・アンサンブル」のメンバーとして活動する一方、古楽専門の「ラルテ・デラルコ」でも演奏しているほか、ヴェネツィアの室内オケ「ロフェルタ・ムジカーレ」にも頻繁に登場。
 教育者としては、ヴェネツィア・ベネデット・マルチェッロ音楽院でヴァイオリンを教えています。
 CDは、Brilliant Classics、Dynamic、Ricordi、Stradivarius、Julia Recordsなどから発売。


 

97262
\1800
サクソフォンで聴くフォーレ、グリーグ、プロコフィエフ
 フルートのための幻想曲とヴァイオリン・ソナタを編曲

フォーレ:幻想曲 Op.79(アンジェロ・トゥルキ編) 05'31
 1. I. アンダンティーノ 2'09
 2. II. アレグロ 3'22

グリーグ:ヴァイオリン・ソナタ Op.8-1(ジュゼッペ・ラテルザ編) 22'41
 3. I. アレグロ・コン・ブリオ 10'15
 4. II. アレグレット・クァジ・アンダンティーノ 5'14
 5. III. アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ 7'12

プロコフィエフ:フルート・ソナタ Op.94(ジュゼッペ・ラテルザ編) 24'58
 6. I. モデラート 8'53
 7. II. スケルツォ: アレグロ・スケルツァンド 5'10
 8. III. アンダンテ 3'29
 9. IV. アレグロ・コン・ブリオ 7'26
デュオ・ラテルザ=バンディエーラ
 ジュゼッペ・ラテルザ(ソプラノ・サックス)
 フランチェスカ・バンディエーラ(ピアノ)

録音:2023年6月23~24日、イタリア、ローマ

 サクソフォンは専用レパートリーが限られているため、既存作品の編曲演奏も盛んにおこなわれています。
 このアルバムでは、サクソフォンにとてもよく合うフォーレのフルートとピアノのための幻想曲に、グリーグ初期のヴァイオリンソナタ第1番、そして元はフルート・ソナタだったプロコフィエフの有名なヴァイオリン・ソナタが収録されています。



使用楽器

 原曲がフルート、ヴァイオリン、ピアノのために書かれた作品なので、3曲ともソプラノ・サックスのためにアレンジされています。楽器はセルマーのシリーズ3「ジュビリー」を使用。ピアノはヤマハのC3。


フォーレ:幻想曲 Op.79

 パリ音楽院でのフルート・コンクール開催に際し、フランスのフルート奏者タファネルの依頼により、フォーレ[1845-1924]が1898年に作曲。フレージング、表現、音色のコントロール、技巧の能力をテストするために必要な手段を講じるよう要請されています。
 当時のフォーレは長年に渡る不遇の時代から抜け出し、マドレーヌ寺院の首席オルガニストとパリ音楽院の作曲家教授を兼務しており、1905年にはパリ音楽院の学長に就任してもいました。

グリーグ:ヴァイオリン・ソナタ第1番 Op.8-1

 1858年から1862年までライプツィヒ音楽院で作曲とピアノを学んだグリーグ[1843-1907]は、1863年から4年間に渡ってコペンハーゲンに滞在し、ニルス・ゲーゼ[1817-1890]に作曲を師事。その間、同地で声楽を学んでいたいとこのニーナとも親しく交流し、1867年に結婚しています。ヴァイオリンソナタ第1番が書かれたのは1865年。グリーグ自身が後年、「まだ少し素朴だが、旋律的なアイデアは豊富」と評している通り、たくさんの素材や手法が投入された曲調はなかなか魅力的です。

プロコフィエフ:フルート・ソナタ Op.94

 第2次大戦中の1942年から1943年にかけての疎開中に作曲。戦時中は音楽官僚による社会主義リアリズムの制約が軽減されたため、プロコフィエフは自由に書くことができ、傑作が多く生まれています。この「フルート・ソナタ Op.94」もそうした時期に書かれた傑作ですが、初演を聴いたオイストラフの勧めと助言により「ヴァイオリン・ソナタ Op.94bis」として改作され、現在ではそちらのほうが有名になっています。ここではフルート・ソナタの方からアレンジされているため、第2楽章もスケルツォと記載されています(ヴァイオリン・ソナタ版ではプレスト)。



ジュゼッペ・ラテルザ(サックス)


 1986年、南イタリアのポマーリコに誕生。2006年にマテーラ音楽院を卒業し、フランスのヴェルサイユ音楽院を2014年に卒業。数多くのコンクールでファイナリストに選ばれ、国内外で12回も入賞。
 2014年からパリのピュトー音楽院で教え、2015年からはパリのクラマール音楽院とエリック・サティ音楽院、レオナルド・ダ・ヴィンチイタリア国立研究所で指導。
 2016年からはイタリア空軍軍楽隊に所属してアルト・サックスを担当しています。
 CDは、Brilliant Classics、Onyxなどから発売。


フランチェスカ・バンディエーラ(ピアノ)


 1994年生まれ。ベネヴェント音楽院でピアノとヴァイオリンを学び、サンタ・チェチーリア国立音楽院で室内楽を学んで2023年に卒業したのち、パルマ音楽院で室内楽を研究。その間、2018年にリア・トルトラ国際ピアノコンクールで優勝。
 CDは、Brilliant Classicsなどから発売。


 

97307
\1800

室内オケによるロドロン・セレナーデ第1番、第2番


ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト [1756-1791]
 ディヴェルティメント ヘ長調 K247 「ロドロン・セレナーデ第1番」
  1. I. アレグロ 8'00
  2. II. アンダンテ・グラツィオーゾ 4'00
  3. III. メヌエット 4'05
  4. IV. アダージョ 7'05
  5. V. メヌエット 3'04
  6. VI. アダンテ - アレグロ・アッサイ 5'33

 ディヴェルティメント ロ短調 K287「ロドロン・セレナーデ第2番」
  7. I. アレグロ 8'41
  8. II. アンダンテ・グラツィオーゾ 7'26
  9. III. メヌエット 3'08
  10. IV. アダージョ 7'11
  11. V. メヌエット 3'55
  12. VI. アンダンテ - アレグロ・モルト 7'27
チェコ室内フィルハーモニー管弦楽団
ヴァハン・マルディロシアン(指揮)

録音:2023年4月20日、チェコ、パルドゥビツェ、スーク・ホール

 モーツァルトがザルツブルクの宮廷音楽家として活動していた時代に書いたディヴェルティメント第10番と第15番は、ロドロン伯爵夫人マリア・アントニアのために書かれたので「ロドロン・セレナーデ」の第1番、第2番と呼ばれています。オリジナルの編成はホルン2本、ヴァイオリン2本、ヴィオラ、バスという6人編成ですが、楽想の振れ幅が大きいこともあって人数を増やして演奏することが多く、ここでも室内オーケストラの機動力と表現力を駆使してモーツァルトの豊かな楽想に迫っています。




ロドロン・セレナーデ第1番

 ザルツブルクの貴族エルンスト・ロドロン伯爵[1716-1779]の夫人マリア・アントニアの聖名祝日を祝う行事のために20歳のモーツァルトが作曲し、1776年6月18日に初演。モーツァルトの死後8年が経過した1799年に父の故郷アウクスブルクのゴンバルト社から出版。

ロドロン・セレナーデ第2番

 ザルツブルクの貴族エルンスト・ロドロン伯爵[1716-1779]の夫人マリア・アントニア[1738-1796]の聖名祝日を祝う行事のために21歳のモーツァルトが作曲し、1777年6月16日に初演。モーツァルトの死後8年が経過した1799年に父の故郷アウクスブルクのゴンバルト社から出版。

表紙

 ブックレットの表紙の絵の女性は、チロルの貴族ニコラ・セバスティアーノ・ロドロン=ラテラーノ=カステルロマーノ伯爵[1719-1792]の夫人マリア・アンナ[1725-1780]です。
 モーツァルトと関わりのあるロドロンは、ザルツブルクの貴族エルンスト・ロドロン伯爵[1716-1779]の夫人であるマリア・アントニア[1738-1796]なので別人ではありますが、マリア・アンナもロドロンの一族であることから、当時の雰囲気を伝えるために選ばれた絵と思われます。


ヴァハン・マルディロシアン(指揮)


 1975年、アルメニアのエレヴァンに誕生。1993年にパリに移住。1996年にパリ音楽院を優秀な成績で卒業。指揮者、ピアノ・ソリストとして活躍。長年、フランスのカーン交響楽団の首席指揮者、アルメニア国立室内管弦楽団の音楽監督を務め、2019年より香港室内管弦楽団の首席指揮者を務めています。マルディロシアンは、ヨーロッパとアジアで定期的に客演指揮者として招かれており、これまでに、プラハ放送響、ロワール国立管、アルメニア・フィル、プラハ・フィル、チェコ室内管、レバノン・フィル、アマルガム管、トゥーロン歌劇場管、ノヴォシビリスク・フィル、東京フィル、N響、日本フィル、ブルガリア国立管、ウクライナ国立フィル、関西フィル、ロシア・フィル、新日本フィル、九州響などを指揮。2017年にはピアニストとしてカーネギー・ホールでピアノリサイタルを開催。
 CDは、Brilliant Classics、Intrada、Transart、Skarbo、Warner、Cypres、Quadrigaなどから発売。


チェコ室内フィルハーモニー管弦楽団


 1969年、プラハ近郊のパルドゥビツェで東ボヘミア州立室内管弦楽団として設立。初代首席指揮者はリボル・ペシェク。2018年9月からは、スタニスワフ・ヴァヴジネクが首席指揮者を務めています。
 CDは、Brilliant Classics、Supraphon、MD+G、Canyon、Classico、Marco Polo、Albany、Arco Diva、Naxos、Centaur、NCA、Pantonなどから発売。


 

97407
\1800

「シンティーラ(火花)」~初期イタリア弦楽四重奏曲集


ガエターノ・プニャーニ [1731-1798]:弦楽四重奏曲第2番 変ホ長調 19'08
 1. I. ラルゴ・ソステヌート 3'50
 2. II. アレグロ・アッサイ 8'28
 3. III. グラーヴェ 2'15
 4. IV. メヌエット - トリオ 4'35

ルイジ・ボッケリーニ [1743-1805]:弦楽四重奏曲 ハ短調 Op.2-1 17'01
 5. I. アレグロ・コモド 5'57
 6. II. ラルゴ 5'51
 7. III. アレグロ 5'13

マッダレーナ・ローラ・ロンバルディーニ・シルメン [1745-1818]:弦楽四重奏曲第5番 ヘ長調 13'03
 8. I. ラルゴ - アレグロ - ラルゴ 10'04
 9. II. メヌエット 2'59

フェリーチェ・ジャルディーニ [1716-1796]:弦楽四重奏曲ハ長調 11'43
 10. I. アンダンテ 5'36
 11. II. アダージョ 3'45
 12. III. アンダンテ 2'22
バター・クァルテット
 アナ・ジェーン・レスター(ヴァイオリン)
 クローエ・プレンデルハスト(ヴァイオリン)
 イザベル・フラネンベルフ(ヴィオラ)
 エヴァン・バター(チェロ)

録音:2022年9月、オランダ、スヒーダム、ヴェストフェスト90教会

 弓を使い分けたピリオド演奏

 18世紀にヨーロッパ各地で活動していたイタリア人音楽家たちによる弦楽四重奏曲を集めたアルバム。
 演奏のバター・クァルテットは2017年にハーグ音楽院在籍中の4人によって結成された古楽グループで、鮮烈で息の合ったピリオド奏法を聴かせます。
 ブックレット(英語)に掲載された解説は、ヴァイオリンのアナ・ジェーン・レスターを中心にクァルテットのメンバーが執筆。装丁はディジパック仕様で、デザインにアナ・ジェーン・レスターも参加。




ピリオド演奏の専門家集団

 バター・クァルテットのメンバーは全員修士課程修了者で、歴史的奏法に関する学識なども非常に豊か。知られざる作品の紹介にも力を入れており、その際に用いる弓も、「クラシカル・ボウ」と「バロック・ボウ」を比較検討して決めるこだわりぶり。

初期イタリアの弦楽四重奏曲

 ハイドン[1732-1809]とほぼ同時代にヨーロッパ各地で活動していたイタリア人音楽家、ジャルディーニ[1716-1796]、プニャーニ[1731-1798]、シルメン[1745-1818]は、ヴァイオリンの名手で、ボッケリーニ[1743-1805]はチェロの名手として有名でしたが、それぞれ作曲家としての楽才にも恵まれ、魅力的な弦楽四重奏曲を遺してもいます。

「通奏低音」の功罪

 18世紀のヨーロッパは、啓蒙主義思想を背景に市民階級が台頭し、社会構造の変化が音楽産業にも大きく影響した時代です。それまで大小さまざまな合奏の伴奏和音を受け持っていた数字付き低音による「通奏低音」は、宮廷楽団や宮廷劇場、教会などの職業音楽家が主に受け持っていたこともあって、略式の記譜が一般的でしたが、そうした省略系の楽譜は市民社会の演奏家の多くが対応できなかったため受け入れられず、作曲家たちはすべての音を記譜する作曲方法への転換を進めることになります。

「弦楽四重奏」の誕生

 衰退した「通奏低音」とは対象的に、市民社会での演奏需要の高まりや貴族楽団の小規模化とともに、すべての音が記譜された「弦楽四重奏」のための作品は演奏・出版される機会も増え、同様に、すべての音が記譜されたさまざまな室内楽形態も登場することになります。

啓蒙主義の火花とギャラント様式の輝き

 今回のアルバムに収録されたイタリアの作曲家、ジャルディーニ、プニャーニ、ボッケリーニ、シルメンは、そうした時代の転換期に生き、ヴィルトゥオーゾ演奏家として多くの地域で活動する一方で、状況に適応した音楽も作曲。当時先端だった「弦楽四重奏」のための音楽も手がけることになり、ときにギャラント様式を思わせるようなアイデア豊富な作品を書き上げてもいます。

「シンティーラ(火花)」

 アルバム・タイトルの「シンティーラ」は「火花」を意味するイタリア語で、ここでは弦楽四重奏が生み出されるきっかけとなった市民階級の台頭が、啓蒙主義思想によって促されたことを意味していると考えられます。




バター・クァルテット


 2017年にハーグ王立音楽院在学中の気の合う学生らによって結成された古弦弦楽四重奏団。
 歴史的奏法を駆使した美しく力強い演奏によって評判となり、ポーランド国立音楽フォーラム(2020)、ヴュルツブルク・モーツァルト音楽祭(2021)、ユトレヒト古楽フェスティヴァル(2022)、ヨーク古楽フェスティヴァル(2023)、アムステルダム弦楽四重奏ビエンナーレ(2024)などでも演奏。

アナ・ジェーン・レスター(第1ヴァイオリン)

 アメリカ生まれ。ヴァンダービルト大学でヴァイオリンを学び、ジュリアード音楽院でモニカ ハジェットとシンシア ロバーツに師事して歴史的演奏の音楽修士課程修了。ハーグ王立音楽院ではウォルター・S・ライターとカティ・デブレツェニに師事。古楽アンサンブル「オランダ・バロック」でも活動するほかイングリッシュ・バロック・ソロイスツ、エイジ・オブ・エンライトゥメント管弦楽団など多くのピリオド団体と共演(画像の右端)。

クロエ・プレンダーガスト(第2ヴァイオリン)

 アメリカ生まれ。コロラド・バロック室内管弦楽団のメンバーである母にヴァイオリンを習い、ウィラメット大学ではエンティア・クレストン(のちにアルテミス四重奏団に入団)に師事。その後、ワシントン州立大学の大学院で古楽を学んだほか、ターフェルムジーク・バロック管弦楽団ヴァイオリニストのジュリア・ウェドマンにバロック・ヴァイオリンを師事。彼女の勧めでハーグ王立音楽院でカティ・デブレツェニに師事して修士課程修了。古楽アンサンブル「オランダ・バロック」でも活動ほかイングリッシュ・バロック・ソロイスツ、ルータース・バッハ・アンサンブルなど多くのピリオド団体と共演(画像の右から2人目)。

イザベル・フラネンベルフ(ヴィオラ)

 オランダ生まれ。アムステルダム音楽院で山縣さゆりと佐藤俊介に歴史的ヴァイオリンを師事したのち、ユトレヒト大学で音楽学の修士課程を修了し、ハーグ王立音楽院でカティ・デブレツェニに歴史的ヴィオラを学んでいます。18世紀オーケストラ、「オランダ・バロック」などでも演奏(画像の左から2人目)。

エヴァン・バター(チェロ)

 カナダ生まれ。オタワ大学でチェロとバロック・チェロを学び、2014年からハーグ王立音楽院でヤープ・テル・リンデンに師事して修士課程を修了。コンセール・ド・ナシオン、18世紀オーケストラ、ルータース・バッハ・アンサンブル、ムジカ・グロリアなどでも演奏(画像の左端)。



 
(2024年6月 新譜).

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97278
(6CD)
\4000
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イタリアのチェロ・ソナタ集


 W=フェッラーリ、チレア、ピッツェッティ、マルトゥッチ、ソッリマ
 ピラーティ、C=テデスコ、カゼッラ、ピアッティの作品を収録

CD1
Track 1-3
ウォルフ=フェッラーリ
  チェロ・ソナタ ト長調 Op.30 (1945) 14:46
アメデオ・チッケーゼ(チェロ)
コスタンティーノ・カテーナ(ピアノ)

録音:2021年9月27~30日、イタリア、キージ・ディ・アリッチャ宮殿
CD1
Track 4-6
チレア:
  チェロ・ソナタ ニ長調 (1888) 17:14
ヤコポ・ディ・トンノ(チェロ)
ドメニコ・コディスポーティ(ピアノ)

録音:2013年2月、ローマ、ストゥーディオ・イ・ムジカンティ
CD1
Track 7-9
ピッツェッティ
  チェロ・ソナタ ヘ長調 (1921) 31:46
アメデオ・チッケーゼ(チェロ)
バルバラ・パンツァレッラ(ピアノ)

録音:2018年9月19~21日、ローマ、ストゥーディオ・イ・ムジカンティ
CD2 マルトゥッチ
  チェロ・ソナタ Op.52 (c.1880) 32:18
  3つの小品 Op.69 (1889) 27:44
  2つのロマンツェ Op.72 (1892) 06:51
  ロマンツァ (1890) (「メロディア」からの作曲者による編曲) 03:21
ロベルト・トライニーニ(チェロ)
マッシミリアーノ・フェッラーティ(ピアノ)

録音:2013年10月10日、ボルツァーノ、
C.モンテヴェルディ音楽院、ミケランジェリ・ホール(Op.52)、
2013年12月27~28日、ポーランド、ラドム、
オスカー・コルベルク音楽学校ペンデレツキ・ホール(Op.69、Op.72)
2014年6月1日、パドヴァ、C.ポリーニ音楽院(ロマンツァ)
CD3
Track 1-3
ピラーティ
  チェロ・ソナタ イ短調 (1929) 26:50
ルーカ・シニョリーニ(チェロ)
ダリオ・カンデーラ(ピアノ)
録音:2016年12月、イタリア、ブレーシャ、アウディトリウム・カヴァッリ
CD3
Track 4-6
ソッリマ
  チェロ・ソナタ (1948) 13:16
ジャンルーカ・ピリージ(チェロ)
フラーヴィア・サレンメ(ピアノ)
録音:2018年9月19~21日、ローマ、ストゥーディオ・イ・ムジカンティ
CD3
Track 7-13
カステルヌオーヴォ=テデスコ
  チェロ・ソナタ Op.50 (1928) 18:22
アメデオ・チッケーゼ(チェロ)
バルバラ・パンツァレッラ(ピアノ)
録音:2020年9月14~17日、イタリア、ベルナレッジョ、バルトークストゥーディオ
CD4 カゼッラ
  チェロ・ソナタ第1番ハ短調 Op.8 (1906)
  チェロ・ソナタ第2番ハ長調 Op.45 (1926)
  ノットゥルノとタランテラ Op.54 (1934) (チェロとピアノ編)
アンドレア・ファヴァレッサ(チェロ)
マリア・セメラーロ(ピアノ)
録音:2013年5月23~25日、イタリア、ベルナレッジョ、バルトークストゥーディオ
CD5~CD6 ピアッティ
  チェロ・ソナタ第1番ハ長調 Op.28 (1885) 22:43
  チェロ・ソナタ第2番ニ長調 Op.29 (1886) 18:52
  チェロ・ソナタ第3番ヘ長調 Op.30 (1889) 23:02
  チェロ・ソナタ第4番ト長調 Op.31「牧歌的」 (1892) 12:57
  チェロ・ソナタ第5番イ短調 Op.32 (1895) 16:33
  チェロ・ソナタ第6番ホ短調 Op.33 (1896) 14:32
ランベルト・クルトーニ(チェロ)
ジョヴァンニ・ドーリア=ミリエッタ(ピアノ)
録音:2020年10月14~15日、2021年1月8日、6月11日、
イタリア、アルベンガ、パラッツォ・オッド「ヴンダーカマー」
 

 1880年代から1940年代に書かれた知られざるチェロ作品集

 イタリア物にも力を入れるBrilliant Classicsの豊富な音源から、近代イタリア人作曲家によるチェロ・ソナタを中心に集めた6枚組セットが登場。作曲時期はイタリア統一から間もない1880年から、王政崩壊により共和政に移行した直後の1948年までの70年ほど。  19世紀前半に独奏楽器としての地位が確立されたチェロは、その後急速に表現力が発達し、特にイタリアではカンタービレへの希求の強さからチェロの幅広い音域や恵まれた音量が生かされることとなり、さまざまな傑作が登場することになります。

 

95749
(3CD)
\2500

レスリー・ハワード(ピアノ)

 リスト:2台ピアノ編曲集~

フランツ・リスト [1811-1886]

CD1
  ファウスト交響曲(4手・2台ピアノ版) S.647 (1854)

CD2
  ダンテの神曲による交響曲(4手・2台ピアノ版) S.648 (1855-56)

  ラコッツィー行進曲(8手・2台ピアノ版) (1839)
CD3
  ベートーヴェン:交響曲第9番(4手・2台ピアノ版) S.657 
レスリー・ハワード(ピアノ)
マッティア・オメット(ピアノ)
レオノーラ・アルメッリーニ(ピアノ/ラコッツィー行進曲)
イーゴル・ローマ(ピアノ/ラコッツィー行進曲)


録音:2019年4月30日~5月1日、イタリア、パドヴァ、アウディトリウム・ポリーニ(CD1、CD2 tr.1-4)、2023年1月12~14日、イタリア、カンポノガーラ、ザンタ・ショウルーム(CD2 tr.5、CD3)

 ラコッツィー行進曲は8手版!

