特集
ワルター・ギーゼキング
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1-47 |
この世を去って半世紀。しかしギーゼキングの人気が衰えることはない。ここまで古いピアニストが、これほど高い人気を保ち続けるというのは極めて珍しい。
ギーゼキングのレパートリーは広く、「ピアノのための曲なら何でも弾ける」ほどの人だったが、現在ではモーツァルト、ベートーヴェン、ドビュッシー、ラヴェルの解釈で高い評価を保っている。とくに晩年の透徹した演奏は「新即物主義」的演奏の開拓者としての真骨頂。
・・・しかしギーゼキングには明らかにもうひとつの側面がある。
怪物的ピアニストとしての破天荒な顔。
今は陽の目を見ないそうしたギーゼキングの演奏を含めて、現在入手できそうなアルバムを広範囲に集めてみた。 |
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ポール・パレー特集
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1-57 |
フランス人指揮者としては日本でも異常な人気を誇るポール・パレー。少なくともアリアCDの会員の方の指揮者人気投票で堂々4位に入ったのがこのパレーである。
パレーは、フランス人とはいえ、華麗な洒脱さとか粋な雰囲気とかとは無縁の、男性的で筋肉質の音楽を作り上げる。ゴール人としての気骨を感じさせる勇猛果敢な資質とでもいおうか。レジスタンスに命を張るような男なのである。だから取り上げる曲がフランスものであったとしても、軽めの流れかと思いきやとんでもない。大胆不敵、鎧兜をつけた男の音楽なのである。そうした男っぽい無頼なところが日本人の趣味にあうのだろう。
・・・ただ例によって現在彼のアルバムはあまり多くない。
出ればベストセラー間違いなしなのだが、どういうわけかCDメーカーはそのことに気づいてくれない。
ということで今回は現在手に入るパレーの代表的アルバムを彼の人生に沿って並べてみました。 |
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作曲家特集
エルマンノ・ヴォルフ=フェラーリ
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エルマンノ・ヴォルフ=フェラーリは「スザンナの秘密」などのコミック・オペラで知られるイタリアの作曲家。
ただこの人、「イタリア人」といってしまってよいのかどうか。母親はイタリア人だが、父親はバイエルン出身の画家。・・・この「ドイツとイタリアの混血」という生まれながらの特質が、生涯彼を悩ませその人生を左右する。
そんな数奇な人生を送ったヴォルフ=フェラーリの特集。
彼の作品はあまりCD化されていないが、そんな中リリースされている貴重なアルバムを特価でご紹介します。 |
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特集
パウル・クレツキの芸術
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1-64 |
1900年生まれ、ポーランド生まれの巨匠パウル・クレツキ。
ベーム、セル、バルビローリ、コンヴィチュニーらと同世代のクレツキは、1925年にはフルトヴェングラーに招かれてベルリン・フィルを指揮。指揮者としても作曲家としても将来を嘱望されるが、その後ドイツにナチスが台頭。クレツキはユダヤ系であったためにイタリアへ逃げ延びる。しかしここでもファシスト政権に脅かされソビエトへ移る。そこで今度はスターリンの大粛清に遭遇、なんとか最終的にスイスで市民権を得た。
だがドイツでは両親や姉妹を含む肉親をナチスによって殺害され、自らの精神も一度破綻したという。
それなのに、そんなふうに理不尽に愛するものを殺されたにもかかわらず、彼の音楽は心穏やかで温かい。アンチェルといいクレツキといい、人間というのは地獄を経験してもなおここまで崇高になれるものなのか。
今回はそのクレツキの交響曲録音を中心にまとめてご紹介してみます。できるだけお安くお贈りします。 |
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特集
トーマス・ヘンゲルブロック
(ちょっぴり来日記念)
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1-71 |
トーマス・ヘンゲルブロック(Thomas Hengelbrock)は1958年生まれのドイツ人指揮者。
最初はヴァイオリン奏者として、ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスにも参加していた。その後フライブルクバロックオーケストラの設立に関わり、ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン(以下ドイツ・カンマーフィル)の初代音楽監督も務めていた。
ドイツ・カンマーフィルといえば、最近ではパーヴォ・ヤルヴィとのベートーヴェンの交響曲の全集(BMG)やたびたびの来日で、日本でも知名度を上げているが、当のヘンゲルブロックの方は残念ながら、マイナー曲の発掘に熱心なのが災いしてか、おそらくいっしょに来日もしていないと思う。
さてヘンゲルブロック、2007年にはDGに登場したが、それもダニエル・ホープのバックだった。その後もDGから新譜が出るが、主役はアリス=紗良・オット。やはり伴奏指揮者。結局日本では、まだ知る人ぞ知る指揮者といったところ・・・。店主にしたところで、「DGのお抱え伴奏指揮者になれてよかったね」くらいのことしか頭になかった。
それが、たまたま、本当にたまたまゼレンカのアルバムを手にして、すべてが一変した。 |
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特集
アルカント四重奏団
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若手(ではなくもう中堅か・・・)実力派チェリスト、ケラスが率いるアルカント四重奏団。まあ、気の合う若手を呼んで気軽にやってるんだろうな、と思ったら、メンバーがすごかった。
第1ヴァイオリンがベルリン国立音楽大学教授のアンティエ・ヴァイトハース。派手な音楽活動はしていないが、渋い本格派アルバムを、気が向いているときに出してきている凄腕女流ヴァイオリニスト。
第2ヴァイオリンがドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターを務めるカリスマ音楽家ダニエル・セペック。
そしてヴィオラはおそれおおくもタベア・ツィンマーマン。世界最高のヴィオラ奏者の一人といって異を唱える人はいないだろう。ちなみにこの人もベルリン国立音楽大学教授。
チェロが、ケラス。この人はもう説明の必要はないと思う。まさに今絶頂を迎えるチェリストの最高峰。
とんでもない連中の集まりだったのである。 |
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特集
CPOレーベルで聴く
古典派・ロマン派の知られざる交響曲
(お安く・・・)
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有名大作曲家の大作交響曲に匹敵する・・・などと大げさなことを言うつもりはない。ただ、それらの有名作品ばかりに馴染んできた耳にはちょっと新鮮に聴こえるかもしれない。
音楽史の闇に埋もれた、古典派・ロマン派の知られざる交響曲たち。
こうした作品の発掘に執念を燃やすCPOレーベルの熱い演奏でちょっと聴いてみてもいいかもしれません。
かなり思い切った価格にしてみましたが、好評でしたら第2弾、第3弾も考えてみます! |
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NAIVE
その代表的新名盤を聴く
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2-48 |
フランスの一大レーベルNAIVE。HMの独占体制を突き崩し、いまやメジャー・レーベルなみの規模を誇る。CD業界、もはやこのレーベルを無視してやって行けない。
そんなNAIVEだが、本格的に巨大レーベルとなったのはこの10年。そこで今回はNAIVEの大躍進を支えた、比較的最近の名盤をご紹介してみます。NAIVEの柱的存在である「古楽系」をあえて外し、NAIVEをインターナショナルで一般的なレーベルへと導いた名盤たち。今見ても燦然と輝いて見えます。もちろんかなりお安いです。 |