 リストのスペシャリスト、レスリー・ハワードが、2台ピアノ用の編曲アルバムを制作。シリーズCD100枚に達するリスト全集の偉業によって知られるハワードは、4手ピアノ演奏にも長けており、ここではマッティア・オメットと組んで、2台ピアノならではの音数の多さの魅力を万全の演奏で伝えています。
 「ファウスト交響曲」と「ダンテ交響曲」では別稿のコーダも収録し、リストがこだわりまくっていた「ラコッツィー行進曲」では8手版を選んでいます。また、独奏版と較べて格段に音数の増えた「第9」では、遅いテンポを選んで巨大なピアノ曲として楽しませてくれます。




ファウスト交響曲 S.647


 演奏時間約65分。1854年8月から10月にかけて作曲していったん完成。細部の改訂を進めながら、1857年になると「終末の合唱」を追加して9月に初演。さらに改訂したうえで1861年に出版。翌1962年にはリストは2台ピアノのための編曲もおこなって出版し、オプションで「終末の合唱」を演奏することも可能としていました。今回の演奏ではオプション無しで演奏されており、すっきりしたヴァージョンにふさわしい響きとなっています(CD1 トラック3 16:43~)。リストは晩年の1880年に「終末の合唱」に代わる簡素な終結部を作曲していますが、ここではその2台ピアノ版も収録しています(CD1 トラック4)。
 「ファウスト交響曲」はくどいとかわかりにくいとも言われたりしますが、リスト本来の楽器であるピアノ版だと声部が効果的に整理され、作品の姿が把握しやすくなるというメリットもります。特に「グレートヒェン」の美しさは印象的です。


ダンテ交響曲 S.648


 演奏時間約39分。1855年から1856年にかけて作曲し、2台ピアノ版は1857年に完成。ともに1859年に出版。ダイナミックな「地獄(インフェルノ)」の面白さ、浄化の様子が美しい「煉獄(プルガトリオ)」、そして神聖な「マニフィカト」という構成で、三部形式的な構成や対位法的な要素などが親しみやすく、ピアノ版ではさらにわかりやすくなり、「煉獄」前半が後年の「パルジファル」にどこか似ていることも意識させてくれます。なお、リストは「マニフィカト」を力強く終わらせる別なコーダをピアノ版も含めて用意していたので、ここでも紹介されています。


ラコッツィー行進曲 S.652b


 おなじみのハンガリーの旋律をもとに、リストは長短いくつものピアノ・ヴァージョンやスケッチを遺していますが、ここに収録されたのは2台のピアノを4人で弾く8手版で、10分45秒の長さです。ハワードはハイペリオンの全集シリーズで、8種類に及ぶラコッツィー行進曲をすべてレコーディングしていたので、以下、演奏時間、録音年と共にサール番号順に載せておきます。ちなみにリストはフランス語とドイツ語の話者で、ハンガリー語はほとんど使えなかったのと、当時の表記も考慮して「ラーコーツィ」ではなく「ラコッツィー」としておきます。

S.164f 00:17 (1998)
S.242(13) 06:20 (1993)
S.242a 04:39 (1993)
S.244a(15) 05:57 (1998)
S.244b 10:43 (1998)
S.244c 03:49 (1994)
S.692d 10:48 (1993)
S.695b(7) 05:33 (2001)



ベートーヴェン第9 S.657


 ハワードはハイペリオンの全集シリーズで、第9のピアノ独奏用編曲を1992年にレコーディングしていたので、参考までに演奏時間を載せておきます(第2楽章の反復パターンは同じ)。

1992: 15:34 + 13:49 + 13:58 + 23:29 = 66:50
2023: 17:52 + 17:12 + 15:15 + 25:05 = 75:24

平均すると1割強テンポが遅くなっており、2台ピアノ版の特徴である音数の多さを細部に至るまで楽しめるようになっています。




レスリー・ハワード(ピアノ)


 1948年、メルボルンに誕生。ピアノとオーボエを学び、5歳で人前でピアノを演奏するようになって「ザ・ヘラルド」や「フォックス・ムーヴィートーン・ニュース」で紹介され、9歳でABC(オーストラリア放送協会)のテレビに出演。13歳の時にはラフマニノフのピアノ協奏曲第2番も演奏。その後、イタリアのシエナとイギリスで学び、1972年、24歳からはロンドンを拠点とし、1974年にウィグモア・ホールに初登場。以後、イギリスとオーストラリアを中心にソロと室内楽の両方で活動。
 最初のレコーディングは、1976年7月にABCで収録を開始したパーシー・グレインジャー作品集(豪 EMI、英 World Record Club)ですが、発売は1976年12月のウィグモア・ホールでのグラズノフのライヴ録音(英 Pearl)が先でした。グラズノフは好評で続編制作の運びとなり、1978年12月にウィグモア・ホールで第2弾をライヴ録音(英 Pearl)。そして1980年9月にはアバド指揮ロンドン響の「ペトルーシュカ」録音に参加してもいます(独 DG)。
 1980年10月にhyperionレーベルが新設されると声がかかり、12月にアントン・ルビンシテイン作品集を録音し翌1981年に発売。同年10月には「レア・ピアノ・アンコール集」を録音して1984年に発売。1985年10月にはリストのワルツ集を録音し1986年に発売。
 1986年はリスト没後100年にあたり、ハワードはウィグモア・ホールで全10回のリスト・シリーズ公演を開催。この成功とワルツ集の好調により、1988年からリストのシリーズが継続的に録音されるようになり、2009年にかけてCD99枚から成るリスト全集シリーズを制作し、2017年の「新発見のリスト Vol.4」で計100枚としています。
 CDは、hyperion、Brilliant Classics、Melba Recordings、Pearl、HMV、ABC Classics、Cavendish Music、Compendium Recordings、Deutsche Grammophon、Heritage、Merlin Classics、Musical Heritage Society、Naxos、Nimbusなどから発売。


マッティア・オメット(ピアノ)

 1982年、パドヴァに誕生。ヴェネツィア音楽院でアンナ・バルッティに師事。パリではチッコリーニに師事し、その後アメリカの名手アール・ワイルドにも師事。以後世界各国で演奏しているほか、ウーディネのJ.トマディーニ音楽院とパドヴァのC.ポリーニ音楽院、ヴェネツィアのB.マルチェッロ音楽院で教えてもいます。CDは、Piano Classics、Brilliant Classics、Melba Recordings、Da Vinci Classicsなどから発売。

 

96419
\1800
リュートの黄金時代を彩ったヴェネツィアの知られざる作曲家
 ダ・クレーマ:リュート作品集


ジョヴァンニ・マリア・ダ・クレーマ [1492-1550]

  リチェルカーレ第12番
  リチェルカーレ第8番(第7巻)
  「そして、こんばんは」
  「私の幸せな瞳よ」
  サルタレッロ「エル・マトン」
  リチェルカーレ第15番
  「生きるということは」
  「涙とため息とともに」
  「ラ・ベルトンチーナ~エル・ジョルジョ」
  リチェルカーレ第8番
  リチェルカーレ第9番
  「豊かで満足」
  リチェルカーレ第13番
  「幸せな一日」
  パッサメッゾとボローニャ風サルタレッロ
  リチェルカーレ第5番
  「あなたに仕えるために」
  リチェルカーレ第3番
  「しかし、それはなんですか」
  パッサメッゾとロヴェッタのサルタレッロ
  リチェルカーレ第11番
  私の友人
  リチェルカーレ第3番(第7巻)
  「しかし何ですか」
  リチェルカーレ第6番
  「決して」
  リチェルカーレ第7番
  パッサメッゾとサジナータのサルタレッロ
  リチェルカーレ第1番
  「なんですか」
  リチェルカーレ第5番(第7巻)
  サルタレッロ・ディット・ベル・フィオール

ドメニコ・チェラザーニ(リュート)

録音:2023年2月3~5日、イタリア、モデナ、カーザ・デル・ヴェント

 

 ルネッサンス期にヴェネツィアで活躍したクレーマの作品のコレクション。ガブリエリやモンテヴェルディの100年前、ヴェネツィア共和国はすでに音楽が盛んで、リュート曲集の出版でも競争がおこなわれるほどでしたが、そうした曲集のあちこちに名前が出ていたのがクレーマでもありました。このアルバムでは、学識豊かなイタリアのリュート奏者、チェラザーニがクレーマの曲をセレクトし演奏しているほか、ブックレット(英文)に有益な情報を執筆しています。




ドメニコ・チェラザーニ(リュート)


 1985年、ローマ近郊のアヴェッツァーノに誕生。イタリアで学んだのち、ハノーファー音楽大学でフランク・ブンガルテンに師事し、クラシック・ギターの学位を取得。その間、古楽器にも興味を持ち、パヴィーアのフランコ・ヴィッタディーニ音楽院でマッシモ・ロナルディに師事し、音楽修士号を取得。その後、トロッシンゲン音楽大学でロルフ・リスレヴァントに師事し、2年間の修士課程を修了。ローマ大学では古典文献学の学位を取得し、ベルン大学の博士課程では、17世紀ボローニャのギター音楽に関する論文を執筆していました。
 リュート、テオルボ、バロック・ギターのソロのほか通奏低音奏者としても活動し、フライブルク・バロック管弦楽団、ラ・ヴェネクシアーナ、コンチェルト・ステラ・マトゥーティーナ、カペラ・ディ・サン・ペトロニオなど、国際的に著名なアーティストやアンサンブルで演奏。
 また、イタリア、ドイツ、スイスのさまざまな教育機関で教鞭を執り、現在はペーザロのG.ロッシーニ音楽院でリュートの教授を務めています。
 CDは、Brilliant Classics、Tactusなどから発売。

 

96420
\1800
優秀録音で聴く表情豊かなショスタコーヴィチ

ドミトリー・ショスタコーヴィチ [1906-1975]

  弦楽四重奏曲第10番 Op.118 23:46
  弦楽四重奏曲第11番 Op.122 16:25
  弦楽四重奏曲第12番 Op.133 25:16
ヌース四重奏団
 ティツィアーノ・バヴィエーラ(ヴァイオリン)
 アルベルト・フランキン(ヴァイオリン)
 サラ・ダンブルオーゾ(ヴィオラ)
 トンマーゾ・テジーニ(チェロ)

録音:2021年4月18~21日、イタリア、ベルナレッジョ、バルトークストゥーディオ

 ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲は、冷戦などの影響もあってどこか殺伐とした印象が持たれがちで、直線的な演奏が多かった印象もありますが、演奏や録音の仕方によっては、音楽のイメージはけっこう違ってくることを教えてくれるのがこのヌース四重奏団のアプローチです。ブックレット(英文)の解説には、1965年に亡くなったベートーヴェン四重奏団の第2ヴァイオリン奏者シリンスキーを偲んで第12番冒頭の33小節で第2ヴァイオリンを沈黙させていることなど、有益な情報も記されています。




弦楽四重奏曲第10番、第11番、第12番


 第10番第1楽章冒頭から対話的なカノンもニュアンスに富み、特殊奏法「スル・ポンティチェロ」による刺激的なサウンドも音が良いので独特の美感を示して効果的です(トラック1 02:57~)。ダイナミックな第2楽章では交響曲第10番や第5番、弦楽四重奏曲第8番のパロディ的な引用もちゃんと聴こえてきますし、第3楽章アダージョではパッサカリアの中から弦楽四重奏曲第4番の引用も浮かび上がり、第4楽章では前3楽章の主題を引用しつつ自己を示すDSCH動機も示されています。
 第11番と第12番も同様にディテールにこだわりぬいた表現が印象的で、両曲ともに、引用や凝った技法のほか、美しい場面もたくさんある作品であることがよくわかるたいへん語彙の豊富な演奏となっています。


ヌース四重奏団


 2011年にスイスのルガーノで結成。メンバーは同地のスヴィッツェラ・イタリアーナ音楽院に通うイタリア人たちで、その後、クレモナ四重奏団(クレモナのワルター・シュタウファー音楽院)、ハーゲン四重奏団のライナー・シュミット(バーゼル音楽アカデミー)、アルバン・ベルク四重奏団のギュンター・ピヒラー(シエナのキジアーナ音楽院)、アルテミス四重奏団のハイメ・ミュラー(リューベック音楽大学)らの指導を受け、ヨーロッパ、南北アメリカ、アジアなどで国際的に活動。
 わずか数年で将来有望なグループとしての地位を確立し、2013年と2017年には、ルガーノのティチーノ音楽祭のレジデンス・カルテットに選ばれ、2015年には、イタリアの音楽賞「第34回フランコ・アッビアーティ賞」のピエロ・ファルッリ賞(最優秀新進室内楽グループ)を受賞したほか、ヴェネツィアのフェニーチェ劇場からアルトゥール・ルービンシュタインに関連する賞を受賞。
 CDは、Brilliant Classics、Tactus、Da Vinci、Amadeus、Warner Classicsなどから発売。
 ちなみにグループ名の「ヌース(Nous)」は、古代ギリシャ語で、「知性」や「精神」を表す言葉ですが、「インスピレーション」や「合理性」、「創造性」といった意味も含みます。


 

96774
(2CD)
\2100

ルイ王朝後期のチェンバロ音楽の発展を伝える録音
 ボーヴァルレ=シャルパンティエ:クラヴサン小品集第1巻


ジャン=ジャック・ボーヴァルレ=シャルパンティエ [1734-1794]

CD1
  クラヴサン小品集第1巻
1. 「ラ セシル」アレグロ 6:38
2. 「ラ・デマルニョーラ」 6:03
3. 「ラ・ヌーヴェル」アレグロ 8:03
4. 「ラ・シラン」(アリア) 6:27
5. 「ラ・カスカステル」プレスト 6:47
6. 「ラ・シュザンヌ」アレグロ 2:44
7. 「ラ・レモン」(アリア)アレグロ 8:01
8. 「ラ・ペスタロジ」アンダンテ 5:21

CD2
  クラヴサン小品集第1巻
1. 「ラ・ピトラ」アレグロ 5:50
2. 「ラ・トゥーレット」アレグロ 3:47
3. 「ラ・ブレソル」(アリア) 5:26
4. 「メヌエット I/II」 5:23
5. 「ラ・コレス」アレグロ 7:12
6. 「ラ・モテ」アレグロ 8:32
7. 「ラ・デザヴニエ」アレグロ 3:42
8. 「ラ・ドゥラル」(狩猟) 5:27
フェルナンド・デ・ルーカ(チェンバロ)

録音:2015年1月、ローマ、モンテコンパトリ、アニバルデスキ宮


 知られざる作曲家たちの良作を次々に世に問うフェルナンド・デ・ルーカの最新作は、後期チェンバロ音楽の発達した表現力を伝えるアルバム。
 ここではお気に入りのブランシェ・モデルを使用。
 ブックレット(英語)には、デ・ルーカによるボーヴァルレ=シャルパンティエについての解説が掲載されています。


フランス革命前の数十年間は宝の山


 フランスのチェンバロ(クラヴサン)音楽は、バロック期のものについてはマイナーな作曲家の作品もよく演奏されるようになってきましたが、フランス革命前の数十年間、前古典主義ともいわれる時期の作品についてはまだ知られていない作品が数多く眠っています。


知られざる作曲家


 今回登場する、ジャン=ジャック・ボーヴァルレ=シャルパンティエ[1734-1794]は、幼い頃から音楽を学び、1759年にはパリのコンセール・スピリチュエルで自作を演奏したこともありましたが、1763年にオルガン奏者でオルガン製作者でもあった父が亡くなるとその後を継いでリヨンでオルガン奏者として活動。1771年にはパリのサンポール教会のオルガン奏者となり、1777年にはサンテロワ教会の職も兼任し、1783年にはノートルダム大聖堂でも演奏するようになります。


クラヴサン曲集第1巻


 1770年頃に出版されたこの曲集は、各作品に名前がつけられた16曲の表題的な音楽を集めたものです。自作の協奏曲を演奏するなど「コンセール・スピリチュエル」とも関わりのあったボーヴァルレ=シャルパンティエだけに、ソロとオーケストラを思わせるような厚みのある書法も投入しており、その強弱の使い分け、緩急自在な表現はチェンバロの表現力をフルに引き出したものと言えそうです。


開拓者 フェルナンド・デ・ルーカ


 これまで、フーケ(2CD)、デュフォー(2CD)、ジョラージュ(1CD)、モワロー(7CD)、グラウプナー(14CD)、ニコラ・シレ:クラヴサン曲集(2CD)、ヘンデルなどのマニアックな曲集で高い評価を獲得しています。




  フェルナンド・デ・ルーカ (チェンバロ)

 1961年、ローマで誕生。9歳の時にはすでにバロックのイディオムで作曲をおこなっていたというデ・ルーカは、14歳でローマ・サンタ・チェチーリア音楽院に入学し、オルガンとピアノなどを勉強。続いて、ヴァティカンのシスティーナ礼拝堂のマエストロ・ディ・カペラであるドメニコ・バルトルッチに弟子入りして宗教音楽と対位法、即興演奏、作曲を学び、1992年にはチェンバロをパオラ・ベルナルディに師事。
 その間、1989年には、17世紀後半から18世紀初頭のイタリア音楽を専門とする音楽アンサンブル「Et in Arcadia Ego」を設立するなど、ソリスト、アンサンブル奏者として活動し、最近ではバロック風の衣装で演奏したりもしています。
 CDは、Brilliant Classics、Urania、Da Vinciなどから発売。


 

97005
\1800
テン・ホルト:「蛇行」

シメオン テン ホルト [1923-2012]: 「蛇行」
1. セクション 1 4:36
2. セクション 8 8:30
3. セクション 21 1:50
4. セクション 31 1:06
5. セクション 37 2:35
6. セクション 42 4:47
7. セクション 53 9:21
8. セクション 74 5:58
9. セクション 87 1:41
10. セクション 88 3:29
11. セクション 101 3:04
12. セクション 106 5:49
13. セクション 122 1:10
14. セクション 125 1:49
15. セクション 130 1:23
16. セクション 135 1:20
17. セクション 138 1:59
18. セクション 145 1:13
19. セクション 149 2:01
20. セクション 155 1:56
21. セクション 161 2:27
22. セクション 167 1:42
23. セクション 168 2:42

ポーロ・デ・ハース(ピアノ)
ケース・ウィリンハ(ピアノ)
エレン・ダイクハイゼン(ピアノ)
フレート・オルデンブルフ(ピアノ)


 演奏者裁量の大きなミニマル音楽

 1999年にオランダのNM CLASSICSによって制作されたCDのライセンス発売。テン・ホルトの代表作「カント・オスティナート」の約20年後に書かれた作品。この録音と同じくオルデンブルフが参加したBrilliant Classicsの2005年の録音では16セクション選択で約96分でしたが、ここでは23セクション選択で約72分となっています。


「メアンドル(蛇行)」


 1995年から97年にかけて4台のピアノのために作曲。テン・ホルトの代表作「カント・オスティナート」に較べると、より複雑で半音階的ですが、催眠術的な進行と即興的な自由さは共通しており、繰り返しや強弱、誰がどの音を演奏するかに関して、演奏者にかなりの自由が与えられている点も同じです。
 「蛇行(メアンドル)」というタイトルは、川が低地に流れ込みゆったり曲がりくねる様子を指すもので、低地オランダに数多く存在する見事な美しさで自然の力を示す蛇行を表しています。


シメオン・テン・ホルト

 オネゲルとミヨーに師事したオランダの作曲家、シメオン・テン・ホルト [1923-2012]は、フィリップ・グラスやスティーヴ・ライヒ(ライク)よりも少し年長の世代に属し、若い頃はセリー技法に基づく前衛的な作品なども書いていましたが、後年、ミニマルな作風に移行、ピアノによる反復的なパターンと緩やかな変容が心地よい瞑想的な体験をもたらす音楽などで人気を博していました。


録音:1999年1月15日、オランダ、ユトレヒト、フレデーンブルフ


 

97017
\1800
タルティーニ研究の最新の成果が反映
 タルティーニ:トリオ・ソナタ集

ジュゼッペ・タルティーニ [1692-1770]
  トリオ・ソナタ ト長調 G01 05:59
  トリオ・ソナタ イ長調 A02 04:55
  トリオ・ソナタ ニ長調 D01 10:02
  トリオ・ソナタ イ長調 A06 11:02
  トリオ・ソナタ ニ短調 d01 05:00
  トリオ・ソナタ イ長調 A03 05:52
  トリオ・ソナタ イ短調 a01 07:29
  トリオ・ソナタ イ長調 A01 05:42

録音:2023年3月29~31日、イタリア、ベルナレッジョ、バルトークストゥーディオ

 タルティーニ研究の新たな段階ともいうべきトリオ・ソナタ研究が反映された古楽器演奏による注目盤。ブックレット(英文)にはフアン・マリアーノ・ポルタによる詳細な解説が掲載されています。


トリオ・ソナタ


 37曲も確認されているトリオ・ソナタですが、手稿譜の日付などに問題があることから長年に渡って混乱した状態が続いており、ある程度の秩序がもたらされるようになるのは、2018年から2022年にかけてフアン・マリアーノ・ポルタがおこなった研究によってのことでした。これにより、今後、トリオ・ソナタのクリティカル・エディションが刊行される運びとなります。


最新の研究成果を反映


 今回登場する録音は、事前に提供を受けた資料を用いたもので、タルティーニ研究の最新の成果が反映されたものとして注目されるところです。収録作品はタルティーニ晩年に書かれたトリオ・ソナタ8曲で、これまで未知、あるいはあまり知られていない作品で構成。名技から内容志向に変貌した晩年のタルティーニの音楽を優れた演奏と高音質で楽しめます。


イル・デメトリオ


 2008年にヴァイオリニストのマウリツィオ・スキアーヴォが北イタリアのパヴィーアで創設した古楽器アンサンブル。グループ名は、1773年にパヴィーアで初演されたミスリヴェチェクのオペラ「イル・デメトリパヴィーアするものです。ミスリヴェチェクはモーツァルトが敬愛し、絶大な影響を受けた作曲家でした。






 

97094
\1800

パリで流行したアリアをクラリネットにアレンジ
 ベア:クラリネットとピアノのためのオペラ幻想曲


フリードリヒ・ベア [1794-1838]
 クラリネットとピアノのための作品集(コリントの包囲のみクラリネット2本のための作品)

1.   幻想曲第9番(オベール「ポルティチの物言わぬ娘」のモチーフによる) IFB2 11:19

2.   「ウィリアム・テル」による幻想曲(ロッシーニへのオマージュ) IFB21 8:45

3.   ソロ第1番 10:38

4.   ソロ第3番 10:25

5.   幻想曲第5番(オベール「フラ・ディアボロ」による) IFB23 8:46

6.   ロッシーニ「コリントの包囲」序曲(2本のクラリネットのための編曲) 6:51

7.   指導的変奏曲(カール・シュッテ編曲) 7:24

8.   幻想曲と協奏的変奏曲(ロッシーニ「オリー伯爵」のモチーフによる) IFB11 9:44

ルイージ・マジストレッリ(クラリネット)
クラウディオ・ブラッコ(ピアノ)
ラウラ・マジストレッリ(クラリネット/「コリントの包囲」序曲)

録音:2023年9月6~7日、イタリア、ロンバルディア州チェザーノ・マデルノ、サラ・アウローラ


 珍しいクラリネット・レパートリーに精通した名手マジストレッリが、パリで活躍したドイツ人フリードリヒ・ベアの幻想曲ほかをレコーディング。クラリネットの表現力を十分に生かすために考え抜かれたかなり難しい技術的パッセージを含む選曲基準となっており、中にはクラリネット2本による「コリントの包囲」序曲という変わり種もあります。ブックレット(英文)にはマジストレッリ自身による詳細な解説が掲載されています。





フランスのベア


 フリードリヒ・ベア(Friederich Berr)[1794-1838]は、若い頃にフランスに移り住んでフレデリク(Frederic)と名を変え、吹奏楽団のファゴット奏者を経て、パリ音楽院で作曲とクラリネットを学び、やがてパリ音楽院クラリネット教授となり、パリのオペラのオーケストラではクラリネット奏者フレデリク・ベルとして活動。作品の出版もおこないながら亡くなるまでパリで過ごし、レジオンドヌール勲章まで授与されていますが、ここではドイツ語の方の名前で記載しておきます。ちなみにほぼ同時代に、同じクラリネット奏者兼作曲家として、ヨハン・ヨーゼフ・ベーア(Beer、ベルリンのベーア)[1744-1812]と、フランツ・ヨーゼフ・ベーア(Bahr、Bar、Behr、ウィーンのベーア)[1770-1819]がいて紛らわしくなっていますが、ベアの活動場所はフランスだったので区別は容易です。


万全の選曲


 パリの歌劇場や音楽院で活動していたベアは、同地の名士であるロッシーニの知己を得て、その成功作のアリアなどを編曲したり幻想曲に仕立てたりしますが、同時期に人気を博していたオベールのオペラについても幻想曲を書いています。このアルバムでは、ロッシーニ由来作を3曲、オベール由来作を2曲、自作独奏曲2曲、自作の指導的変奏曲を1曲収録しています。ベアは、2つのクラリネット協奏曲、多数のクラリネット二重奏曲、11のアリア変奏曲、11の独奏曲、28の幻想曲、吹奏楽のための約500の楽曲や編曲を遺しており、このアルバムではマジストレッリが良いものをチョイスして演奏しています。



ルイージ・マジストレッリ(クラリネット)


 1961年、ミラノ近郊のサン・ステファノ・ティチーノに誕生。ミラノ音楽院で学んだのち、ディーター・クレッカー、カール・ライスター、ジュゼッペ ガルバリーノのマスタークラスを受講。
 ジェノヴァとストレーザなどのコンクールで入賞後、イタリア、スイス、マルタ、オーストリア、ベルギー、ユーゴスラヴィア、チェコ、フランス、スペイン、ラトヴィア、リトアニア、ポルトガル、ルーマニア、アフリカ、インド、ドイツ、フィンランド、イスラエル、カナダ、メキシコ、アメリカ、韓国、ロシア、中国、日本など世界各地で活動。国際クラリネット協会のイタリア支部代表を20年以上務めています。
 CDは、Brilliant Classics、Bayer、Talent、Camerata Tokyo、Gallo、Urania、Centaur Records、Da Vinciなどから発売。


クラウディア・ブラッコ(ピアノ)


 ミラノのG.ヴェルディ音楽院でチェンバロを学び、ディプロマを取得。その後、エミリア・ファディーニとアレクサンダー・ロンクイッヒの1年間のクラスを受講し、ポルトグルアーロ大学院国際コースでマリアン・ミカとコスタンティン・ボジーノに師事、ローマのサンタ・チェチーリア国立音楽院ではフェリックス・アーヨに師事して室内楽の学位を取得。その間、数多くの国内外コンクールに参加して入賞。ソロと室内楽の両方で活動し、1994年以来、コーモ音楽院の室内楽教授を務めています。
 CDは、Brilliant Classics、Bayer、Talent、Gallo、Urania、Da Vinciなどから発売。


ラウラ・マジストレッリ(クラリネット/「コリントの包囲」序曲)


 ミラノのG.ヴェルディ音楽院でプリモ・ボラーリにクラリネットを学び、その後、カール・ライスター、ディーター・クレッカー、アントニー・ペイのマスタークラスを受講。
 ソロのほか、室内楽などでも活動し、1994年以来、カンテッリ管弦楽団の首席クラリネット奏者を務め、2009年6月からは団長も兼務。また、ミラノのG.ヴェルディ音楽院でクラリネットの教授を務めてもいます。
 CDは、Brilliant Classics、Bayer、Bongo、Camerata Tokyo、Chandos、Clarinet Classics、Urania、Da Vinciなどから発売。


 

97098
\1800

フリードリヒ大王が信頼したクヴァンツの大型企画が開始!
 ヨハン・ヨアヒム・クヴァンツ [1697-1773]:フルート・ソナタ全集 第1巻

  フルート・ソナタ ロ短調 QV 1:167 
  フルート・ソナタ ホ短調 QV 1:71 
  フルート・ソナタ ト長調 QV 1:112 
  フルート・ソナタ ホ短調 QV 1:76 
  フルート・ソナタ 変ロ長調 QV 1:153 
  フルート・ソナタ ヘ長調 QV 1:87
  フルート・ソナタ ト長調 QV 1:97 
ベネデク・チャログ
 (バロック・フルート/クヴァンツ・モデル/ピエール・エチェゴイェン、ジャン=フランソワ・ボーダン製作)
ドーラ・ペーテリ
 (チェンバロ/ルッカース・モデル/トニー・チネリー製作)


録音:2023年6月13~16日、ハンガリー、ブダペスト、ユニタリアン教会

 バルトルド・クイケンに師事し、数々の権威ある古楽コンクールで優勝したハンガリーのバロック・フルーティスト、ベネデク・チャログが、クヴァンツの200曲に及ぶフルート・ソナタの録音を開始します。クヴァンツが製作した楽器のレプリカを使用し、当時のホールの響き具合にまで配慮した録音です。ブックレット(英文)にはチャログによる有益な解説が掲載されています。




フリードリヒ大王の音楽家


 無類の音楽好きだったフリードリヒ大王が誰よりも信頼した音楽家はヨハン・ヨアヒム・クヴァンツ[1697-1773]でした。クヴァンツはドレスデン時代の1728年、フリードリヒが16歳のときにフルート教師として関わり始め、フリードリヒが即位した翌年の1741年にはプロイセン宮廷入りし、戦時には野営地にまで同行するなどして亡くなるまで32年間に渡って大王に仕えていました。
 約200曲遺されたクヴァンツのフルート・ソナタの多くは、フリードリヒ大王が吹くなり聴くなりすることを前提に書かれたものが大半であったと考えられ、大王自身が優れたアマチュア音楽家でもあったことから、クヴァンツも手を抜くことはできなかったと思われます。


当時の状況を再現


 この大規模プロジェクトを実施するにあたり、なるべく当時の状況に近づけるために、楽器製作者でもあったクヴァンツがつくったフルートのレプリカ(現在より全音低いピッチ)とルッカースのチェンバロを使用し、ポツダムの音楽ホールとサイズ、比率、音響が非常によく似たホールで演奏することを基本としています。


ベネデク・チャログ(バロック・フルート/クヴァンツ・モデル/ピエール・エチェゴイェン、ジャン=フランソワ・ボーダン製作)


 1965年、ブダペストに誕生。5歳からピアノを学び、次にフルートを学び、1981年、16歳からバロック・フルートの演奏を開始し、マーテ・バラース、ミクロシュ・シュパーニ、ペーター・シュッツらと古楽器アンサンブルを結成してバッハの楽曲を演奏。その後、これを核として「コンチェルト・アルモニコ室内オーケストラ」が結成。高校時代、ニコラス・マギーガンとバルトルド・クイケンのコースを受講し、1984年から1987年にかけて、フェレンツ リスト音楽大学で学び、卒業後、ハーグ王立アカデミーでバルトルト・クイケンに師事して1991年にバロック・フルートの資格を取得。1987年からはソロと室内楽の両方で演奏し、ヨーロッパ、日本、南北アメリカ、中東などに登場。
 1995年にオーランドのバロック・フルート・アーティスト・コンペティションで優勝し、1996年にはベルギーのブルッヘ(ブリュージュ)のコンクール・ムジカ・アンティクアでも優勝。兄のガーボル・チャログ[1960- ]はピアニストで作曲家。
 CDは、Brilliant Classics、Hungaroton、Ramee、Do-Laなどから発売。


ドーラ・ペーテリ(チェンバロ/ルッカース・モデル/トニー・チネリー製作)

 1975年、ブダペストに誕生。ベラ・バルトーク中等音楽学校でリラ・サトマーリにオルガンを師事。ブダペストのフェレンツ・リス音楽アカデミーでは、イシュトヴァーン・ルペルトとヤーノシュ・パルールに師事し、オルガンの他に音楽学も学んでいます。ヘルシンキのシベリウス・アカデミーでミクロシュ・シュパーニにクラヴィコード演奏を学び、2006年から2008年にかけてスウェーデンで、ハンス・オラ・エリクソンのコンサート・オルガン・クラスで指導を受けています。ソロと室内楽の両方で演奏活動をおこなうほか、ブダペストのチラゲジ・ルーテル教会のオルガニストを務め、リスト音楽院の教会音楽部門で教えてもいます。


 

97277
\1800
17世紀ローマの世俗カンタータ
 コリスタ:カンタータとアリア集


レーリオ・コリスタ [1629-1680]

  カンタータ「広大なあなたの帝国」(2人のソプラノ、2台のヴァイオリン、通奏低音のための)
1. シンフォニア 1:00
2. 「広大なあなたの帝国」 1:17
3. 「甘いそよ風」 1:56
4. 「だから私の心に波を降らせ、岸から去らせてください」 2:08
5. 「氷のような恐怖」 1:37
6. 「情け容赦のない残酷な怪物たち」 1:11
7. 「ああ、なんと残酷な風だろう」 1:09
8. 「船乗りの叫び声とともに大きくなる波の中で」 1:37
9. 「嵐に遭った舵取りは」 2:01
10. 「海は信頼できない」 2:35
  パオラ・ヴァレンティーナ・モリナーリ(ソプラノ)
  ヨアンナ・クリソフスカ(ソプラノ)

  カンタータ「この人生はいつも戦争中だ」(ソプラノと通奏低音のための)
11.  8:05
  パオラ・ヴァレンティーナ・モリナーリ(ソプラノ)

  カンタータ「愛が報われぬときに告げてください」(3声と通奏低音のための)
12.  7:15
  パオラ・ヴァレンティーナ・モリナーリ(ソプラノ)
  ヨアンナ・クリソフスカ(ソプラノ)
  マッシモ・アルティエーリ(テノール)

  アリア「秘められたため息について嘆いてください」(ソプラノと通奏低音のための)
13.  6:20
  ヨアンナ・クリソフスカ(ソプラノ)

  カンタータ「誘拐されたエウロパ」(ソプラノと通奏低音のための) 
14. 「すでに夜明けだった」 1:04
15. 「穏やかなオーラ」 1:54
16. 「こう言いながら」 2:16
17. 「愚かなエウロパ、そしてあなたは自分を託す」 0:40
18. 「畑を盛り上げる」 0:36
19. 「愚かなエウロパ、恐るるに足らず」 1:55
  パオラ・ヴァレンティーナ・モリナーリ(ソプラノ)

  カンタータ「なんと多くの鎖が」(3声と器楽のための)
20. 「なんと多くの鎖が」 2:04
21. 「多くのものを与えられ」 3:29
22. 「それを楽しみ」 3:13
23. 「しばしば変化する」 4:58
  アンドレス・モンティーヤ=アクレロ(テノール=アルト)
  マッシモ・アルティエーリ(テノール)
  グリエルモ・ブオンサンティ(バス)

アンサンブル・ジャルディーノ・ディ・デリーツィエ
 エヴァ・アンナ・アウグスティノヴィッツ(バロック・ヴァイオリン、芸術監督)
 アンナ・スコルプスカ(バロック・ヴァイオリン)
 ヴァレーリア・ブルネッリ(バロック・チェロ)
 ソフィア・フェッリ(テオルボ、バロック・ギター)
 リリアンナ・スタヴァシュ(チェンバロ)


録音:2023年9月19~21日、イタリア、トレヴィ、聖フランシス教会
楽譜:ロンドン大英図書館、ハーシュ・ライブラリー III.1116(1~10)、パリ国立図書館、初期音楽コレクション Vm.18(11、12、20~23)、ウィーン、オーストリア国立図書館、cod.17-758(13)、ナポリ、聖ピエトロ・ア・マイエッラ音楽院図書館、334-14(14~19)


 2014年にローマで結成された女性だけの古楽器アンサンブル「アンサンブル・ジャルディーノ・ディ・デリーツィエ」は、設立以来、イタリア古楽とポーランド古楽に力を入れて活動し、器楽CDも7枚ほど発表して高い評価を得て来ました。今回は初の声楽で、しかもレーリオ・コリスタというマニアックな選択ですが、彼女たちはすでにコリスタのシンフォニア集を2020年に発表してもいました。初期イタリア・バロックの知られざる作曲家による世俗カンタータは、高笑いがあったり多彩な表情が魅力です。ブックレット(英・伊)にはコリスタと作品についての説明が掲載されています。




初期イタリア・バロックの作曲家


 レーリオ・コリスタは1629年に教皇庁の書記官の子としてローマに誕生。少年時代は聖歌隊に所属していましたが、やがてリュート、テオルボ、ハープ、ギターなどを演奏するようになり、17世紀なかばには「ローマの街のオルフェウス」と呼ばれるまでに成功。ボローニャやフィレンツェの宮廷でも働いた後、ローマに戻り、教皇庁に所属しながら作曲家として活動。1680年に51歳で死去。


親しみやすい世俗カンタータ


 コスタの宗教音楽はすべて失われていますが、10曲の世俗カンタータが現存しており、そのうち6曲がこのアルバムに収録されています。田園や海を背景に、失われた愛や挫折などが描かれる内容で、羊飼いや漁師、羊飼いの娘、雄牛に姿を変えたユピテル、そしてエウロパなどが登場。


アンサンブル・ジャルディーノ・ディ・デリーツィエ


 2014年にポーランド人バロック・ヴァイオリン奏者で音楽学と音楽史にも精通したエヴァ・アンナ・アウグスティノヴィッツによりローマで結成された女性だけの古楽器アンサンブル。設立以来イタリアやポーランドで活動し、声楽との共演も多数。特にローマとポーランドのバロック音楽のレパートリーに重点を置き、忘れられた作曲家の紹介に尽力しています。
 CDは、Brilliant Classics、Da Vinci Classicsなどから発売。

 





(2024年5月 新譜).

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96920
(10CD)
\5700

ジュゼッペ・マルトゥッチ・コレクション10枚組ボックス

 交響曲、ピアノ協奏曲、室内楽、ヴァイオリン曲、チェロ曲、ピアノ曲、歌曲を収録


ジュゼッペ・マルトゥッチ [1856-1909]

CD1

  交響曲第1番ニ短調 Op.75
1. I. アレグロ 11:47
2. II. アンダンテ 8:35
3. III. アレグレット 5:21
4. IV. モッソ ? アレグロ・リゾルート 14:30

5.   ジーグ Op.61 No.3 (オーケストラのための編曲) 4:06

6.   カンツォネッタ Op.65 No.2 (オーケストラのための編曲) 3:29

7.   アンダンテ Op.69 No .2 (チェロとオーケストラのための編曲) 12:18

8.   ノットゥルノ Op.70 No.1 (オーケストラのための編曲) 9:18

アンドレア・ノフェリーニ(チェロ/アンダンテ)
ローマ交響楽団
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指揮)
録音:2007年10月16日、2008年3月16~17日、4月22日、
ローマ、オーディトリアム・コンチリアツィオーネ=オーケストラ・シンフォニカ・ディ・ローマ・スタジオ



CD2

  交響曲第2番ヘ長調 Op.81
1. I. アレグロ・モデラート 15:48
2. II. スケルツォ:アレグロ・ヴィヴァーチェ 6:27
3. III. アダージョ、マ・ノン・トロッポ 12:47
4. IV. アレグロ 10:06

5.   主題と変奏 Op.58 (ピアノとオーケストラのための編曲) 14:22

6.   ガヴォット Op.55 No.2 (オーケストラのための編曲) 4:12

7.   タランテラ Op.44 No. 6 (オーケストラ編曲) 5:53

リア・デ・バルベリース(ピアノ/主題と変奏)
ローマ交響楽団
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指揮)
録音:2007年10月16~20日、2008年3月4日、4月4~5日、
ローマ、オーディトリアム・コンチリアツィオーネ=オーケストラ・シンフォニカ・ディ・ローマ・スタジオ



CD3

  ピアノ協奏曲第1番ニ短調 Op.40
1. I. アレグロ 14:59
2. II. アンダンテ 10:02
3. III. アレグロ 9:27

  「思い出の歌」(声とオーケストラのための編曲)
4. No.1 「いいえ、夢は消えていない」 6:00
5. No.2 「小川は幸せに歌い」 4:46
6. No.3 「エニシダの花」 4:20
7. No.4 「船の上」 2:36
8. No.5 「おぼろげなつぶやきが」 4:21
9. No.6 「鬱蒼とした森、穏やかな木陰へ」 6:36
10. No.7 「いいえ、夢は消えていない」 4:39
ジェズアルド・コッジ(ピアノ/協奏曲)
シルヴィア・パジーニ(メゾ・ソプラノ/歌曲)
ローマ交響楽団
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指揮)
録音:2007年10月16~18日、2008年1月18日、3月2~3日、
ローマ、オーディトリアム・コンチリアツィオーネ=オーケストラ・シンフォニカ・ディ・ローマ・スタジオ



CD4

  ピアノ協奏曲第2番変ロ短調 Op.66
1. I. アレグロ・ジュスト 21:06
2. II. ラルゲット 10:11
3. III.アレグロ・コン・スピーリト 9:51

4.   楽興の時とメヌエット (弦楽オーケストラのための編曲) 8:22

5.   小話 Op.82 No.2 (オーケストラのための編曲) 5:57

6.   セレナータ Op.57 No.2 (オーケストラのための編曲) 4:52

7.   東洋の色彩 Op.44 No.3 (オーケストラのための編曲) 7:51
ジェズアルド・コッジ(ピアノ/協奏曲)
ローマ交響楽団
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指揮)
録音:2007年11月23~26日、2008年5月18~19日、
ローマ、オーディトリアム・コンチリアツィオーネ=オーケストラ・シンフォニカ・ディ・ローマ・スタジオ



CD5

  ピアノ三重奏曲第1番ハ長調 Op.59
1. I. アレグロ・ジュスト 13:42
2. II. スケルツォ (アレグロ・モルト) 7:49
3. III. アンダンテ・コン・モート 9:59
4. IV. フィナーレ (アレグロ・リゾルート) 7:48

  ピアノ五重奏曲ハ長調 Op.45
5. I. アレグロ・ジュスト 11:53
6. II. アンダンテ・コン・モート 12:27
7. III. スケルツォ (アレグロ・ヴィヴァーチェ) 7:06
8. IV. フィナーレ (アレグロ・コン・ブリオ) 6:57

マリア・セメラーロ(ピアノ)
ノフェリーニ四重奏団
ロベルト・ノフェリーニ(第1ヴァイオリン)
フェデリコ・パラヴィチーニ(第2ヴァイオリン)
アンナ・ノフェリーニ(ヴィオラ)
アンドレア・ノフェリーニ(チェロ)
録音:2014年12月19~23日、イタリア、ベルナレッジョ、バルトーク・スタジオ



CD6

  ピアノ三重奏曲第2番変ホ長調 Op.62
1. I. アレグロ 16:28
2. II. スケルツォ (アレグロ・モルト) 10:42
3. III. アダージョ 12:54
4. IV. フィナーレ (アレグロ・ヴィヴァーチェ) 10:16

5.   楽興の時 (アンダンテ・コン・モート) (弦楽四重奏のための編曲) 3:24

6.   メヌエット (アレグロ) (弦楽四重奏のための編曲) 5:19

  G.F.ヘンデルの3つの曲 (弦楽四重奏のための編曲)
7. I. メヌエット (モデラート) 1:58
8. II. ミュゼット(アンダンテ) 1:34
9. III. ガヴォット (アレグロ) 1:32
マリア・セメラーロ(ピアノ)
ノフェリーニ四重奏団
ロベルト・ノフェリーニ(第1ヴァイオリン)
フェデリコ・パラヴィチーニ(第2ヴァイオリン)
アンナ・ノフェリーニ(ヴィオラ)
アンドレア・ノフェリーニ(チェロ)
録音:
2014年12月19~23日、
イタリア、ベルナレッジョ、バルトーク・スタジオ



CD7

  ヴァイオリンとピアノのためのソナタ ト長調 Op.22
1. I. アレグロ・パッショナート 5:36
2. II.アンダンテ・コン・モト 5:50
3. III. アレグロ・モルト 4:41

4.   メロディア・アレグレット 2:56

  ヴァイオリンとピアノのための3つの小品 Op.67
5. I. アンダンティーノ・コン・モート 5:03
6. II. アレグレット 5:06
7. III. アレグロ・パッショナート 4:59

ジョヴァンニ・ズガンバーティ[1841-1914]
  ヴァイオリンとピアノのための2つの小品 Op.24
8. I. アンダンテ カンタービレ 6:27
9. II.セレナータ・ナポレターナ 2:56

10.   ゴンドラの船頭 Op.29 (アンダンティーノ・モッソ) 5:31

ルーカ・ブラーガ(ヴァイオリン)
ルチア・ピッタウ(ピアノ)
録音:2004年6月28、29日、7月2日、クレモナ、ローズ・ホール



CD8

  チェロ・ソナタ嬰ヘ短調 Op.52
1. I. アレグロ・ジュスト 13:10
2. II. スケルツォ:アレグロ・モルト ? トリオ:アレグレット 6:17
3. III. インテルメッツォ:アンダンティーノ・フレービレ 3:51
4. IV. アレグロ 9:00

  3つの小品 Op.69
5. I. モデラート 9:23
6. II. アンダンテ 9:28
7. III. アレグロ 8:53

  2つのロマンツェ Op.72
8. I. アンダンティーノ コン モト 2:50
9. II. モデラート 4:01

  ロマンツァ (メロディア Op.71からの作曲者によるトランスクリプション)
10. アレグレット 3:21

ロベルト・トライニーニ(チェロ)
マッシミリアーノ・フェッラーティ(ピアノ)
録音:
2013年10月10日、ボルツァーノ音楽院、ミケランジェリ・ホール(Op.52)、
2013年12月27、28日、ポーランド、ラドム、
 オスカー・コルベルク音楽学校、ペンデレツキ・ホール(Op.69、72)、
2014年6月1日、パドヴァ音楽院、オーディトリアム(Op.71)



CD9

  6つの小品 Op.44
1. 「カプリッチョ」 アレグロ・リゾルート 2:51
2. 「幻想小曲」 アレグロ 5:56
3. 「東洋の色彩」 テンポ・ディ・マルチャ ? ポーコ・ピウ・モッソ 10:13
4. 「舟歌」 アンダンティーノ・コン・モート ? アニマート 5:14
5. 「ノットゥルノ」 モデラート、マ・ノン・トロッポ 5:12
6. 「タランテラ」 アレグロ・モルト 6:23

7.   ノヴェッラ Op.50 11:16

8.   幻想曲 Op.51 11:59

  2つのノットゥルノ Op.70
9. 第1番 変ト長調. モデラート 5:14
10. 第2番 嬰ヘ短調. アンダンティーノ 5:37

アルベルト・ミオディーニ(ピアノ)
録音:2014年11月16~18日、イタリア、ベルナレッジョ、バルトーク・スタジオ


CD10

  「思い出の歌」 (1887)
1. 「いいえ、夢は消えていない」 4:52
2. 「小川は幸せに歌い」 3:55
3. 「エニシダの花」 3:52
4. 「船の上」 2:18
5. 「おぼろげなつぶやきが」 3:14
6. 「鬱蒼とした森、穏やかな木陰へ」 5:09
7. 「いいえ、夢は消えていない」 3:59

  「散らばったページ」Op.68 (1888)
8. I. 「どれだけの心からの愛情を…」 2:21
9. II. 「天国からいつ来ますか…」 2:49
10. III. 「古い修道院で…」 1: 42
11. IV. 「もしかしたらまた戻ってくるかも?」 1:12
12. V. 「愛、あなたが人生を素晴らしくしてくれる…」 1:33
13. VI. 「あなたにお願いしたいのですが…」 1:40

14.   「愛の夢」 (1888) 3:07

15.   「死の夢」 (1888) 2:32

  3つの小品 Op.84 (1906)
16. 「花祭りの歌」 2:25
17. 「古代の叫び」 2:02
18. 「降雪」 4:10

19.   ロマンツァ (1872) 2:09
キアラステッラ・オノラティ(メゾ・ソプラノ)
ルイーザ・プライエル(ピアノ)
録音:2006年2月、シエナ、サルテアーノ、ラ・リバットーラ


 トスカニーニが好んだイタリアのロマン主義作曲家

 作曲家、ピアニスト、指揮者、教育者として活躍したジュゼッペ・マルトゥッチ[1856-1909]は、イタリア・オペラが強大な勢力をもっていた当時のイタリアにあって、器楽作品や他国作品の紹介に熱心に取り組んでいた人物。レスピーギの師でもあったマルトゥッチは熱烈なワグネリアンでもあり、その作品は19世紀のロマン主義に根差した親しみやすいものとなっています。マルトゥッチは指揮者としてブラームスの交響曲第2番をイタリア初演していたこともあって、「イタリアのブラームス」などと呼ばれたりもしますが、実際にはワーグナーの影響のほうが強く、歌曲集「思い出の歌」など濃密なオーケストレーションが素晴らしく、60年後に書かれた「4つの最後の歌」にも通じる美を堪能することができます。今回のセットでは、「思い出の歌」のピアノ伴奏ヴァージョンも収録し、より歌曲的な雰囲気を味わうこともできます。



CD1~CD4 オーケストラ曲

トスカニーニが好んでいたことでも知られる交響曲とピアノ協奏曲のほか、管弦楽伴奏歌曲集や編曲作品も収録。2007年から2008年にかけて、フランチェスコ・ラ・ヴェッキア指揮ローマ交響楽団によりNaxosがレコーディングした音源。


【交響曲】
  交響曲第1番 Op.75 40:13
  交響曲第2番 Op.81 45:08

【協奏曲】
  ピアノ協奏曲第1番 Op.40 34:28
  ピアノ協奏曲第2番 Op.66  41:08

【管弦楽伴奏歌曲】
  「思い出の歌」(声と管弦楽のための編曲)  33:18

【編曲】
  主題と変奏 Op.58 (ピアノと管弦楽) 14:22
  アンダンテ Op.69-2 (チェロと管弦楽)  12:18
  ノットゥルノ Op.70-1 (管弦楽)  9:18
  楽興の時とメヌエット (弦楽合奏)  8:22
  東洋の色彩 Op.44-3 (管弦楽) 7:51
  小話 Op.82-2 (管弦楽)  5:57
  タランテラ Op.44-6 (管弦楽)  5:53
  セレナータ Op.57-2 (管弦楽)  4:52
  ガヴォット Op.55-2 (管弦楽)  4:12
  ジーグ Op.61-3 (管弦楽) 4:06
  カンツォネッタ Op.65-2 (管弦楽) 3:29
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指揮)
ローマ交響楽団発売。

ジェズアルド・コッジ(ピアノ/ピアノ協奏曲)

シルビア・パジーニ(メゾ・ソプラノ/思い出の歌)


フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指揮)


 1954年、ローマに誕生。27歳でローマ・イスティツィオーネ交響楽団の常任指揮者を務め、2002年にローマ交響楽団の芸術監督兼常任指揮者に就任。これまでに指揮したオーケストラは100を超えています。
 CDは、Naxos、Brilliant Classics、Libera Informazione Editriceなどから発売。


ローマ交響楽団


 2002年に設立。 ローマ交響楽団はローマ芸術アカデミー財団によって2002年に設立された完全私費運営のオーケストラで、イタリア国内の演奏に加え、各国へのツアーや数多くのレコーディングなどでも高い評価を得ていましたが、補助金に頼らない運営のため、財政難に陥った2014年に解散しています。
 CDは、Naxos、Brilliant Classicsなどから発売。



ジェズアルド・コッジ(ピアノ/ピアノ協奏曲)


 1985年、イタリア中部のフロジノーネに誕生。2002年にローマのサンタ・チェチーリア音楽院を卒業後、ロッテルダム音楽院でさらなる研究をおこない、さらにパルマのボーイト音楽院でも学んでいます。イタリア国内のほか、ザルツブルク、ソウル、ジュネーヴ、ロッテルダムなどでも演奏。


シルビア・パジーニ(メゾ・ソプラノ/思い出の歌)


 ローマ生まれ。1991年に歌唱の学位を取得し、その後ローマ・オペラ・プロジェット・ジョヴァーニで学び、シエナのキジアーナ音楽院、オージモ・オペラ・アカデミーなどで研鑽を積んでいます。1996年にカリアリで「秘密の結婚」のフィダルマ役でデビュー。以後、イタリア全土および海外のオペラハウスに出演しています。 CDは、Naxos、Brilliant Classicsなどから発売。



 CD5~CD6 室内楽曲


2014年に、マリア・セメラーロ(ピアノ)とノフェリーニ四重奏団によりBrilliant Classicsがレコーディングした音源。

【大曲】
  ピアノ三重奏曲第1番 Op.59  39:18
  ピアノ三重奏曲第2番 Op.62  50:20
  ピアノ五重奏曲 Op.45  38:23

【編曲】
  メヌエット (アレグロ) (弦楽四重奏) 5:19
  G.F.ヘンデルの3つの曲 (弦楽四重奏) 05:04
  楽興の時 (アンダンテ・コン・モート) (弦楽四重奏) 3:24
マリア・セメラーロ(ピアノ)
ノフェリーニ四重奏団


マリア・セメラーロ(ピアノ)


 ペーザロ音楽院を優秀な成績で卒業後、イモラ・ピアノ・アカデミーでも学位を取得。その間、ヴラジミール・ジャンケレヴィチ[1903-1985]の音楽哲学に関する論文を執筆し哲学の学位も取得したほか、国内外のコンクールで入賞しており、演奏活動もソロと室内楽の両方で開始。
 CDは、Brilliant Classics、Tactus、Velut Luna、Stradivariusなどから発売。


ノフェリーニ四重奏団


 1977年に亡くなったジョルダーノ・ノフェリーニは、ピアニスト、作曲家、指揮者として活躍し、ボローニャのジョヴァンニ・バッティスタ・マルティーニ音楽院の院長でもあった人物。その父ジョルダーノを偲んで、子供のロベルト(第1ヴァイオリン)、アンナ(ヴィオラ)、アンドレア(チェロ)のノフェリーニ3兄弟と、フェデリコ・パラヴィチーニ(第2ヴァイオリン)よって設立されたのが「ノフェリーニ四重奏団」。メンバーは個別の活動もおこなっています。
 CDは、Brilliant Classics、Diapasonなどから発売。



 CD7 ヴァイオリン曲


マルトゥッチのヴァイオリン曲は少ないため、マルトゥッチより15歳年長で、同じく非オペラ系のイタリア人作曲家として活躍したズガンバーティの作品を組み合わせています。2004年に、ルーカ・ブラーガ(ヴァイオリン)と、ルチア・ピッタウ(ピアノ)によりTactusがレコーディングした音源。

  ヴァイオリンとピアノのためのソナタ Op.22 16:07
  メロディア・アレグレット 2:56
  ヴァイオリンとピアノのための3つの小品 Op.67 15:08
  ズガンバーティ:ヴァイオリンとピアノのための2つの小品 Op.24 09:23
  ズガンバーティ:ゴンドラの船頭 Op.29 5:31
ルーカ・ブラーガ(ヴァイオリン)
ルチア・ピッタウ(ピアノ)


ルーカ・ブラーガ&ルチア・ピッタウ


 1990年にヴァイオリンとピアノのデュオの活動を開始。イタリア国内やヨーロッパ各地で演奏したほか、ヴィチェンツァとサッサリの音楽院でも教えていました。レパートリーは古典派から現代作品まで多岐にわたります。
 CDは、Brilliant Classicsなどから発売。



 CD8 チェロ曲


2013年から2014年にかけて、ロベルト・トライニーニ(チェロ)とマッシミリアーノ・フェッラーティ(ピアノ)によりBrilliant Classicsがレコーディングした音源。

  チェロ・ソナタ Op.52 32:18
  3つの小品 Op.69 27:44
  2つのロマンツェ Op.72 06:51
  ロマンツァ (メロディア Op.71からの作曲者によるトランスクリプション) 03:21
ロベルト・トライニーニ(チェロ)
マッシミリアーノ・フェッラーティ(ピアノ)


ロベルト・トライニーニ(チェロ)


 1975年、南イタリアのバーリに誕生。10歳から叔父のサヴェーリオ・ロイアーコノ(元モンテヴィデオ歌劇場管弦楽団首席チェロ奏者)にチェロの指導を受け、バーリのピッチンニ音楽院卒業後は、コンクールや奨学金コンテストで実績を積み、1996年からはスイス、グシュタードのメニューイン音楽アカデミーでラドゥ・アルドゥレスクに師事。1999年にはハンブルク音楽大学で学んで2003年に卒業。  プロになってからは、ソロと室内楽の両方で活動し、バロック・チェロ演奏から現代作品まで幅広いレパートリーを取りあげています。  2012年にボルツァーノのモンテヴェルディ音楽院チェロ科教授に就任し、オスカー・コルベルク音楽大学の客員教授としても活動。2015年にはメキシコシティのフロレンシア芸術アカデミーのチェロ科教授にも就任。


マッシミリアーノ・フェッラーティ(ピアノ)


 1970年、北イタリアのアドリアに誕生。アドリアのA.ブッツォラ音楽院を卒業したのち、ザルツブルクのモーツァルテウムとローマのサンタ・チェチーリア音楽院で学んでいます。モンツァの「リナ・サラ・ガロ国際ピアノコンクール」でグランプリ受賞、テルアビブの「アルトゥール・ルービンシュタイン・ピアノマスターコンクール」で銅メダル、プレトリアの「UNISA国際ピアノコンクール」でも入賞(特別賞)。ヨーロッパ各地のほかオーストラリア、アメリカ、日本でも演奏・審査・教育活動を展開。現在は ヴェローナのF.ダッラーバコ音楽院で教授を務めています。
 CDは、Brilliant Classics、RS、Velut Lunaなどから発売。



 CD9 ピアノ曲

2014年に、アルベルト・ミオディーニ(ピアノ)によりBrilliant Classicsがレコーディング。


  6つの小品 Op.44 35:49
1. 「カプリッチョ」 アレグロ・リゾルート 2:51
2. 「幻想小曲」 アレグロ 5:56
3. 「東洋の色彩」 テンポ・ディ・マルチャ ? ポーコ・ピウ・モッソ 10:13
4. 「舟歌」 アンダンティーノ・コン・モート ? アニマート 5:14
5. 「ノットゥルノ」 モデラート、マ・ノン・トロッポ 5:12
6. 「タランテラ」 アレグロ・モルト 6:23

7.   ノヴェッラ(小話) Op.50 11:16

8.   幻想曲 Op.51 11:59

  2つのノットゥルノ Op.70 10:51
9. 第1番 変ト長調. モデラート 5:14
10. 第2番 嬰ヘ短調. アンダンティーノ 5:37
アルベルト・ミオディーニ(ピアノ)



アルベルト・ミオディーニ(ピアノ)


 北イタリアのパルマに誕生。パルマ音楽院で学んだのち、シエナのキジアーナ音楽院、およびフィエーゾレ音楽院でも研究を継続。1990年からトリオ・ディ・パルマのピアニストを務めていますが、ソリストとしても活動。
 CDは、Brilliant Classics、Concerto Classics、Amadeusなどから発売。



 CD10 歌曲


 2006年にキアラステッラ・オノラティ(メゾ・ソプラノ)とルイーザ・プライエル(ピアノ)によりTactusがレコーディングした音源。

  「思い出の歌」 27:19
  「散らばったページ」Op.68 11:17
  「愛の夢」 (1888) 3:07
  「死の夢」 (1888) 2:32
  3つの小品 Op.84 08:37
  ロマンツァ 2:09
キアラステッラ・オノラティ(メゾ・ソプラノ)
ルイーザ・プライエル(ピアノ)


キアラステッラ・オノラティ(メゾ・ソプラノ)


 ピアニストとして音楽キャリアをスタートし、ソロと室内楽の両方で活動しながらプロの歌手を目指すようになり、1993年に歌手としての資格を取得。マッティア・バッティスティーニやチッタ・ディ・ローマ、サンレモなどで賞を得てオペラと歌曲、宗教音楽の世界にも進出。
 CDは、Brilliant Classics、Fone、Musicaimagine Records、Fonit Cetra、Raitrade、Tactusなどから発売。


ルイーザ・プライエル(ピアノ)


 ローマに誕生。サンタ・チェチーリア音楽院を1982年に卒業し、ザルツブルクのモーツァルテウム大学に進んで1986年に卒業。ソロと室内楽の両方で活動。ここでは1883年製のスタインウェイDを使用しています。
 CDは、Brilliant Classics、Eloquentiaなどから発売。



 

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(2CD)
\2100

ミスリヴェチェク:鍵盤楽曲全集



CD1

チェンバロのための6つのソナタ(手稿譜:レーゲンスブルク宮廷図書館所蔵)

  ソナタ第1番ハ長調
1. アレグロ・コン・スピリト 5:02
2. メヌエット 4:21

  ソナタ第2番ト長調
3. アンダンティーノ 4:10
4. メヌエット 4:13

  ソナタ第3番ロ長調
5. ヴィヴァーチェ 4:42
6. ロンド.アンダンティーノ 4:36

  ソナタ第4番ヘ長調
7. アレグロ・コン・スピーリト 4:43
8. アレグロ 2:36

  ソナタ第5番イ長調
9. アレグロ 5:20
10. メヌエット 3:40

  ソナタ第6番ト長調
11. アレグロ・コン・ブリオ 5:00
12. メヌエット 1:04
13. 第1変奏 1:04
14. 第2変奏 1:01
15. 第3変奏 0:59
16. 第4変奏 0:52
17. 第5変奏 0:58
18. 第6変奏 1:06



CD2

  チェンバロのための6つのディヴェルティメント
 (手稿譜:「ボヘミア人」として知られるジュゼッペ・ミスリヴェチェク氏による作。プラハ、ナーロドニー博物館所蔵)
1. ロンド. アンダンティーノ 2:03
2. アレグレット・ノン・トロッポ・プレスト 2:24
3. メヌエット 2:51
4. ロンドー アンダンティーノ 2:43
5. ロンドー アレグレット 3:19
6. ロンドー アンダンティーノ 3:12
ミスリヴェチェクの管楽八重奏曲からのクラヴィチェンバロまたはフォルテピアノのための編曲(手稿譜:カールスルーエ・バーデン州立図書館所蔵)

  八重奏曲第1番 変ホ長調(ヴァーツラフ・ヴィンチェンツ・マシェク [1755-1831]による編曲)
7. アレグロ・マエストーソ 5:13
8. ラルゲット・ウン・ポコ・ソステヌート 3:44
9. テンポ・ディ・メヌエット 1:24
10. プリモ・アルテルナティーヴォ 2:15
11. セコンド・アルテルナティーヴォ 1:57
12. テルツォ・アルテルナティーヴォ 1:23

  八重奏曲第2番 変ホ長調(ヴァーツラフ・ヴィンチェンツ・マシェク [1755-1831]による編曲)
13. アレグロ・スピリトーゾ 3:42
14. ラルゴ・ソットヴォーチェ 3:31
15. ロンド アレグレット 2:48


マリウス・バルトッチーニ
 (フォルテピアノ)


録音:2022年4月8~10日、イタリア、ウーディネ、コロレド・ディ・プラート、聖コズマ・エ・ダミアーノ教会


 まるでモーツァルト!

 モーツァルト・ファンにはおなじみの作曲家、ヨーゼフ・ミスリヴェチェク[1737-1781] は、ハプスブルク時代のプラハで、製粉業経営の裕福な家庭に誕生。プロの音楽家になってからはイタリアで名声を得て活動拠点もイタリアに置き、亡くなったのもイタリアでした。モーツァルト父子がイタリアに滞在した1770年にはすでに名声のある人物とでしたが交流は続き、モーツァルトと最後に会ったのは病気療養中のミュンヘンでのことでした。翌1778年にはミスリヴェチェクはイタリアに戻って活動を再開。最後のオペラ「アンティゴノス」を初演した10か月後にローマで亡くなっています。

 演奏はフォルテピアノのスペシャリストであるマリウス・バルトッチーニによるもので、使用楽器は名匠ポール・マクナルティ作のアントン・ワルター・モデル。



マリウス・バルトッチーニ (フォルテピアノ)


 1983年生まれ。イタリア北東部、ウーディネのJ.トマディーニ音楽院でマリア・グラツィア・カバイに師事、3年間で最高得票を得て卒業。「ピタゴラスの単和音から現代のピアノまで」という論文を発表してフォルテピアノの修士号も取得したほか、吹奏楽の作曲、楽器演奏、指揮の学位も取得しています。
 イタリア北西部アルベンガ市で開催された第1回フォルテピアノコンクールで第3位に入賞後、さまざまなマスタークラスを受講したのち、フォルテピア奏者、チェンバロ奏者、ピアニスト、指揮者として、イタリアのほか、スロヴェニア、オーストリア、チェコ、ドイツ、ポルトガルなどで活動。2023年2月からはカンポバッソのロレンツォ・ペロージ音楽院で、チェンバロ、歴史的鍵盤楽器、通奏低音の教授を務めてもいます。
 これまでに、ロングマン&ブロデリップ、ヨハン・シャンツ、ルイージ・ホッファー、ジョン・ウォトリン、ヨハン・ハーゼルマン、ルイージ・ラゾーリ、イグナス・プレイエルなどの楽器を演奏。
 CDは、Brilliant Classics、Uraniaなどから発売。

 

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\2100
人気曲「カント・オスティナート」の新たなヴァージョン

シメオン・テン・ホルト [1923-2012]

カント・オスティナート
 1. パート 1 29:59
 2. テーマ (74) 12:11
 3. トランジション (86) 3:37
 4. パート 2B 10:22
 5. テーマ(95) 10:58
 6. コーダ 3:02
アールト・ベルフヴェルフ(オルガン)
エリック・フルイマンス(トランペット)

録音:2023年10月1日、アムステルダム、オルヘルパーク(ライヴ)

 2023年10月1日にアムステルダムでおこなわれたコンサートをライヴ録音したもので臨場感豊かなサウンドが素晴らしく、聴衆の拍手も40秒以上収録。装丁はデジパック仕様です。





オランダ・クラシック界の国民的音楽


 シメオン・テン・ホルト[1923-2012]が1976年に書いた「カント・オスティナート」は、1回または複数回繰り返すことができる106個のリズム要素を提供す作品のため、1時間またはそれ以上の演奏を継続することが可能です。楽器編成も自由度が高く、2台または4台ピアノ版のほか、さまざまなソロやアンサンブルを用いたアレンジによって、ほぼ半世紀もの間、毎年のように演奏がおこなわれてきました。


トランペットとオルガンによるヴァージョン


 このアルバムでは、トランペットによるモノディなメロディラインをオルガンが多彩な音で通奏低音的に支える場面と、オルガンのパワーをフルに使った場面が交錯する進行が印象的で、長大なピアノ・ヴァージョンとはまったく異なる視点から「カント・オスティナート」の楽想に迫っています。


ロッテルダム音楽院出身のベテラン2人による演奏


 トランペットのエリック・フルイマンスは1963年生まれ、オルガンのアールト・ベルフヴェルフは1961年生まれと同世代で、2人ともロッテルダム音楽院の出身。この組み合わせは、近年、毎年のように「カント・オスティナート」を他楽器とのアンサンブルでとりあげてきたオルガニスト、ベルフヴェルフの企画の一環として実現したもので、トランペットとオルガンの相性の良さを改めて証明するものともなっています。




アールト・ベルフヴェルフ (オルガン)


 1961年、ロッテルダムに誕生。ロッテルダム音楽院でオルガン、合唱指揮、教会音楽を学んだのち、ドイツでハラルト・フォーゲルに、パリでマリ・クレール・アランに師事。ハーグ王立音楽院ではオルガン即興演奏の資格も取得。
 1990年からハーグのルーテル教会でオルガニストを務め、1994年からはロッテルダム音楽院でオルガンを教えています。
 ベルフヴェルフは定期的にシメオン・テン・ホルトの「カント・オスティナート」をソロまたはコラボレーションでとりあげており、同曲のスペシャリストとしても有名。
 CDは、Brilliant Classics、Cygnus、Raven Records、Organroxx、Contrapunctus Musicusなどから発売



エリック・フルイマンス (トランペット)


 1963年、ホイゼンに誕生。ロッテルダム音楽院のクラシック音楽科でトランペットの勉強を始めましたが、後にジャズ科に転向し、ジャズ・トランペット奏者として1988年に優秀な成績で卒業。引き続きニューヨークで勉強を継続し、ドナルド・バードに師事。
 ジャズの分野で主に演奏してきたフルイマンスですが、2012年からはクラシックの分野にも進出し、コンサートやレコーディング活動も展開。巧みな即興演奏でも高い評価を得ています。
 CDはジャズは膨大ですが、クラシックは、Brilliant Classics、Channel Classics、Challenge Recordsなどから発売。


 

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\1800

古楽器演奏によるギャラント様式の注目作品群
 ヨハン・ヴィルヘルム・ヘルテル:オーボエ協奏曲集


ヨハン・ヴィルヘルム・ヘルテル [1727-1789]

  オーボエ協奏曲第5番ト短調
1. I. [アレグロ] 9:05
2. II. モルト・アダージョ 5:44
3. III. アレグロ 6:32

  オーボエ協奏曲第6番ト長調
4. I. アレグレット 4:33
5. II. ラルゴ 3:57
6. III. アレグロ・アッサイ 4:15

  オーボエ協奏曲第2番ホ短調
7. I. アレグレット 3:49
8. II. ラルゴ 3:33
9. III. アレグロ・マ・ノン・トロッポ 4:03

  オーボエ協奏曲第7番ト短調
10. I. [アレグロ] 6:59
11. II. アリオーソ・コン・アフェット 4:43
12. III. プレスト 5:38

カタジナ・ピリピウク(バロック・オーボエ、指揮)
アンサンブル・イル・ヴェント
 ズビグニェフ・ピウフ(コンサートマスター)
 エルジビエタ・グルカ(第1ヴァイオリン)
 アンナ・ハラ=ピウロ(第1ヴァイオリン)
 グジェゴシュ・ラーレク(第2ヴァイオリン)
 ナタリア・モスマインスカ(第2ヴァイオリン)
 バルバラ・シュパキエヴィチ(第2ヴァイオリン)
 マウゴルザタ・ムジカ=ゴウォゴルスカ(ヴィオラ)
 ディミトル・オルシェフスキ(ヴィオラ/オーボエ協奏曲第5番)
 コンラート・グルカ(チェロ)
 マレク・レヴァンドフスキ(コントラバス)
 アンナ・フシュツォ(チェンバロ)

録音:2023年3月、ポーランド、クラクフ、モギワ、シトー会修道院


 アルバム冒頭に置かれたオーボエ協奏曲第5番ト短調は、のちのモーツァルトを思わせる魅力的な曲調の作品。

 ヘルテルは1727年にアイゼナハの音楽家の家系に生まれ、15歳の時に父と共に北ドイツのメクレンブルク=シュヴェリーン公国の宮廷で働くようになった音楽家。1789年に61歳で亡くなるまで半世紀近く同地を拠点とし、若い頃にはベルリンなどにもよく出かけて、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハやグラウン兄弟、ベンダ、クヴァンツらと交流して影響を受けてもいました。
 このアルバムでは、ポーランドのバロック・オーボエ奏者、カタジナ・ピリピウクが、同じくポーランドの古楽器団体「アンサンブル・イル・ヴェント」を指揮してパワフルかつ美しい演奏を聴かせています。





  カタジナ・ピリピウク (バロック・オーボエ、指揮)


 ポーランドのバロック・オーボエの名手、マレク・ニエヴィエジャウに師事したのち、オランダの名手、フランク・デ・ブライネの指導を受け、さらにザルツブルクのモーツァルテウムでアルフレッド・ベルナルディーニに師事。
 以後、オーボエ古楽器のスペシャリストとして演奏するほか、研究もおこなって論文も執筆し、演奏家・音楽学者として活動。ポーランドのクラクフにあるクシシュトフ・ペンデレツキ音楽院でバロック・オーボエを教えてもいます。


  アンサンブル・イル・ヴェント


 クシシュトフ ペンデレツキ音楽院に所属する音楽家によって設立。カタジナ・ピリピウクとチェンバロ奏者でフォルテピアノ奏者のアンナ・フシュチョが監督を務めています。ポーランド全土のフェスティヴァルで歴史的な楽器のレパートリーを演奏しています。


 

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ベートーヴェン時代の知られざるドイツ人作曲家によるデュオの世界初録音
 ルイ・マソノー


ルイ・マソノー [1766-1848]

ヴァイオリンとチェロのための3つの協奏的二重奏曲 Op.9
  二重奏曲第1番
1. I. アレグロ・ヴィヴァーチェ 8:26
2. II. アンダンテ・コン・エスプレッシオーネ 6:10
3. III. ロンド・アレグロ・ヴィヴァーチェ 4:21

  二重奏曲第2番
4. I. アレグロ・モデラート 8:50
5. II. アダージョ・ソステヌート 4:49
6. III. 変奏付きアンダンテ 7:19

  二重奏曲第3番
7. I. アレグロ・モデラート 8:12
8. II. 変奏付きアンダンテ 5:06
9. III. アレグレット 2:44
ディラン・バラルディ(ヴァイオリン)
デミアン・バラルディ(チェロ)

録音:2023年1月10日、イタリア、パードヴァ、トレバセレゲ、ザノット・ストゥルメンティ、スタジオ・ロッソ


 ベートーヴェン時代の知られざるドイツ人作曲家によるデュオ作品

 ルイ・マソノー[1766-1848]は、ベートーヴェンと同世代のドイツのヴァイオリニスト兼作曲家。さまざまな宮廷楽団でコンサートマスター職を歴任し、交響曲、オペラ、室内楽なども作曲。ヴァイオリンとチェロのための3つのデュオ・コンチェルタンテは、マソノーがチェリストのマルティン・カルムスと知り合った際に共演用に書いた作品。演奏者の妙技が要求される一方で、豊かな表現力と抒情性にも富んだウィーン古典派風な音楽です。
 演奏は北イタリアのトレントに生まれたデミアンとディランのバラルディ兄弟デュオ。数々の賞を受賞している彼らは、子供の頃から一緒にプレイしていて息もぴったり。イタリア国内のほか、オーストリア、ドイツ、中国、ノルウェー、アメリカなどで活動しています。




フランス名のドイツ人作曲家


 ルイ・マソノー[1766-1848]は、ベートーヴェンと同世代のドイツのヴァイオリニスト兼作曲家。さまざまな宮廷楽団でコンサートマスター職を歴任し、交響曲、オペラ、室内楽なども作曲。ヴァイオリンとチェロのための3つのデュオ・コンチェルタンテは、マソノーがチェリストのマルティン・カルムスと知り合った際に共演用に書いた作品。演奏者の妙技が要求される一方で、豊かな表現力と抒情性にも富んだウィーン古典派風な音楽です。ブックレット(英文)には、ラインハルト・ヴルフホルス博士によるルイ・マソノーについての解説が掲載されています。


トレント出身の兄弟デュオ


 演奏はイタリアのデミアン・バラルディとディラン・バラルディの兄弟デュオ。数々の賞を受賞している彼らは、子供の頃から一緒にプレイしていて息もぴったり。イタリア国内のほか、オーストリア、ドイツ、中国、ノルウェー、アメリカなどで活動しています。



  バラルディ兄弟 (ヴァイオリン、チェロ)


 北イタリアのトレントでイタリア人を父に中国人を母に生まれたデミアンとディランによる兄弟デュオ。数々の賞や賞を受賞している彼らは、子供の頃から一緒にプレイして研究もおこなっており、珍しい音楽の探索もおこなって、常にさまざまなレパートリーに取り組んでいます。
 ディラン・バラルディは、トリノのモラーノが1938年に製作したチェロ、デミアン・バラルディは、トリノのグエッラが1910年に製作したヴァイオリンを使用しています。


 

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壮麗なカヴァイエ=コル・オルガン・サウンドで聴くシャコンヌほかのバッハ名曲
 バッハ・ア・ラ・フランセーズ


ヨハン・ゼバスティアン・バッハ [1685-1750]

1.   シンフォニア(カンタータBWV29より/マルセル・デュプレ編) 4:49

2.   コラール(カンタータBWV147より/モーリス・デュリュフレ編) 2:46

3.   シャコンヌ(無伴奏パルティータ第2番 BWV1004より/アンリ・メセレール編) 16:31

4.   アリア(管弦楽組曲第3番 BWV1068より/オリヴィエ・ペナン編) 4:24

5.   バディネリ(管弦楽組曲第2番 BWV1067より/トーマス・マレー編) 1:39

6.   シシリエンヌ(フルート・ソナタ BWV1031より/オリヴィエ・ペナン編) 2:50

7.   ファンタジア ト長調 BWV572 11:00

8.   おお人よ、汝の大いなる罪を嘆け BWV622 7:34

9.   トッカータとフーガ ニ短調 BWV565 9:55

ボーナストラック
10.   甘き死よ、来たれ BWV478(ヴァージル・フォックス編) 8:50
オリヴィエ・ペナン
(カヴァイエ=コル/ブシェ/ダルガシー・オルガン)

録音:2023年4月4日、5月25日、パリ、サント・クロチルド聖堂


 バッハのオルガン曲3曲と、有名曲からのオルガン編曲7曲を収録。演奏はパリの大型教会、聖クロチルド教会の首席オルガニストを務めるオリヴィエ・ペナンによるものです。かつてセザール・フランクが働いていた同教会のオルガンはカヴァイエ=コルが製作したもので、現在も壮麗なサウンドが維持されています。
 曲目は無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番プレリュードをカンタータ第29番のシンフォニアに編曲したヴァージョンからのオルガン編曲、「主よ人の望みの喜びよ」、無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番のシャコンヌ、G線上のアリア、バディネリ、シシリエンヌと超有名曲が続いたあとは、テンポ指定がフランス語で書かれたファンタジア BWV572、敬虔な「おお人よ、汝の大いなる罪を嘆け」 BWV622、華麗なトッカータとフーガ BWV565、しっとりした「甘き死よ、来たれ」 BWV478が演奏されます。トッカータとフーガ ニ短調はかなり工夫された演奏が面白いです。




聖クロチルド教会の有名なオルガンを使用


 バッハのオルガン曲3曲と、有名曲からのオルガン編曲7曲を収録。演奏はパリの大型教会、聖クロチルド教会の首席オルガニストを務めるオリヴィエ・ペナンによるものです。かつてセザール・フランクが働いていた同教会のオルガンはカヴァイエ=コルが製作したもので、丁寧なレストアを経て現在も壮麗なサウンドを維持。ブックレット(英文)には、演奏者自身による曲目解説が掲載されています。


バッハの超有名曲のトランスクリプションが7曲


 曲目は無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番プレリュードをカンタータ第29番のシンフォニアに編曲したヴァージョンからの編曲、「主よ人の望みの喜びよ」、無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番のシャコンヌ、G線上のアリア、バディネリ、シシリエンヌと超有名曲が続き、最後にしっとりした「甘き死よ、来たれ」BWV478が置かれています。


バッハの有名オルガン曲が3曲

 
テンポ指定がフランス語で書かれたファンタジア BWV572と、敬虔な「おお人よ、汝の大いなる罪を嘆け」 BWV622、そして華麗なトッカータとフーガ BWV565を収録。トッカータとフーガはかなり工夫された演奏が面白いです。



  オリヴィエ・ペナン (オルガン)


 1981年、フランス北西部のカーンに誕生。5歳でピアノを弾き始め、カーンとパリで学び、オルガン賞を獲得した後、2004年にパリの聖クロチルド教会共同オルガニストに選出され、2012年には首席オルガニストに昇格しています。本業のほか、コンサート・オルガニストとしても世界的に活動し、フランスのほか、オランダ、ドイツ、スペイン、イタリア、スロヴェニア、クロアチア、ベルギー、ポーランド、オーストリア、デンマーク、ロシア、メキシコ、日本などで演奏。
 CDは、Brilliant Classics、Bayard Musique、Festivoなどから発売。


 

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17世紀前半の国際都市アムステルダムで奏でられたリュートの音楽

ニコラ・ヴァレ:リュート曲集
ヤーヴォル・ゲノフ(リュート)



ニコラ・ヴァレ [1583-1642]

1.   アヴィニョンのブーレ 1:42
2.   バレエ III 1:32
3.   前奏曲 III 1:01
4.   イタリアのパッセメッツォ 3:24
5.   パッセメッツォのガイヤルド 1:13
6.   パヴァンヌ 5:39
7.   イタリアのパッセメッツォによる幻想曲 3:52
8.   スペイン風サラバンド 0:42
9.   ガイヤルド 1:21
10.   クーラント 1:15
11.   前奏曲 2:57
12.   詩篇 53番 狂気 3:34
13.   マリアの雅歌 2:50
14.   天の父 6:37
15.   前奏曲 I 1:10
16.   イングランドの幸運 1:07
17.   マルシム 1:26
18.   眠れ、甘く眠れ 1:33
19.   バレエ I 1:27
20.   エセックス伯爵のガイヤルド 4:31
21.   ラ・ピッカルド 1:02
22.   ラ・ヴァレット 0:51
23.   若い娘 3:05
24.   スペインのパヴァンヌ 2:27
25.   緑の菩提樹の下で 1:24
26.   村のカリヨン 2:37


ヤーヴォル・ゲノフ(リュート)

録音:2023年1月19~23日、ブルガリア、ソフィア、ANPミュージック・プロダクション





バロック初期のアムステルダムで作曲・演奏されていたリュート音楽の一端を垣間見ることのできるアルバム。多国籍的な曲種に加え、リュートによる詩篇演奏が聴けるのがユニーク。ブックレット(英文)には、演奏者自身によるニコラ・ヴァレについての解説が掲載されています。


ユグノー戦争


 作曲者のニコラ・ヴァレ[c.1583?c.1642]は、フランスで生まれ育ったカルヴァン派の音楽家。ユグノー戦争がカルヴァン派の敗北で終結した1598年にはヴァレはまだ15歳ほどで、その後15年間、カルヴァン派の人々は不自由な生活を強いられるものの、若いヴァレはなんとかフランスで生き延びていました。


オランダ独立戦争


 一方、隣接するフランドルでは、カトリックのスペイン王国による圧政が引き起こした80年戦争(オランダ独立戦争)が進行中で、プロテスタントが完全に優位となっていた休戦時期(1609~1621)の1613年にヴァレはオランダに移住する道を選んでいます。



国際都市アムステルダムで亡くなるまで生活


 1621年にはスペインによるフランドル攻撃が再開されますが、人口10万人近いアムステルダムは金融・交易の要衝ともなっていたことから平和が維持され、ヴァレも音楽や踊りを教えて生計を立てたほか、3人のイギリス人音楽家と組んでさまざまな演奏活動も展開。また、ジュネーヴ詩篇に含まれるカルヴァン派の詩篇をリュートで演奏するなどして独自の領域を開拓してもいます。オランダ移住後は約30年間アムステルダムを拠点として暮らし、楽譜の出版もオランダでおこなっていますが、その際の言語はフランス語とラテン語でした。


リンドベリに師事したブルガリアのゲノフ


 演奏は高名なヤコブ・リンドベリからリュートと通奏低音を学んだブルガリア出身のリュート奏者で音楽学者のヤーヴォル・ゲノフ。ここでは、ガット弦10コースのリュートを、415Hzのピッチで演奏しています。



ヤーヴォル・ゲノフ (リュート)


 ヤーヴォル・ゲノフは、エマ・カークビー、ヌーリア・リアル、アンドルー・ローレンス=キング、ラース・ウルリク・モーテンセンといった有名音楽家と共演経験があるブルガリア出身のリュート奏者で通奏低音奏者、音楽学者。
 CDは、Brilliant Classicsから発売。

 

95481
(3CD)
\2500


多分野に想を得たギター音楽
アルフレード・フランコ [1967- ] ギターのための音楽

CD1
1.   白く染まった九月の空 8:02

2.   ある夜の物語 6:04

3.   短いエレジー 2:20

  アルファベット順ポートレート
4. I. シベリウス 2:02
5. II. ブリテン 1:42
6. III. ショスタコーヴィチ 2:01
7. IV. モンポウ 3:07
8. V. モッソ(カルロ・モッソ) 2:10
9. Ⅵ. カゼッラ 2:17
10. Ⅶ. マルタン 1:38

11.   ブラック・ロッジの思い出 ~ デヴィッド・リンチへのオマージュ 4:46

12.   ファンタジア第6番 6:13

  心地よい小品
13. I. アダージョ 0:51
14. II. 忘れられた小さなワルツ 0:37
15. III. アダージェット 0:55
16. IV. アダージェット・ヴァポローゾ 1:11
17. V. アダージェット 1:20
18. Ⅵ. 忘れられた小さなワルツ 0:32
19. Ⅶ. アダージョ 0:56
20. Ⅷ. アダジッシモ 1:09
21. IX. アダージョ・エレジアコ 1:08

22.   ファンタジア第7番 2:36

23.   森の中のフルート ~ グラツィア・デレッダへのオマージュ 12:43


CD2
1.   無常 ~ チャーリー・ウォッツのトンボー(墓) 5:37

2.   闇の女王(グラツィア・デレッダの物語) 10:33

3.   静寂のギター ~ フェデリコ・モンポウへのオマージュ 10:11

4.   4月の手帳 11:42

5.   ゴヤの絵を見ながら 7:46

6.   分離 6:51

7.   マイクロ組曲 5:17

8.   機械的小組曲 3:14

  7つの前奏曲
9. I. アダージョ 1:04
10. II. アレグレット・コン・スピーリト 0:48
11. III. カンタービレ 1:46
12. IV. アダージョ 1:10
13. V.ウンポ:グロテスコ 0:35
14. Ⅵ. アッラ・リメンブランサ 1:05
15. Ⅶ. ヴィーヴォ 1:03


CD3
  7つの格言
1. I. ディステーゾ 1:10
2. II. レッジェーロ 0:55
3. III. エテーレオ 1:03
4. IV. レント 0:42
5. V. レッジェーロ 0:51
6. Ⅵ. エテーレオ 1:08
7. VII. ディステーゾ 1:14

  秋のソナチネ
8. I. アンダンティーノ 3:02
9. II. ラルゲット 3:15
10. III. アレグレット 3:02

  夏のソナチネ
11. I. アレグレット・レッジェーロ 4:10
12. II. バルカローラ 3:45
13. III. アレグレット 3:40

14.   タッレギアーナ 9:13

15.   エレジア 6:53

16.   11月 ~ 憂鬱の解剖学 6:21

  トリッティコ・デル・ヴェルソ・アグロ
17. I. サトゥラ 1:45
18. II. レクエルドス・デ・レクエルドス 1:59
19. III. ユー 3:18

20.   ウィンターガーデン 7:57
クリスティアーノ・ポルケッドゥ(ギター)

録音: 2023年1月14日~6月13日、イタリア、サルデーニャ、ヌーオロ、孤独の教会





ギタリストから専業作曲家に転身


 アルフレード・フランコは1967年に北イタリアのトリノに生まれた作曲家。最初はギタリスト兼作曲家として活動していましたが、やがて作曲に集中するため演奏活動を停止。以後、ジャズやフォーク、ミニマル ミュージックの影響を受けながらも独自の語法を追求。シベリウス、ブリテン、ショスタコーヴィチ、モンポウなどを描いた「アルファベット順ポートレート」や、「ブラック・ロッジの思い出~デヴィッド・リンチへのオマージュ」、「マイクロ組曲」、「機械的小組曲」、「無常 ~ チャーリー・ウォッツのトンボー(墓)」などこれまでにいくつもの作品を出版し、高い評価を得てもいます。


現代作品のスペシャリストによる演奏


 演奏はサルデーニャ島出身の作曲家兼ギタリストのクリスティアーノ・ポルケッドゥ。これまでにバリオスの全集(6CD)、アンジェロ・ジラルディーノの全集(14CD)、20世紀ギター・ソナタ集(5CD)、フランコカ・ヴァローネの曲集(4CD)など制作してきた現代ギター作品の擁護者。ブックレット(英語・イタリア語)には各作品の解説も掲載。



クリスティアーノ・ポルケッドゥ (ギター)


 1975年、イタリア、サルデーニャ島のヌーオロに誕生。幼少期から父サルヴァトーレの指導を受け、イタリアのさまざまな音楽院に通ったのち、ロレンツォ・ペロージ・アカデミーでアンジェロ・ジラルディーノに20世紀と現代のレパートリーについて指導を受けます。国際的なコンクールでの入賞を経て、1997年にプロとしての演奏活動を開始してヨーロッパとアメリカで演奏。
 CDは、Brilliant Classics、Da Vinciなどから発売。


 

90015
(LP)
\3900
ヤン・ティルセン:アイランド

ヤン・ティルセン [1970- ]
サイドA
  「ウーザ」 (2016)より
1. ペルン
2. ポルツ・ゴレ
3. ロック・グウェルタズ
4. エネズ・ナイン

  「ケルベル」 (2001)より
5. ケルラン
6. アル・マナー・コジ
サイドB
1. ケル・イェグ
2. ケルドラル
3. ケル・アル・ロク
4. ケルベル

イェローン・ファン・フェーン(ピアノ)

 180グラム重量盤LP

録音:2022年6月22~23日、ドイツ、シュテフェルン、スタジオ IV

 フランスの作曲家ヤン・ティルセン[1970-]は、大ヒット映画「アメリ」の音楽で世界的にブレイクし、その後「グッバイ、レーニン!」もヒットしたことで一躍有名になった作曲家。ティルセンの活動領域は映画音楽にとどまらず、自分の住む小さな島「ウーザ」の音楽や、その島にある小さな礼拝堂「ケルベル」を描いたりもしています。そこでの音楽は感情が豊かで哀愁が漂い、民族音楽、シャンソン、ミュゼット・ワルツ、ストリート・ミュージック、サティ、グラス、ナイマンなどの影響が見て取れます。
 演奏はオランダのピアニストでミニマリズムのスペシャリスト、イェローン・ファン・フェーンによるもので、静謐で深い眠りに誘うかのような効果をもたらします。



 




(2024年4月 新譜).

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97308
(9CD)
\5500
室内オーケストラによるモーツァルト・ボックス
 モーツァルト:ディヴェルティメント&セレナーデ全集

CD1
ディヴェルティメント ニ長調 K136
 1 I. アレグロ 5:34
 2 II. アンダンテ 5:07
 3 III. プレスト 3:40

ディヴェルティメント 変ロ長調 K137
 4 I. アンダンテ 3:36
 5 II. アレグロ・ディ・モルト 3:13
 6 III. アレグロ・アッサイ 2:49

ディヴェルティメント ヘ長調 K138
 7 I. アレグロ 3:26
 8 II. アンダンテ 4:59
 9 III. プレスト 1:55

ディヴェルティメント ニ長調 K334
 10 I. アレグロ 6:38
 11 II. アンダンテ 8:11
 12 III. メヌエット 3:21
 13 IV. アダージョ 4:38
 14 V. メヌエット 6:39
 15 VI. ロンド:アレグロ 5:57
マンハイム室内管弦楽団
オルガ・ノーデル(ヴァイオリン)
フローリアン・ヘイエリック(指揮)

録音:2002年6月、
ドイツ、シュヴェツィンゲン、ザンクト・マリア
CD2
4つのオーケストラのためのノットゥルノ ニ長調 K286
 1 I. アンダンテ 5:18
 2 II. アレグレット・グラツィオーゾ 2:20
 3 III. メヌエット 5:08

音楽の冗談 ヘ長調 K522 (村の音楽家の六重奏)
 4 I. アレグロ 3:46
 5 II. メヌエット 5:01
 6 III. アダージョ・カンタービレ 6:06
 7 IV. プレスト 3:56

セレナーデト長調 K525 「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
 8 I. アレグロ 5:16
 9 II. ロマンス:アンダンテ 4:36
 10 III. メヌエット 1:41
 11 IV. ロンド:アレグロ 3:56
マンハイム室内管弦楽団
フローリアン・ヘイエリック(指揮)

録音:2002年7月、
ドイツ、シュヴェツィンゲン、ザンクト・マリア
CD3
カッサシオン ト長調 K63 (終業式用音楽)
 1 I. 行進曲 2:59
 2 II. アレグロ 3:25
 3 III. アンダンテ 3:33
 4 IV. メヌエット 3:02
 5 V. アダージョ 5:09
 6 VI. メヌエット 2:51
 7 VII. フィナーレ:アレグロ・アッサイ 1:48

カッサシオン 変ロ長調 K99
 8 I. 行進曲 2:37
 9 II. アレグロ・モデラート 3:13
 10 III. アンダンテ 3:21
 11 IV. メヌエット 2:06
 12 V. アンダンテ 2:18
 13 VI. メヌエット 1:56
 14 VII. アレグロ 5:51
マンハイム室内管弦楽団
フローリアン・ヘイエリック(指揮)

録音:2002年7月、
ドイツ、シュヴェツィンゲン、ザンクト・マリア(K63 & 99)
ディヴェルティメント ニ長調 K251
 15 I. モルト・アレグロ 6:15
 16 II. メヌエット 3:47
 17 III. アンダンティーノ 3:04
 18 IV. メヌエット(主題と変奏) 4:19
 19 V. ロンドー:アレグロ・アッサイ 5:32
 20 VI. フランス行進曲 1:58
ノイエス・バッハ・コレギウム・ムジクム
ブルクハルト・グレッツナー(指揮)

録音:1989年ライプツィヒ(K251)

CD4
ディヴェルティメント ニ長調 K205
 1 I. ラルゴ 4:48
 2 II. メヌエット 2:40
 3 III. メヌエット 2:39
 4 IV. アダージョ 3:43
 5 V. フィナーレ:プレスト 3:28

ディヴェルティメント 変ホ長調 K113
 6 I. アレグロ 4:13
 7 II. アンダンテ 3:46
 8 III. メヌエット 1:52
 9 IV. アレグロ 3:26

ディヴェルティメント ニ長調 K131
 10 I. アレグロ 5:15
 11 II. アダージョ 4:46
 12 III. メヌエット 5:29
 13 IV. アレグレット 2:53
 14 V. メヌエット 3:57
 15 VI. アダージョ 1:02
 16 VII. アレグロ・アッサイ 5:19
マンハイム室内管弦楽団
イエジー・マラート(指揮)

 録音:2002年6月、
ドイツ、シュヴェツィンゲン、ザンクト・マリア
CD5
セレナーデ ニ長調 K100
 1 I. アレグロ 4:12
 2 II. アンダンテ 4:36 
 3 III. メヌエット 2:36
 4 IV. アレグロ 3:01
 5 V. メヌエット 2:22
 6 VI. アンダンテ 2:56
 7 VII. メヌエット 2:04
 8 VIII. アレグロ 2:34

セレナーデ ニ長調 K204
 9 I. アレグロ・アッサイ 4:21
 10 II. アンダンテ・モデラート 6:00
 11 III. アレグロ 5:35
 12 IV. メヌエット~トリオ 2:59
 13 V. アンダンテ 3:23
 14 VI. メヌエット~トリオ 3:34
 15 VII. アンダンティーノ・グラツィオーソ~アレグロ 4:42

マンハイム室内管弦楽団
オルガ・ノーデル(ヴァイオリン)
イエジー・マラート(指揮)

録音:2002年6月、
ドイツ、シュヴェツィンゲン、ザンクト・マリア
CD6
ディヴェルティメント ヘ長調 K247
ロドロン・ナイト・ミュージック No.1:
 1 I. アレグロ 8:00
 2 II. アンダンテ・グラツィオーソ 4:00
 3 III. メヌエット 4:05
 4 IV. アダージョ 7:05
 5 V. メヌエット 3:04
 6 VI. アンダンテ~アレグロ・アッサイ 5:33

ディヴェルティメント 変ロ長調 K287
ロドロン・ナイト・ミュージック 第2番
 7 I. アレグロ 8:41
 8 II. 変奏曲 7:26
 9 III. メヌエット 3:08
 10 IV. アダージョ 7:11
 11 V. メヌエット 3:55
 12 VI. アンダンテ~アレグロ・モルト 7:27
 
チェコ室内フィルハーモニー管弦楽団
ヴァハン・マルディロシアン(指揮)

録音:2023年4月20日、
チェコ、パルドゥビツェ、音楽の家スーク・ホール
CD7
ノットゥルノ ニ長調 K239
 1 I. 行進曲:マエストーソ 4:16
 2 II. メヌエット 3:59
 3 III. ロンド:アレグロ 4:24
アマティ室内管弦楽団
ギル・シャロン(指揮)

録音:1998年4月、オランダ、ローンの教会(K239)
セレナーデ ニ長調 K320 「ポストホルン」
 4 I. アダージョ・マエストーソ~アレグロ・コン・スピリト 7:57
 5 II. メヌエット:アレグレット~トリオ 3:48
 6 III. コンチェルタンテ:アンダンテ・グラツィオーソ 7:54
 7 IV. ロンドー:アレグロ・マ・ノン・トロッポ 6:04
 8 V. アンダンティーノ 6:27
 9 VI. メヌエット~トリオ1&2 8:11
 10 VII. フィナーレ:プレスト 1:33

クォドリベット「ガリマティアス・ムジクム」 K32
 11 第1曲 モルト・アレグロ 0:33
 12 第2曲 アンダンテ 1:07
 13 第4曲 アレグロ・フィナーレ 1:32
 14 第5番 パストレッラ 0:37
 15 第6番 アレグロ - 第7番 アレグレット 0:36
 16 第8番 アレグロ 0:38
 17 第9番 モルト・アダージョ 0:45
 18 第10番 アレグロ 0:21
 19 第11番 ラルゴ - 第12番 モルト・アレグロ 2:16
 20 第13番 アンダンテ - 第14番 アレグロ 0:55
 21 第15番 メヌエット 1:08
 22 第16番 アダージョ - 第17番 プレスト 0:29
 23 第18番 フーガ 3:05
チェコ室内フィルハーモニー管弦楽団
ヴァハン・マルディロシアン(指揮)

録音:2023年4月19日、
チェコ、パルドゥビツェ、音楽の家スーク・ホール(K32、K320)

 
CD8
セレナーデニ長調 K250「ハフナー」
 1 I. アレグロ・マエストーソ~アレグロ・モルト 7:35
 2 II. アンダンテ 9:57
 3 III. メヌエット 4:12
 4 IV. ロンド:アレグロ 8:16
 5 V. メヌエット・ガランタ 6:37
 6 VI. アンダンテ 8:47
 7 VII. メヌエット 5:41
 8 VIII. アダージョ~アレグロ・アッサイ 6:27
 
アマティ室内管弦楽団
ギル・シャロン(ヴァイオリン&コンサートマスター)

録音:1999年5月、オランダ、マーストリヒト
CD9
セレナーデ ニ長調 K185
 1 I. アレグロ・アッサイ 8:32
 2 II. アンダンテ 8:38
 3 III. アレグロ 2:46
 4 IV. メヌエット 2:54
 5 V. アンダンテ・グラツィオーソ 8:11
 6 VI. メヌエット 4:38
 7 VII. アダージョ~アレグロ・アッサイ 6:01
チェコ室内フィルハーモニー管弦楽団
ヴァハン・マルディロシアン(指揮)

録音:2023年7月、
チェコ、パルドゥビツェ音楽院スーク・ホール(K185)
セレナーデ ニ長調 K203
 8 I. アンダンテ・マエストーソ~アレグロ・アッサイ 4:35
 9 II. アンダンテ 4:55
 10 III. メヌエット 2:43
 11 IV. アレグロ 4:29
 12 V. メヌエット 3:13
 13 VI. アンダンテ 4:39
 14 VII. メヌエット 4:10
 15 VIII. プレスティッシモ 3:47
アマティ室内管弦楽団
ギル・シャロン(ヴァイオリン&コンサートマスター)

録音:1996年、オランダ、ケルクラーデ(K203)


 室内オーケストラによる小気味よいモーツァルト・ボックス

 モーツァルトのセレナーデやディヴェルティメントの演奏では、軽快さや切れの良さが求められることが多いですが、その点、このセットはCD1のディヴェルティメントK136から絶好調。ほかのCDもすべて心地良い仕上がりで、BGMとして使っても実に快適です。

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フローリアン・ヘイエリック(指揮)マンハイム室内管弦楽団 (CD1・CD2・CD3)


フローリアン・ヘイエリック

 1958年、ベルギーのオランダ語圏ヘントに誕生。ヘント、ブリュッセル、レウフェンで学び、リコーダー、フルート、室内楽の部門で一等賞を受賞したほか、ヘント大学で音楽学の学位も取得。ヘント王立音楽院で合唱指揮と古楽解釈の教授を務めながら、演奏活動も増やし、声楽アンサンブル「エクス・テンポレ」を設立内外各地のオーケストラへの客演もおこなうようになり、2002年にはドイツのマンハイム室内管弦楽団の首席指揮者に任命。
 CDは、Brilliant Classics、Rene Gailly、Carus、Etcetera、Editions De L'Oiseau-Lyre、Klara、Ricercar、Stichting Stabat Mater、cpoなどから発売。

マンハイム・プファルツ選帝侯室内管弦楽団

 1952年に設立。マンハイム室内管弦楽団とも表記。18世紀に盛んだったマンハイム楽派の作品を紹介する目的で、当時のプファルツ選帝侯の宮廷楽団にあやかって命名された室内オーケストラ。
 CDは、Brilliant Classics、SagaPan、Musica Rara、Oryx、RBM、Tonstudio H. Scherer、Saphir、Murawski-Zimmermann Verlag、Mediaphon、Arte Nova、Koch Schwann、cpo、Carus、Oehms、Ars Produktion、Mirare、Boehringer、Concorde、Unisonoなどから発売。

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ブルクハルト・グレッツナー(指揮)ノイエス・バッハ・コレギウム・ムジクム (CD3)

ブルクハルト・グレッツナー

 ドイツ屈指のオーボエ奏者で指揮者。ノイエス・バッハ・コレギウム・ムジクムは、バッハの音楽を専門とするアンサンブル。
 グレッツナーは幼少期からリコーダーとピアノを学び、十代なかばでオーボエに転向。ベルリンのドイツ音楽アカデミーでハンス・ヴェルナー・ヴェツィヒに師事し、1963年にドイツ民主共和国大学管楽器コンクールで優勝。1965年に国家試験に合格し、1年間ベルリン音楽アカデミーの研修生として勉強。
 1966年から1982年まで16年間、ライプツィヒ放送交響楽団の首席オーボエ奏者を務め、ヘルベルト・ケーゲルらの演奏を支えます。その間、1969年からはフェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディ音楽大学でオーボエを教え始め、1982年には教授に就任。1992年にはベルリン芸術大学のオーボエ科教授に就任。
 幅広いレパートリーの持ち主で、現代作品の初演曲は100を超えています。バロックにも早くから熱心に取り組み、1983年には、「イ・ソリスティ・インストゥルメンタリ・ライプツィヒ」を結成。1988年から2003年まで室内オーケストラ「ノイエス・バッハ・コレギウム・ムジクム」の音楽監督も務めていました。

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イエジー・マラート(指揮)マンハイム室内管弦楽団 (CD4・CD5)
イエジー・マラート

 1953年、チェコに誕生。プラハ音楽院でヴィオラを学び、プラハ芸術アカデミーでノイマンに指揮法を師事。1980年から指揮者としての活動を開始し、1981年からピルゼン歌劇場管弦楽団、その後、ピルゼン放送交響楽団、オストラヴァ・フィルハーモニー管弦楽団を指揮。1988年にプラハ国民劇場、1989年から1992年までプルゼニ放送交響楽団を指揮。1992年から2002年まで、ドイツのマンハイム・プファルツ選帝侯室内管弦楽団の首席指揮者を務め、2004年から2013年まではドイツのグライツ・ライヘンバッハ・フォークトラント・フィルハーモニー管弦楽団、2005年から2008年にかけてはピルゼン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮。さらに、2003年からはケルン放送交響楽団の客演指揮者を務めてもいました。 マラットの最も注目すべき録音は、マンハイム楽派の作曲家とクルプファルツ室内管弦楽団との作品です。
 CDは、Brilliant Classics、Centaur、Arte Nova、Koch Schwann、Bayer、Challenge Classics、Supraphon、Music Vars、Excelsiorなどから発売。

マンハイム・プファルツ選帝侯室内管弦楽団

 1952年に設立。マンハイム室内管弦楽団とも表記。18世紀に盛んだったマンハイム楽派の作品を紹介する目的で、当時のプファルツ選帝侯の宮廷楽団にあやかって命名された室内オーケストラ。
 CDは、Brilliant Classics、SagaPan、Musica Rara、Oryx、RBM、Tonstudio H. Scherer、Saphir、Murawski-Zimmermann Verlag、Mediaphon、Arte Nova、Koch Schwann、cpo、Carus、Oehms、Ars Produktion、Mirare、Boehringer、Concorde、Unisonoなどから発売。

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ヴァハン・マルディロシアン(指揮)チェコ室内フィルハーモニー管弦楽団 (CD6・CD7・CD9)

ヴァハン・マルディロシアン

 1975年、アルメニアのエレヴァンに誕生。1993年にパリに移住。1996年にパリ音楽院を優秀な成績で卒業。指揮者、ピアノ・ソリストとして活躍。長年、フランスのカーン交響楽団の首席指揮者、アルメニア国立室内管弦楽団の音楽監督を務め、2019年より香港室内管弦楽団の首席指揮者を務めています。マルディロシアンは、ヨーロッパとアジアで定期的に客演指揮者として招かれており、これまでに、プラハ放送響、ロワール国立管、アルメニア・フィル、プラハ・フィル、チェコ室内管、レバノン・フィル、アマルガム管、トゥーロン歌劇場管、ノヴォシビリスク・フィル、東京フィル、N響、日本フィル、ブルガリア国立管、ウクライナ国立フィル、関西フィル、ロシア・フィル、新日本フィル、九州響などを指揮。2017年にはピアニストとしてカーネギー・ホールでピアノリサイタルを開催。
 CDは、Brilliant Classics、Intrada、Transart、Skarbo、Warner、Cypres、Quadrigaなどから発売。

チェコ室内フィル

 1969年、プラハ近郊のパルドゥビツェで東ボヘミア州立室内管弦楽団として設立。初代首席指揮者はリボル・ペシェク。2018年9月からは、スタニスワフ・ヴァヴジネクが首席指揮者を務めています。
 CDは、Brilliant Classics、Supraphon、MD+G、Canyon、Classico、Marco Polo、Albany、Arco Diva、Naxos、Centaur、NCA、Pantonなどから発売。
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ギル・シャロン(指揮)アマティ室内管弦楽団 (CD7・CD8・CD9)

ギル・シャロン

 ルーマニアのブカレストに誕生。ブカレストでヴァイオリンの勉強を始めますが、すぐにイスラエルに移住。1961年からテルマ・イェリン・スクールで勉強し、1965年からテルアヴィヴ大学ルービン・アカデミーで学び1969年に卒業。その間、イスラエル陸軍弦楽四重奏団を創設し、イスラエル全土で頻繁にコンサートを開催し、ダーヴィト賞を受賞。1971年にはオランダに移住。同年、ロンドンで開催されたエミリー・アンダーソン国際ヴァイオリン・コンクールで優勝。
 同年、マーストリヒトのリンブルフ交響楽団のコンサートマスターに就任し、2011年まで40年間在籍。バルセロナ交響楽団とイスラエル室内管弦楽団のゲスト・コンサートマスターを務めたほか、ソリスト、楽団員、弦楽四重奏団員、指揮者としても国際的に活動。1997年には長年の功績が称えられ、オランダのベアトリクス女王よりオレンジ・ナッソー勲章を授与。
 CDは、Brilliant Classics、Columns Classics、Naxos、Koch Schwannなどから発売。

アマティ室内管弦楽団

 1992年10月、ギル・シャロンの発案によりマーストリヒトで設立。世界各国で演奏し、これまでにシュロモ・ミンツ、今井信子、タベア・ツィンマーマン、ボリス・ベルマン、ペーター・フランクル、ヤープ・ファン・ズヴェーデン、ハンス・デ・フリースなど、多くの著名な音楽家と共演。
 CDは、Brilliant Classics、Columns Classicsなどから発売。


 

96883
(4CD)
\2900

聖職者作曲家ボンポルティの心洗われる曲集

 ボンポルティ:
  2台のヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ全集



CD1 60:43
2台のヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ Op.1 (1696)
ソナタ 第1番 ニ長調
 1. I. アダージョ 1:30
 2. II. アレグロ 2:18
 3. III. グラーヴェ 1:18
 4. IV. レント・アレグロ 2:11

ソナタ 第2番 変ロ長調
5. I. アダージョ 1:02
6. II. アラ・ブレーヴェ 1:21
7. III. グラーヴェ 1:40
8. IV. アレグロ 2:17

ソナタ 第3番 ト長調
9. I. ラルゴ 1:44
10. II. アレグロ 2:26
11. III. グラーヴェ 1:19
12. IV. コン・スピリト 1:59

ソナタ 第4番 ロ長調
13. I. グラーヴェ 2:14
14. II. アレグロ 1:14
15. III. アンダンテ 0:57
16. IV. スピリトーゾ 2:01

ソナタ 第5番 ニ長調
17. I. アンダンテ 1:10
18. II. ヴィヴァーチェ 1:49
19. III. グラーヴェ 1:44
20. IV. アレグロ・エ・プレスト 1:49
21. V. アラ・ブレーヴェ 0:27

ソナタ 第6番 ヘ長調
22. I. ラルゴ 1:21
23. II. アレグロ 1:05
24. III. アダージョ 0:41
25. IV. プレスト・エ・アレグロ 1:13

ソナタ 第7番 ホ長調
26. I. アレグロ 1:03
27. II. アレグロ・エ・プンタート 1:30
28. III. グラーヴェ 0:57
29. IV. プレスティッシモ 1:23

ソナタ 第8番 イ長調
30. I. アダージョ 1:49
31. II. ヴィヴァーチェ 1:25
32. III. ラルゴ 1:16
33. IV. プレスト・プレスト・エ・ウニート 1:37

ソナタ 第9番 ハ長調
34. I. ヴィヴァーチェ 0:54
35. II. アレグロ 1:19
36. III. アダージョ・アッサイ 2:22
37. IV. プレスト 1:03

ソナタ 第10番 イ長調
38. I. スピッカート 0:46
39. II. テンポ・ジュスト 1:11
40. III. アダージョ・エ・スピッカート 1:54
41. IV. プレスト 0:57

 ラビリンティ・アルモニチ
 アンドレア・フェローニ(ヴァイオリン)
 ヨーゼフ・ヘーン(ヴァイオリン)
 イーヴォ・ブリガドーイ(チェロ)
 マリアン・ポリン(チェンバロ、オルガン)

 録音:2018年4月13~15日、イタリア、ボルツァーノ、ラナ、聖ペテロ教会

CD2 58:01
2台のヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ Op.2 (1698)
ソナタ 第8番 ハ長調
1. I. プレルーディオ 1:20
2. II. アルマンド 1:19
3. III. アダージョ 0:50
4. IV. ガヴォット 1:11

ソナタ 第6番 イ長調
5. I. プレルーディオ 1:16
6. II. コレンテ 1:29
7. III. サラバンド 1:28
8. IV. ガヴォット 1:15

ソナタ 第3番 ヘ長調
9. I. プレルーディオ アルマンド 2:48
10. II. コレンテ 1:45
11. III. グラーヴェ 0:59
12. IV. ジーグ 1:27

ソナタ 第9番 変ロ長調
13. I. プレルーディオ 1:02
14. II. アルマンド 1:42
15. III. サラバンド 1:18
16. IV. ジーグ 1:50

ソナタ 第2番 ホ長調
17. I. プレルーディオ 1:38
18. II. アルマンド 1:46
19. III. コレンテ 1:37
20. IV. ガヴォット 1:32

ソナタ 第7番 ロ長調
21. I. プレルーディオ 1:26
22. II. アルマンド 2:29
23. III. アダージョ 0:48
24. IV. ジーグ 2:01

ソナタ 第5番 ホ長調
25. I. プレルーディオ 1:27
26. II. アルマンド 1:59
27. III. サラバンド 1:20
28. IV. ジーグ 1:50

ソナタ 第4番 イ長調
29. I. プレルーディオ 0:50
30. II. アルマンド 1:53
31. III. コレンテ 1:35
32. IV. ガヴォット 0:46

ソナタ 第1番 ニ長調
33. I. プレルーディオ 1:11
34. II. アルマンド 2:13
35. III. スタッカートとアダージョ 1:24
36. IV. ジーグ 1:52

ソナタ 第10番 ト長調
37. チャッコーナ 3:26

 ラビリンティ・アルモニチ
 アンドレア・フェローニ(ヴァイオリン)
 ヨーゼフ・ヘーン(ヴァイオリン)
 イーヴォ・ブリガドーイ(チェロ)
 アンドレアス・ベネディクター(チェンバロ、オルガン)

 録音:2017年1月3日~5日、イタリア、トレント、セミナリオ・マッジョーレ教会
CD3 64:17
2台のヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ Op.4
ソナタ 第1番 ト長調
1. I. プレルーディオ ラルゴ 2:26
2. II. アルマンド アレグロ 1:42
3. III. サラバンド 1:43
4. IV. コレンテ プレスト 1:47

ソナタ 第2番 ロ長調
5. I. プレルーディオ アンダンテ 2:27
6. II. アルマンド アレグロ 1:40
7. III. サラバンド ラルゴ 1:38
8. IV. ジーグ 1:23

ソナタ 第3番 イ長調
9. I. プレルーディオ アンダンテ 1:37
10. II. コレンテ. アレグロ 1:27
11. III. スタッカート アダージョ・アッサイ 1:27
12. IV. ガヴォット. プレスト 1:13

ソナタ 第4番 変ロ長調
13. I. アルマンド. プレスト・ヴィヴァーチェ 1:34
14. II. アンダンテ 1:09
15. III. サラバンド 1:27
16. IV. ジーグ 1:24

ソナタ 第5番 ホ長調
17. I. プレルーディオ アダージョ 1:33
18. II. アルマンド アレグロ 2:14
19. III. ガヴォット プレスト 1:34

ソナタ 第6番 イ長調
20. I. プレルーディオ. ラルゴ 2:27
21. II. コレンテ 1:55
22. III. グラーヴェ 0:48
23. IV. ジーグ 1:38

ソナタ 第7番 ニ長調
24. I. プレルーディオ ラルゴ 1:26
25. II. コレンテ 1:32
26. III. サラバンド アダージョ 1:27
27. IV. ガヴォット 1:36

ソナタ 第8番 ホ長調
28. I. プレルーディオ アンダンテ 2:45
29. II. アルマンド. アレグロ 1分25秒
30. III. グラーヴェ 0:59
31. IV. ジーグ 1:21

ソナタ 第9番 ヘ長調
32. I. プレルーディオ ラルゴ 1:38
33. II. アルマンド プレスト 1:29
34. III. アダージョ 0'40
35. IV. ジーグ 1:47

ソナタ 第10番 ハ長調
36. I. プレルーディオ アダージョ 2:07
37. II. アルマンド アレグロ 1:59
38. III. サラバンド ラルゴ 1:44
39. IV. コレンテ 1:47

 アレッサンドロ・バルデッサリーニ(テオルボ)

 ラビリンティ・アルモニチ
 アンドレア・フェローニ(ヴァイオリン)
 ヨーゼフ・ヘーン(ヴァイオリン)
 イーヴォ・ブリガドーイ(チェロ)
 マリヤ・ヨヴァノヴィッチ(チェンバロ、オルガン)

 録音:2021年7月8日~10日、イタリア、トレント、セミナリオ・マッジョーレ教会
CD4 55:08
2台のヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ Op.6
ソナタ 第1番 ロ長調
1. I. プレルーディオ 1:56
2. II. コレンテ. アレグロ 2:06
3. III. ジーグ 1:29

ソナタ 第2番 ニ長調
4. I. プレルーディオ アンダンテ 1:21
5. II. アルマンド 1:39
6. III. ガヴォット プレスティッシモ 1:40

ソナタ 第3番 嬰ヘ長調
7. I. アルマンド 2:50
8. II. サラバンド アンダンテ 3:21
9. III. ジーグ 1:25

ソナタ 第4番 イ長調
10. I. プレルーディオ ラルゴ 1:40
11. II. アルマンド Allegro 1:36
12. III. コレンテ 2:19

ソナタ 第5番 ホ長調
13. I. プレルーディオ 1:07
14. II. アルマンド. プレスト 1:42
15. III. ジーグ. プレスト 1:39

ソナタ 第6番 変ロ長調
16. I. プレルーディオ. ラルゴ 2:34
17. II. アルマンド アレグロ 1:59
18. III. サラバンド ラルゴ 2:33

ソナタ 第7番 ト長調
19. I. プレルーディオ アダージョ 2:18
20. II. アルマンド アレグロ 1:31
21. III. ジーグ. プレスト 1:38

ソナタ 第8番 ハ長調
22. I. プレルーディオ 1:37
23. II. アルマンド プレスト 1:48
24. III. ガヴォット. プレスト 1:50

ソナタ 第9番 ホ長調
25. I. アルマンド. コモド 1:57
26. II. サラバンド ラルゴ 1:54
27. III. ジーグ. プレスト 1:14

ソナタ 第10番 ヘ長調
28. I. プレルーディオ. ヴィヴァーチェ 0:50
29. II. コレンテ. アレグロ 1:42
30. III. ジーグ. プレスト 1:39

 ピエトロ・プロッセル(アーチリュート)

 ラビリンティ・アルモニチ
 アンドレア・フェローニ(ヴァイオリン)
 ヨーゼフ・ヘーン(ヴァイオリン)
 イーヴォ・ブリガドーイ(チェロ)
 マリヤ・ヨヴァノヴィッチ(チェンバロ、オルガン)

 録音:2022年7月8日~10日、イタリア、トレント、セミナリオ・マッジョーレ教会
ラビリンティ・アルモニチ

 バッハに影響を与えたインヴェンションの作者として知られるボンポルティは、神学と音楽を学んだ聖職者。作曲は副業でしたが、聖職者として働いていた47年のあいだに12の作品集を出版し各国有力者に献呈。北イタリアのトレント大聖堂で働きながら、1727年にはカール6世から「宮廷紳士」の称号を授与されるなど知名度は高かったようです。今回全曲が収められた「2台のヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ」のコンチェルタンテな名技性は、コレッリに師事したとも言われるボンポルティの作風をよく示しています。


アンドレア・フェローニ(ヴァイオリン)


 北イタリアのトレント音楽院を卒業後、同じく北イタリアのパルマでA.トスカニーニ財団が主催する上級専門コースに通い、その後、スイスのルガーノにあるスイス・イタリア音楽院でマッシモ・クワルタに師事。
 1998年、トレント近郊ボルゴ・ヴァルスガーナの室内オーケウトラ「コンプレッソ・コレッリ」のソロ奏者として入団。イタリア国内外で活動。
 2003年にはバロック・ヴァイオリンに転向し、エンリコ・オノフリやステファノ・モンタナーリの指導を受け、2019年にはバロック・ヴァイオリンの学位も取得しています。
 その間、2006年にラビリンティ・アルモニチ協会の会長、芸術監督、首席ヴァイオリン奏者に就任し、現在に至っています。


ラビリンティ・アルモニチ


 2006年にラビリンティ・アルモニチ協会として設立。固定されたアンサンブルはなく、音楽家のグループであり、その人数や構成は変化します。主にバロック音楽を扱っていて、選ばれた楽曲については、その時代のスタイルと密接に結びついた全体的なアプローチにより研究。ガット弦を張った初期のオリジナル楽器や、バロック~古典の弓を使用し、解釈に関する理論書や手引書の形で現存する無数の資料を参照することで、さまざまな時代の音楽に表現された好みや感情に近づくことを目標とし、さらに、演奏をユニークで特別なものにするセンスや即興についても検討しています。




 

96666
(2CD)
\2100
ヒンデミット:チェロとピアノのための音楽全集
  チェロ・ソナタ Op.11-3は2ヴァージョン収録

CD1 50:10
チェロ・ソナタ (1948)
1. I. パストラーレ 7:25
2. II. 適度に速く 6:43
3. III. パッサカリア 9:42

小チェロ・ソナタ (1942)
4. I. 幅広く 3:02
5. II. 生き生きと 2:15
6. III. ゆっくりと 4:03

7. 古いイギリスの童謡「求愛しに行くカエル」による変奏曲 (1941) 5:48

8. バレエ音楽「気高い幻想」~第8曲「瞑想」(1938)(チェロとピアノ版) 4:02

3つのやさしい小品 (1938)
9. I. 適度に速く、生き生きと 1:26
10. II. ゆっくりと 2:54
11. III. 生き生きと 2:36


CD2 75:34
チェロ・ソナタ Op.11 No.3 (1921)
1. I. 適度な速さの4分の1拍子で。力強く 9:38
2. II. ゆっくりと - 5:33
3. III. 非常に生き生きと 4:15

チェロ・ソナタ Op.11 No.3 (1919)(第1版)
4. I. 生き生きとしたテンポで 9:54
5. II. ゆっくりと;非常に生き生きと 9:45
6. III. 速い4分の1拍子で、常に力強く生き生きと 11:57

3つの小品 Op.8 (1917)
7. I. カプリッチョ~生き生きと 2:54
8. II. 幻想的小品~適度にゆっくりと 10:02
9. III. スケルツォ~適度に速く 11:23

ウンベルト・アレアンドリ(チェロ)
フィリッポ・ファリネッリ(ピアノ)


 録音:2022年4月9~10日、10月29~30日、2023年2月16~17日、イタリア、ペルージャ、ミュージック・カヴェルン

 ドイツの作曲家パウル・ヒンデミット[1895-1963]の広範なレパートリーの中で、チェロとピアノのための音楽は、量的にも質的にも重要な位置を占めています。ヒンデミットは主にヴィオラ奏者、指揮者でしたが、その好奇心旺盛な性格から、作曲家としても演奏家としても実にさまざまな楽器を試しています。中でもチェロは、優れたチェリストである兄のルドルフとの共同作業もあって、特別な存在となっていました。




ウンベルト・アレンドリ(チェロ)


 1989年、イタリア中部のラクイラに誕生。11歳でチェロを弾き始め、2010年にA.カゼッラ音楽院を優秀な成績で卒業。その後、ペルージャのF.モルラッキ音楽院でチェロ、ピアノ室内楽、弦楽室内楽の第2レベルの学位をすべて優秀な成績で取得し、さらに、聖チェチーリア国立音楽院の室内楽高等専門コースで学んで卒業。
 ソロ、室内楽奏者、オーケストラ楽員として、イタリア、スペイン、ベルギー、スイス、日本、中国などで演奏。  CDは、Brilliant Classics、Tactusなどから発売。


フィリッポ・ファリネッリ(ピアノ)


 1976年、イタリア中部のアッシジに誕生。イタリアでピアノと室内楽、作曲とオーケストラ指揮の学位を得たのち、ウィーン音楽大学大学院で学位を取得。国内外で室内楽と声楽で協同するほか、イタリアの音楽院で教えてもいます。
€  CDは、Brilliant Classics、Tactus、Da Vinci Classicsなどから発売。

 

97065
(2CD)
\2100

ジャダン:フォルテピアノとヴァイオリンのための音楽

 ヤサント・ジャダン [1776-1800]:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ集

CD1 77:12

3つのソナタ Op.1 (フォルテピアノまたはチェンバロとヴァイオリン伴奏のための)
ソナタ ニ長調 Op.1 No.1
1. I. アレグロ 10:06
2. II. アンダンティーノ・ウン・ポコ・アレグレット 5:31
3. III. メヌエット アレグロ 3:18
4. IV. フィナーレ プレスト 5:27

ソナタ ロ長調 Op.1 No.2
5. I. アレグロ・フィエラメンテ 9:55
6. II. ロンド アレグレット・ノン・トロッポ 4:12

ソナタ ヘ短調 Op.1 No.3
7. アレグロ・ポコ・アジタート 5:31
8. II. アダージョ 6:28
9. III. メヌエット・アレグロ 4:02
10. IV. アレグロ・ノン・トロッポ 5:21
マレク・トポロフスキ(ピアノ
ゾフィア・ヴォイニャキエヴィチ(ヴァイオリン
3つのソナタ Op.3 (フォルテピアノとヴァイオリン伴奏のための)
ソナタ 変ホ長調 Op.3 No.1
11. I. アレグロ・モデラート 7:32
12. II. アレグロ・ポコ・アジタート 4:14

ソナタ ト短調 Op.3 No.2
13. I. アレグロ・コン・モルト 5:26
マレク・トポロフスキ(フォルテピアノ)
ロベルト・バハラ(ヴァイオリン)


CD2 75:10

1. II. フィナーレ アレグロ・ノン・トロッポ 5:01

ソナタ ハ長調 Op.3 No.3
2. アレグロ 7:28
3. アダージョ 6:50
4. アレグロ・ポコ・プレスト 4:03
マレク・トポロフスキ(フォルテピアノ)
ロベルト・バハラ(ヴァイオリン)
3つの四重奏曲 (ジャダンによりフォルテピアノとヴァイオリン伴奏のために編曲)
弦楽四重奏曲第1番 変ロ長調
5. I. ラルゴ~アレグロ・ノン・トロッポ 6:12
6. II. アダージョ 5:33
7. III. メヌエット アレグロ 1:52
8. IV. フィナーレ アレグロ 6:04

弦楽四重奏曲第2番 イ長調
9. I. アレグロ 4:56
10. II. メヌエット 2:51
11. III. アンダンテ パストラーレ 4:58
12. IV. フィナーレ プレスト 5:40

弦楽四重奏曲第3番 ヘ短調
13. I. アレグロ・モデラート 6:23
14. II. メヌエット 2:24
15. III. ポロネーズ 4:46
マレク・トポロフスキ(ピアノ
ゾフィア・ヴォイニャキエヴィチ(ヴァイオリン



 使用フォルテピアノ:アントン・ワルターのレプリカ/ポール・マクナルティ製作(カペラ・クラコヴィエンシス所有)
 録音:2023年2月26~28日、ポーランド、クラクフ=モギワ、シトー会修道院、マルチナ・ビアウォブジェスキ修道院長ホールル、2022年3月14~15日、ポーランド、クラクフ、ユダヤ文化センター

 フランス革命の激動を生き24歳で夭折した作曲家の室内楽

 ジャダンのピアノ・ソナタ集Op.1とOp.3には、オプションでヴァイオリン伴奏を用いることが可能と記されており、それを実行に移したのがこのアルバムでの録音です。また、ジャダンがハイドンに献呈した弦楽四重奏曲集については、自身でフォルテピアノとヴァイオリン伴奏のために編曲しており、ソナタと並べて聴くと良い感じになっています。ブックレット(英語)には、トポロフスキによる入念な解説が掲載されています。




マレク・トポロフスキ(フォルテピアノ)


 1964年3月19日、ワルシャワで誕生。チェンバロ、オルガン、フォルテピアノなど歴史的鍵盤楽器の専門家で、近年は指揮もおこなっています。
 トポロフスキは地元のワルシャワ音楽アカデミーでオルガンとチェンバロなどを勉強。卒業後はストラスブール音楽院に進んでオルガンとチェンバロで一等賞を得て卒業し、ザールブリュッケンのザールラント音楽院では演奏家のディプロマを取得。さらにアムステルダムではボブ・ファン・アスペレンの指導を受け、カトヴィツェ音楽アカデミーではオルガンの即興演奏も学んでいます。
 その間、1985年にクラクフで開催された第1回ワンダ・ランドフスカ全国チェンバロ・コンクールで入賞し、独奏者、室内楽奏者として演奏活動を本格的に開始。
 教育者としては、2008年からカトヴィツェ音楽アカデミーでチェンバロと歴史的演奏実践について教えており、2015年からはワルシャワのF.ショパン音楽院で、オルガンとチェンバロを教えて、2016年からはクラクフ音楽院の古楽科でも教えています。
 歴史的楽器で演奏するアンサンブル「コンチェルト・ポラッコ」の創設者。
 CDは、Brilliant Classics、DUX Recording、Musicon、Acte Prealable、BNL、Piano Classicsなどから発売。



ゾフィア・ヴォイニャキエヴィチ(ヴァイオリン)


 ヴァイオリンをカヤ・ダンチョフスカらに師事したほか、クラクフのクシシュトフ・ペンデレツキ音楽アカデミーで歴史的ヴァイオリン奏法も研究。クラクフ歌劇場管弦楽団のコンサートマスターを務めるほか、カメラータ・ヴィストゥーラ弦楽四重奏団で第2ヴァイオリンを弾いてもいます。



ロベルト・バハラ(ヴァイオリン)


 1985年、ヴロツワフに誕生。7歳から少年合唱団で歌い、8歳からヴァイオリンの訓練を開始。2009年にヴロツワフのカロル・リピンスキ音楽アカデミーを優秀な成績で卒業し、2012年5月に音楽芸術博士号を取得。2010年から2014年までウッチのグラジナ音楽院とキエイシュトゥット・バツェヴィチ音楽院、およびヴロツワフのカロル・リピンスキ音楽院で講師を歴任。歴史的奏法にも詳しく、ソロと室内楽のほか、オーケストラ楽員としても活動し、現在、カペラ・クラコヴィエンシスのコンサートマスターも務めています。

 

96699
(2CD)
\2100

世界初録音を含むギター曲集


クリスティアーノ・ポルケッドゥ [1975- ]

CD1 49:47
ソナタ第1番 「キャンヴァス上の色」
1 I. 空想の花 8:06
2 II. 夕暮れの歌 5:26
3 III. 光の国 4:26

ソナタ第2番 「ソナタ・ディ・ピチェルノ」 (初録音)
4 I. リ・フォイ山の物語 7:37
5 II. 青い山々 2:30
6 III. 祝いの鐘 4:28

ソナタ 第3番 「炎の儀式」
7 I. アレグロ・ファンタスティーコ 6:22
8 II. アダージョ・インカンタート 5:26
9 III. モッソ・ミステリオーゾ 5:06
リッカルド・ダロ(ギター)

録音:2022年12月12日&2023年5月15日、
イタリア、カブラス、シニス・ウェーブス・スタジオ
CD2 59:13
「闇の二連祭壇画」 (初録音)
1 I. 遠くで鳴る音 4:37
2 II. 嵐の朝 4:11

「孤独の変容」
3 I. グラーヴェ 2:38
4 II. アレグロ・ノン・トロッポ 0:56
5 III. コメ・ウナ・カンツォーネ 2:09
6 IV. アダージョ 2:12
7 V. アンダンティーノ・コン・グラツィア・エ・テーマ 3:23

湘江八景からの習作
8 I. 夕暮れの湘江の雪 6:10
9 II. 湘江の夜の雨 5:04
10 III. 家路につく雁 4:59
11 Ⅳ.青蓮寺の夜の鐘 (ロレンツォ・ミケーリ・プッチに捧ぐ) 4:28
12 V. 山中の寺 (リッカルド・ダロに捧ぐ) 4:00
13 VI. 夕映えの漁村 3:49
14 VII. 洞庭湖の秋の月 5:06
15 VIII. 帰路につく帆船 4:56
ロレンツォ・ミケーリ・プッチ(ギター)

録音:2023年5月15日、
イタリア、クーネオ、スタジオ・ピアヴェ

 

 サルデーニャ島出身の作曲家、クリスティアーノ・ポルケッドゥの作品には、サルデーニャ伝説だけでなく各地の素材に想を得た作品が多く含まれます。聖アントニオとその豚が人類に与えるために地獄から火を盗むという古代サルデーニャの伝説に基づく「炎の儀式」や、中世の中国で羊皮紙に描かれた8枚の絵にインスパイアされた「湘江八景からの習作」など興味深い作品を聴くことができます。




リッカルド・ダロ(ギター)

 サルデーニャに誕生。祖父が木から彫って作った小さなギターで演奏を始め、バスティアーノ・コーイに師事したのち、アレッサンドリアのA.ヴィヴァルディ音楽院で作曲家フェレンツ・ファルカシュに関する論文で学士号を取得し、20世紀と21世紀のソナタに関する論文で修士号を取得。勉強を終えた後、ソロと室内楽の両方で演奏活動を展開。


ロレンツォ・ミケーリ・プッチ(ギター)

 北イタリアのルニジャーナに誕生。6歳からマリア・グラツィア・チッテリオの指導でクラシック・ギターを弾き始め、アレッサンドリアのA.ヴィヴァルディ音楽院で作曲家ヴォルファンゴ・ダラ・ヴェッキアとエルンスト・クシェネク(クレネク)に関する論文で学士号を取得し、その後アンジェロ・ジラルディーノの「妙技と超越性の研究」で修士号を取得。ソロと室内楽の両方で演奏活動を展開。

 

95963
\1800
ゆったりかまえた美しい演奏で味わうマニャールの室内楽
 マニャール:チェロ・ソナタ、ピアノ三重奏曲

アルベリック・マニャール [1865-1914]

チェロ・ソナタ イ長調 Op.20 (1908-10)
1. I. 遅滞なく 9:23
2. II. 弱すぎず - III. 葬送 12:26
3. IV. 円滑に 8:18
カミッラ・パトリア(チェロ)
エレナ・バッラーリオ(ピアノ)

録音:2022年5月15~16日、
イタリア、ペルージャ、クラシカル・レコーディング・スタジオ
ピアノ三重奏曲 ヘ短調 Op.18 (1904-1905)
4. I. 陰鬱に 8:39
5. II. 歌、劇的、明瞭、動き 11:55
6. III. 生き生きと(ワルツ・タイム) 5:32
7. IV. 幅広く - 生き生きと - 幅広く - 生き生きと
 - 2倍生き生きと - 幅広く - 生き生きと
 - 2倍ゆっくりと - 生き生きと - 幅広く 15:36
トリオ・メッゼーナ、パトリア、バッラーリオ
 フランコ・メッゼーナ(ヴァイオリン)
 セルジオ・パトリア(チェロ)
 エレナ・バッラーリオ(ピアノ)

録音:2020年10月13~14日、
イタリア、ペルージャ、クラシカル・レコーディング・スタジオ


 

 フランス近代の作曲家マニャールの音楽は、フランクの影響を感じさせる骨太系の親しみやすいもの。このCDに収められたチェロ・ソナタ、ピアノ三重奏曲はマニャールの室内楽の代表的な作品で、特にチェロ・ソナタは美しい旋律から情熱的な盛り上がりまで起伏も大きく聴きごたえがあります。ブックレット(英語)には、ピアニストのエレナ・バッラーリオによる解説が掲載されています。




 マーラーと同世代の作曲家、アルベリック・マニャール[1865-1914]は、近代フランス音楽にドイツ後期ロマン派の語法を取り入れたような独特の作風で知られています。マニャールは最初、法律学校を出て学位を取得しますが、その後、パリ音楽院に入学してデュボアに和声を、マスネに作曲を学び、卒業後は、ヴァンサン・ダンディに4年間作曲を師事します。作曲家の道を選んだ直接のきっかけは、バイロイトでワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」を聴いたことだったとも伝えられています。
 マニャールは交響曲における後期ロマン主義的作風とコラールの使用などにより、「フランスのブルックナー」などと呼ばれることもあります。実際にはブルックナーよりもフランクに近いスタイルといえ、また、若い頃は当時のフランスで流行していたワーグナーの音楽に夢中になったこともあってか、自作のオペラにもワーグナーのライトモーティーフを思わせる手法が採用されていました。
 自身が30代で難聴になってしまったという事情もあり、ベートーヴェンを深く尊敬していたというマニャールの作風には、たぶんにドイツ=オーストリア系作曲家の影響が見受けられますが、室内楽作品などで顕著なように、ベースとなっているのはあくまでも当時のフランスの作曲家ならではの明晰なスタイルといえるのではないでしょうか。
 やがて、1896年にはスコラ・カントルムの対位法の教授に就任し、セヴラックなどを教えますが、生活の中心は自宅での作曲活動であり、自費で自作のコンサートを開いたり、作品の出版などもおこなうものの、ごく一部の人々を除いて批評家・聴衆共に理解を得られませんでした。
 幻滅したマニャールは、別荘にこもって作曲し、外界との接触を少なくして芸術至上主義的傾向をいっそう強めていきますが、そんな中、第1次大戦勃発の年に、家族を疎開させ1人で滞在していた別荘に侵入してきたドイツ兵と交戦状態になり、2人を射殺するものの、残りの兵によって屋敷に火を放たれ、数々の作品と共に焼き殺されてしまいます。悲劇的というほかない最期を遂げたマニャールですが、残された作品はどれも見事なもので、フランス的な響きと、表現力豊かな旋律、それにドイツ的な形式美が備わるという稀有な美質を湛えたその世界は、マニャールならではの素晴らしさです。



トリオ・メッゼーナ、パトリア、バッラーリオ


 チェロのセルジオ・パトリアとピアノのエレナ・バッラーリオは1988年から夫婦で演奏しており、そこに世界的なヴァイオリニストのフランコ・メッゼーナが加わって2016年に結成。


カミッラ・パトリア


 チェロのセルジオ・パトリアとピアノのエレナ・バッラーリオの娘。2006年から父親にチェロを習い、2020年にはトリノ音楽院でディプロマを取得。その間、国内のコンクールで入賞し、2019年にコントラバス奏者のトンマーゾ・フィオリーニとともにデュオ・インコントラを設立。2020年からはヴァイオリニストのニコラ・マルヴリ、ピアニストのティツィアナ・コロンブロとともにモルゲン・ピアノ・トリオを結成。以後、ソロと室内楽の両方で活動しています。


 

96613
\1800

明るい序曲を愉しいマンドリン・アンサンブルで
 チマローザ:オペラ序曲集

ドメニコ・チマローザ [1749-1801]

1. 歌劇「ホラティ家とクリアティ家」序曲 (1796)* 6:24
2. 歌劇「裏切られた陰謀、あるいは発覚した欺瞞」序曲 (1786) 6:16
3. 歌劇「秘密の結婚」序曲 (1792) 7:50
4. 歌劇「トラキアの恋人たち」序曲 (1793) 5:53
5. 歌劇「女たちの策略」序曲 (1794) 4:12
6. 歌劇「見かけは当てにならない、または休暇」序曲 (1784) 6:29
7. 歌劇「魔女キルケー」序曲 (1783) 9:30
8. 歌劇「ロンドンのイタリア人」序曲 (1779) 8:15
9. 歌劇「ヴォロディミーロ」序曲 (1787) 4:16
アネッダ五重奏団(ジュゼッペ・アネッダ撥弦五重奏団)
 エマヌエーレ・ブーツィ(マンドリン)
 ノルベルト・ゴンサルヴェス・ダ・クルース(マンドリン)
 ヴァルディミーロ・ブーツィ(マンドラ)
 アンドレア・パーチェ(ギター)
 エミリアーノ・ピッコリーニ(コントラバス)

編曲:「ホラティ家とクリアティ家」のみサルヴァトーレ・アルー(1980)、ほかはミケーレ・ディ・フィリッポ (2022)
録音:2022年7~8月、イタリア、ジェンツァーノ・ディ・ローマ、アッソーロ音楽プロダクション

モーツァルトと同時代のイタリアの作曲家、チマローザは明るい作風とあふれるメロディーで人気を博し、43歳若いロッシーニにも大きな影響を与えていたことはこのオペラ序曲集を聴いてもよくわかります。編曲はマンドリン2本とマンドラ、ギター、コントラバスから成るマンドリン五重奏のためにおこなわれており、快活で涼し気なアンサンブルを聴くことができます。




モーツァルトと同時代のイタリアの作曲家、チマローザは明るい作風とあふれるメロディーで人気を博し、43歳若いロッシーニにも大きな影響を与えていたことはこのオペラ序曲集を聴いてもよくわかります。編曲はマンドリン2本とマンドラ、ギター、コントラバスから成るマンドリン五重奏のためにおこなわれており、快活で涼し気なアンサンブルを聴くことができます。



アネッダ五重奏団


 クインテット・ア・プレトロ「ジュゼッペ・アネッダ」は、クラシック・マンドリンの普及活動に生涯を捧げたジュゼッペ・アネッダに敬意を表して2003年に設立されたアンサンブル。アネッダは、マンドリンをコンサートホールの正当な場所に戻した名手。ヨーロッパ各地の博物館や図書館での彼の研究と、ヴィヴァルディ、ペルゴレージ、ベートーヴェンなどの多くの作曲家によるマンドリンのオリジナル原稿の発見は、従来の固定概念からマンドリンを解放することに大きく貢献しています。
 ジュゼッペ・アネッダ五重奏団は、当初から由緒ある文化遺産を保存し、イタリアの伝統に新しい命を吹き込み、古典的なマンドリンの新しい作品の作曲を促進するというアネッダの夢を実現するために努力してきました。アンサンブルはイタリア国内および海外(スペイン、ポルトガル、フランス、ドイツ、日本)で演奏して実績を積み、イタリア共和国大統領から名誉勲章を授与されてもいます。

 

95981
\1800
ドゥセク:ソナタ全集シリーズの最終巻

ヨハン・ラディスラウス・ドゥセク [1760-1812]

ソナタ 変ロ長調 Op.35-1 Craw 149
 1. アレグロ・モデラート・エ・マエストーソ 15:10
 2. フィナーレ.アレグロ・ノン・トロッポ・マ・コン・スピリト 8:20

ソナタ ト長調 Op.35-2 Craw 150
 3. アレグロ 10:56
 4. ロンド:モルト・アレグロ・コン・エスプレッション 6:43

ソナタ ハ短調 Op.35-3 Craw 151 「悲愴」
 5. アレグロ・アジタート・アッサイ 10:38
 6. アダージョ・パテーティコ・エド・エスプレッシオーネ 7:40
 7. インテルメッツォ 0:33
 8. フィナーレ モルト・アレグロ 4:25

ソナタ ニ長調 Op.69-3 Craw 242 「狩り」
 9. アレグロ・マエストーソ・エ・ブリランテ 9:09
 10. ラルゲット・エスプレッシーヴォ 3:35
 11. フィナーレ シャッセ、アレグロ・スケルツォ 7:08
ペトラ・ショムライ(フォルテピアノ)

使用楽器
Craw 149~151:ロングマン・クレメンティ(1798~1799年)のオリジナル/修復(2002年)
Craw 242:アントン・ワルター・ウント・ゾーン (1800年頃)のレプリカ/クリス・マーネ製作(2012年)

録音:2020年6月30日、オランダ、スヒーダム、ヴェストフェスト教会(Op.69-3)、2022年12月9~11日、ベルギー、ライセレーデ、アトリエ・マーネ・コンサートホール(Op.35)



 全集のCD9と同じ音源。
 ブックレット(英語)にはバルト・ファン・オールトによるエッセイ「ドゥセク時代のイギリスのピアノ」と、楽曲解説「音楽について」が掲載されています。

 ここではソナタ集 Op.35(ベートーヴェンに影響を与えているようです)がイギリス式の迫力あるロングマン・クレメンティ、ソナタ「狩り」がウィーン式の軽快なアントン・ワルター・ウント・ゾーンで演奏されています。
 大きな会場が多かったロンドンではより大きく長続きするカンタービレ向きの音が求められ、ダンパーペダルの搭載や、長めの減衰音、深いタッチといった特色が備わるようになり、小さめの会場が多かったウィーンでは軽快な音が効果的なことから、ダンパーも膝レバー式の軽微なもので、減衰音も短く、浅いタッチで十分という違いがありました。




ペトラ・ショムライ(フォルテピアノ)


1981年、ハンガリーに誕生。ベーラ・バルトーク音楽院で指揮とピアノ演奏を学び、2007年にフランツ・リスト音楽院でピアノの学位を取得。その後、フォルテピアノとチェンバロを、デヴィッド・ウォード(王立音楽大学)や、メンノ・ファン・デルフト(アムステルダムのスウェーリンク音楽院)、ファビオ・ボニッツォーニ、バルト・ファン・オールト(ハーグ王立音楽院)に師事。2010年、ブルージュ国際フォルテピアノコンクールで第1位と聴衆賞を受賞し、以後、ソリスト、室内楽奏者として、ヨーロッパ、アメリカ、アジアなどで活動。現在はハーグ王立音楽院でフォルテピアノの教授を務めてもいます。
 CDは、Brilliant Classics、Centaur Recordsなどから発売。

 

96854
\1800
ジャン=バティスト・パラン:クラヴサン曲集第1巻

ジャン=バティスト・パラン [c.1730-c.1780]

クラヴサン曲集第1巻 (パリ、1762年頃)
1. 「ラ・ダルクール」:軽快に 6:23
2. 「ラ・アンゴー(ロンドー)」:愛情をこめて 3:32
3. 「ラ・ドゥ・モンプザ(ロンドー)」:親密に、ゆっくりと ― 「ラ・ドゥ・モンプザ組曲」 5:23
4. 第1ガヴォット:優雅に ― 第2ガヴォット:より優しく 3:15
5. 「レ・キャスカード」:生き生きと 6:08
6. メヌエット 1:21
7. 「ラ・ドゥ・ボヌヴァル(ロンドー)」:優雅に 3:23
8. 「ラ・マジェステューズ(ルマンド)」:誇らしげに 5:44
9. 「ラ・ペチュラント」:きわめて快活に 4:08
10. 「ラ・ド・ラ・ボーヴ(ロンドー)」:優雅に ― 「ラ・ド・ラ・ボーヴ組曲(第2ロンドー)」: 優しく 6:44
11. メヌエット 2:19
12. 「パッシーの祭り(ロンドー)」:快活に 3:56
13. 「ラ・フォレット」:ルーレ 2:55
14. メヌエット 1:26
15. 「ラ・ドゥ・ブーヴロン」:きわめて快活に 4:01
16. 「ラ・リオワーズ(パントマイム)」:快活に 5:31
エヴァ・デル・カンポ(チェンバロ)

 録音:2022年7月18~20日、スペイン、ジローナ、エスパイ・テル劇場講堂

 ロココ期チェンバロ描写音楽の知られざる作品が世界初録音

 フランス・バロック後期からロココ期にかけてのチェンバロ音楽の魅力を伝えるジャン=バティスト・パラン:クラヴサン曲集第1巻の世界初録音。ブックレット(英語・スペイン語)には、作曲家と作品についての解説などが掲載されています。




 フランスのチェンバロ(=クラヴサン)音楽界はシャンボニエール[c.1602-1672]と弟子のルイ・クープラン[1616-1661]やダングルベール[1629-1691]らによって活性化。以後、クープラン・ファミリーやラモーらによって隆盛をきわめるようになり、その命脈はフランス革命まで保たれたことで、期間はほぼ1世紀半にも及んでいます。

 ブルボン朝全盛期の終わりと共にフランス・チェンバロ音楽の最後の時期を飾ったのが、ロワイエ[1703-1755]、コレット[1707-1795]、デュフリー[1715-1789]、バルバトル[1724-1799]といった18世紀生まれの作曲家たちの音楽。バロックからロココへと移行する中、優雅でありながら表情のはっきりした音楽を聴かせています。

 このCDに収められたジャン=バティスト・パラン [c.1730-c.1780]は、そうした最後のフランス・チェンバロ音楽作曲家群の一員ですが、伝記的資料が少ないためその生涯はあまりわかっていません。しかしこの「クラヴサン曲集第1巻」には、コレットやデュフリーに通じる親しみやすい魅力が備わっており、当時の人物や建物を魅力的に表現した曲集としても注目されるところです。



エヴァ・デル・カンポ(チェンバロ)


 カタルーニャのバルセロナに誕生。ピアノを学んだのち、カタルーニャの音楽院でジョルディ・レグアントとマルジュ・ヴァッセルのもとでチェンバロの勉強を開始。その後、フランスのトゥールーズ音楽院古楽科で、宇山=ブヴァール泰子とフランソワ・サン=ティーヴ(通奏低音)に師事し、チェンバロの学位を取得。
 2018年にアストゥリアス州のヒホンで開催された第8回国際古楽コンクールの室内楽部門でバロック・チェリストのギイェルモ・トゥリーナと共に優勝。
 その後、古楽グループのペルガモ・アンサンブルを設立したほか、トゥールーズ音楽院で通奏低音、バルセロナのバダロナ音楽院でチェンバロを教えています。
 CDは、Brilliant Classics、IBS Classicalなどから発売。

 

96862
\1800
テオバルト・ベーム:フルートのための作品集

テオバルト・ベーム [1794-1881]


自作
1. 「カラファのアリア“ああ、親愛なる思い出よ”による
   ディヴェルティスマン(フルートと管弦楽のための)」
    Op.6a TBA n.6 (1823) 14:54
ジャン=ルーカ・ペトルッチ(フルート)
ミュンヘン大学交響楽団
ウルリヒ・ニコライ(指揮)

録音:2011年4月3日、
ミュンヘン、キュヴィリエ劇場
2. 「24の練習曲(フルートとピアノ伴奏のための)」
   Op.37~第4番ト短調 TBA n.41 (1858) 2:14
ジャン=ルーカ・ペトルッチ(フルート)
パオラ・ピーザ(ピアノ)

録音:2006年5月26日、
ミラノ、G.ヴェルディ音楽院
 

編曲
3. グルック:「オルフェオとエウリディーチェ」
  ~エウリディーチェのアリア TBA n.50 (1868) 3:59
4. モーツァルト:ピアノ・ソナタ KV332~アダージョ TBA n.58 (1871) 4:42
5. シューベルト:歌曲集「白鳥の歌」~「セレナーデ」 TBA n.66 (1871) 4:09
6. シューベルト:歌曲集「白鳥の歌」~「漁師の娘」 TBA n.67 (1871) 3:27
7. モーツァルト:ピアノのためのロンド KV511 TBA n.59 (1871) 11:37
8. ペルゴレージ:歌曲「ニーナが床に臥して三日」 TBA n.61 (1871) 3:15
9. バッハ:管弦楽組曲第3番~アリア TBA n.42 (1871) 3:48
10. ベートーヴェン:フルート、ヴァイオリンとヴィオラのための
  セレナーデ Op.25~アンダンテ・コン・ヴァリアツィオーニ TBA n.45 (1880) 4:20
ジャン=ルーカ・ペトルッチ(フルート)
パオラ・ピーザ(ピアノ)

録音:2023年8月2日、ローマ


 フルートの改革者、テオバルト・ベームの音楽

 現代フルートの生みの親でもあるテオバルト・ベームは、楽器製作と演奏・作曲に秀でた稀有な人物でした。このアルバムではベームの作曲・編曲作品から代表的なものを収録し、フルートの多彩な表現を楽しませてくれます。ブックレット(英文)には、演奏者によるベームとフルートについての解説が掲載されています。



 ベーム式フルートを開発したテオバルト・ベーム[1794-1881]は、少年時代から楽器製作と音楽の両方を学んでいます。楽器製作については、金細工師の父親からさまざまな加工や冶金などの技術を教えられたことが功を奏して14歳で最初のフルートを製作。

 楽器演奏の方は、近所に住んでいたバイエルン王国宮廷音楽家のフルート奏者から2年間教えを受けており、すぐに上達して1812年にはミュンヘンのイーザートア劇場のフルート奏者として雇われてオーケストラの首席奏者を務めたほか、1816年からは「フルートのパガニーニ」と称えられてソロ・ツアーをおこなうほどの腕前でした。そしてそのツアーのために、フルートのための編曲や作曲もおこなっていました。

 1828年にはミュンヘンにフルート製作工房を設立し、そこで長年にわたってフルートを開発し、多くの新しい演奏テクニックを可能にしており、1847年には新しいモデルの特許を取得していますが、これは実質的に現代のフルートと同じものです。

 ベームがほかのフルーティストと違ったのは、幼少期から楽器製作と楽器演奏の両方に馴染んでいたことと、作曲や編曲を通じて、より実践的な演奏課題への取り組みが可能だったことが挙げられます。そしてさらに、必要があれば努力を惜しまない気質の持ち主でもあり、楽器開発に役立てるためにミュンヘン大学で音響学を学んだりもしています。ベームが楽器改良のための困難な実験を繰り返したり、運指システムの開発をおこなうことが可能で、クラリネットのクローゼ[1808-1880]やビュッフェ[1789-1864]にまで影響を与えたのは、こうした特別な条件が揃っていたからこそと思えます。



ジャン・ルーカ・ペトルッチ (フルート)


 1951年、イタリア中部ウンブリア州のテルニに誕生。父親からフルートを学び、パルマ王立歌劇場管弦楽団、ミラノのアンジェリクム&ポメリッジ・ムジカーリ、ローマRAI交響楽団の首席フルート奏者を歴任。ヨーロッパ、南北アメリカ、インド、アジア、北アフリカなどで演奏。数多くの作品のトランスクリプションをおこなったほか、珍しい作品の紹介やレコーディングにも精力的に取り組んでいます。ローマ・サンタ・チェチーリア音楽院名誉教授。
 CDは、Brilliant Classics、Bongiovanni、Jupiter Recordsなどから発売。


パオラ・ピーザ (ピアノ)


 フェラーラのG.フレスコバルディ音楽院でピアノを学んだのち、チェンバロも研究。ボローニャ・テアトロ・コムナーレが主催したマエストロ・コラボラトーレ(コレペティートア)全国コクールで優勝。ヨーロッパ、アメリカ、アジアなどで多くの音楽家と共演してきました。ローマ・サンタ・チェチーリア音楽院名誉教授。
 CDは、Brilliant Classics、Bongiovanni、Jupiter Recordsなどから発売。

 

97298
\1800
アンナ・フェドロワ(ピアノ)
 セルゲイ・ラフマニノフ [1873-1943]:
  ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 Op.18
  ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 Op.30
アンナ・フェドロワ(ピアノ)
北西ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団
ラエルシオ・ジニス(指揮/第2番)
ヘラルト・オスカンプ(指揮/第3番)

録音:2014年(第2番)、2016年(第3番)、ドイツ、ヘルフォルト

 アンナ・フェドロワによる2014年と2016年の演奏

 2014年にPiano Classicsで録音していたピアノ協奏曲第2番と、2016年にDRC(Dutch Record Company)が録音していたピアノ協奏曲第3番の組み合わせ。
 どちらも既発売ですが20代なかばのフェドロワによる魅力的なラフマニノフを1枚のCDで楽しめるのは朗報です。



アンナ・フェドロワ(ピアノ)


 1990年2月27日、ウクライナ・ソヴィエト社会主義共和国のキエフに誕生(ウクライナは翌年に独立)。父ボリス・フェドロフ、母タチアーナ・アバイェワは共に演奏会ピアニスト・教育者。アンナは2歳からピアノで遊び、5歳から本格的なレッスンを受け始め、6歳で初リサイタル、7歳でウクライナ国立フィルハーモニック協会に所属して全国デビューを果たしています。2003年から2008年にかけてキエフ国立音楽院付属のM.ルイセンコ記念キエフ音楽学校で学んだのち、イタリアのイモラ国際アカデミー、ロンドンの王立音楽アカデミーで学んでいます。
 その間、2005年、第2回トビリシ国際若手ピアニスト・コンクール第1位および特別賞受賞、2009年、アルトゥール・ルービンシュタイン国際ピアノ・コンクール第1位など各地のコンクールで入賞。
 以後、ソロと室内楽で、ヨーロッパ、アメリカ、日本などで世界的に活躍。
 CDは、Brilliant Classics、Piano Classics、Champs Hill Records、Channel Classics、J&R Productions、DiscAuvers、Dutch Record Companyなどから発売。


北西ドイツ・フィルハーモニー


 ノルトライン=ヴェストファーレン州のヘルフォルトを本拠地とする州立オーケストラで、内外で年間約130回のコンサートを実施。放送やレコーディング、教育活動も盛んにおこなっています。歴代首席指揮者にはシュヒター、シェルヘン、ヒルデブラント、上岡敏之、ネルソンスなどがいました。


ラエルシオ・ジニス(指揮)


 ブラジルの指揮者、ヴァイオリニスト。早くからヴァイオリンの才能を発揮し、1987年に国内のコンクールで優勝して奨学金を獲得し、ケルンでザシュコ・ガヴリロフやインゲボルク・シェーラーらに師事。1995年に帰国すると、アウレウス弦楽四重奏団と自身のバロック室内オーケストラを設立し、すぐにヨーロッパと南米でツアーを実施。以後、指揮者としての評判も高まり、現在は主に指揮者として活動しています。


ヘラルト・オスカンプ(指揮)


 1951年、オランダに誕生。最初チェロを学び、ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団でチェリストとしてのキャリアをスタートし3年間在籍。その後、エド・デ・ワールト、ハンス・スワロフスキー、フェルディナント・ライトナーらに指揮を学び、イギリスのボーンマスで開催されたジョン・プレイヤー国際指揮者コンクールで優勝。1976年に指揮者としてのキャリアをスタートし、ボーンマス交響楽団などイギリスのオーケストラと共演。1980年にはハンガリー放送国際指揮コンクールで優勝し、翌年にはブダペスト国立歌劇場でヴェルディの「椿姫」を指揮してオペラ・デビュー。
 1987年から1989年まではノルウェーのスタヴァンゲル交響楽団の首席指揮者を務め、1988年まではノルウェー管楽アンサンブルの指揮者も兼務。
 1994年に北ドイツのロストック国民劇場のオペラ監督に就任し、2002年には同じく北ドイツのフレンスブルクでシュレースヴィヒ・ホルシュタイン州立劇場の音楽総監督に就任。2013年からは、ザクセン=アンハルト州の中部ドイツ室内フィルハーモニーの首席指揮者を務めています。客演オーケストラは140を超えています。
 CDは、Brilliant Classics、cpo、Aurora、Aurophon、Marco Polo、Victoria、M&R Records、Capriceなどから発売。







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